ディー・エヌ・エー(DeNA)グループ 一級建築士事務所

スマート修繕
0120-406-844

24時間対応通話料・相談料 無料

0120-406-844

24時間対応通話料・相談料 無料

マンションのスリット不足とは?構造リスク・調査方法・補修の進め方を解説

更新日:2026年05月29日(金)

マンションで「スリット不足」と聞くと、外壁タイルの目地やシーリングの不具合を想像する方もいます。しかし、管理組合が特に注意すべきなのは、鉄筋コンクリート造マンションの柱・梁・壁まわりに設けられる構造スリット、または耐震スリットの不足です。 これは単なる隙間ではなく、地震時に柱や梁へ想定外の力が集中しないようにするための重要な構造上の処理です。 国土交通省の耐震改修資料では、耐震スリットの設置について「柱に取り付く腰壁やそで壁と柱の間にスリットを設ける」工法と説明し、そのねらいを「構造上のバランスの改善、靭性能の向上」としています。つまり、スリット不足は美観の問題ではなく、建物の耐震性能や補修方針に関わるテーマです。 本記事では、構造スリットの役割、不足・未施工のリスク、調査方法、補修費用の考え方について解説します。

本記事のポイント
  • スリット不足の背景や原因がわかる
  • スリット不足を疑うサインがわかる
  • スリット不足にかかる費用がわかる

マンションのスリット不足とは

マンションのスリット不足とは、設計図上は構造スリットが必要とされているにもかかわらず、実際にはスリットが入っていない、位置がずれている、幅や深さが不十分、硬いモルタルやタイルでスリットがふさがっている、といった状態を指します。

ただし、「スリットが見えない=必ず欠陥」とは限りません。建物によっては、構造計算上、柱と壁を一体として扱う設計もあります。問題なのは、設計上は切り離す前提なのに、施工では切り離されていないケースです。国土交通省も、設計のとおりに構造スリットが施工されていない場合、構造安全性をチェックする構造計算の妥当性に影響を与える可能性があるとの見解を示しています。

なぜ構造スリットが必要なのか

鉄筋コンクリート造のマンションでは、柱・梁が地震力を受け止める主要な構造部材になります。一方、腰壁、そで壁、方立壁などの壁が柱に密着していると、地震時に柱の変形が妨げられ、柱の一部だけが短く硬く働くことがあります。このような状態では、柱にせん断力が集中しやすくなります。

国土交通省のマンション耐震化マニュアルでも、古いRC造ラーメン構造では、柱の耐力不足により柱がせん断破壊するおそれがあると説明されています。せん断破壊は、柱の中間部に斜めの大きなひび割れが生じるような破壊で、耐震上重視すべき現象です。

構造スリットは、柱と壁の間に意図的な隙間を設け、壁が柱の変形を邪魔しないようにするためのものです。東京都の耐震改修資料でも、耐震スリットの新設は「既存建物の柱の近くに隙間を設けて柱の粘り強さを向上させる」工法と説明されています。

スリット不足が起こる主なパターン

マンションで問題になりやすいスリット不足には、いくつかのパターンがあります。

第一に、完全な未施工です。図面には構造スリットが記載されているのに、現場では施工されていないケースです。

第二に、スリットが途中で途切れている、または位置がずれているケースです。スリット材が施工中に曲がったり、コンクリート打設時に押されて本来の位置からずれたりすると、柱・壁の切り離しが十分に機能しない可能性があります。

第三に、外壁タイルやモルタルがスリットをまたいでいるケースです。構造上は切り離されているはずでも、仕上げ材がスリット部分をまたぐと、地震時の変形でタイル割れや浮き、剥落につながることがあります。外壁タイルの浮き調査や大規模修繕工事の際に、初めてスリット不良が見つかることもあります。

スリット不足を疑うべきサイン

管理組合が注意すべきサインは、外壁のひび割れ、タイルの浮きや剥落、柱際に集中する斜めひび割れ、同じ位置で繰り返すシーリング破断、図面上のスリット位置と実際の目地位置の不一致などです。

ただし、外観だけで構造スリット不足を断定することはできません。タイル目地、誘発目地、伸縮目地、構造スリットは見た目が似ている場合があり、役割は異なります。特にタイル張りのマンションでは、仕上げの目地だけを見て「スリットがある」と判断するのは危険です。

確認の第一歩は、竣工図、構造図、意匠図、構造計算書、施工記録、大規模修繕時の調査報告書を集めることです。そのうえで、図面上のスリット位置と現地の状態を照合し、必要に応じて部分的な仕上げ撤去、内視鏡調査、はつり調査、非破壊調査などを組み合わせます。

スリット不足が見つかった場合の対応

スリット不足が疑われる場合、管理組合だけで施工会社に連絡して「すぐ補修してください」と進めるのは避けた方がよいです。

まず、スリット不足が構造安全性にどの程度影響するのか、設計上どの位置に必要だったのか、補修で対応できるのか、構造計算の再確認が必要かを整理する必要があります。

標準的な流れは、①資料収集、②一次調査、③専門家による詳細調査、④構造上の影響評価、⑤売主・施工会社への説明と協議、⑥補修方針の決定、⑦総会決議、⑧補修工事、⑨工事後確認です。

国土交通省のマンション耐震化マニュアルでも、耐震診断や耐震改修の検討では、管理組合が専門家や地方公共団体の相談窓口に相談し、診断内容・費用・専門家選定について情報収集する流れが示されています。

補修工事の内容と費用の考え方

構造スリット不足の補修では、壁や仕上げを切断して後からスリットを設ける「後施工スリット」が検討されることがあります。ただし、単にコンクリートを切ればよいわけではありません。鉄筋を傷つけない施工計画、切断範囲、スリット材やシーリング材、防火・防水処理、外壁タイルの復旧、工事中の騒音・粉じん対策まで含めて設計する必要があります。

国土交通省の資料でも、耐震スリット設置工事では、壁の切断時に騒音・振動・粉じんが発生し、工事箇所によっては住戸内への影響や通行支障が生じる場合があるとされています。

費用は、スリットの箇所数、外壁仕上げ、足場の有無、住戸内工事の有無、構造検討の範囲によって大きく変わります。東京都の資料では、耐震改修費用は工法、部位、箇所数により全く異なり、事例として戸当たり数十万円から数百万円まで幅があると説明されています。まずは耐震診断を実施し、改修すべき部位を把握したうえで補強方針を検討することが重要です。

費用負担は誰がするのか

築年数が浅いマンションで構造スリット不足が見つかった場合は、売主や施工会社の責任を検討する余地があります。国土交通省のQ&Aでは、新築住宅について、住宅品質確保法で定められた「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」に関する10年間の瑕疵担保責任が前提とされています。

一方、築10年を超えてから発覚した場合は、責任追及や費用負担の整理が難しくなります。大規模修繕工事中に見つかった場合、工事を止めるのか、追加調査をするのか、修繕積立金を使うのか、売主・施工会社と交渉するのかを短期間で判断しなければなりません。

だからこそ、発覚してから慌てるのではなく、外壁調査や大規模修繕の計画段階で構造スリットの有無を確認しておくことが大切です。

監修者の考察

構造スリットに関しては、建築のプロでなければ検証、確認などは基本的には難しいと思います。ただし、専門家でなくても確認ができる場合があります。それは、外壁や柱廻りなどに不自然なひび割れなどが確認できる場合です。

構造スリットは、地震などの揺れに対して構造体に影響を及ぼさないように構造的に縁を切るためのものです。その隙間には基本的には、動きに追従できるように、また雨が入らないようにするためにシーリングといわれる部材で埋めます。正常に機能をしていれば、建物が揺れた時にその隙間によって、躯体の損傷を防ぐことができます。また、ひび割れなどもやわらかいシーリング材によって動きが吸収されて起きにくくなります。スリットがない状態ですとこの機能がないために、ひび割れが発生し、またその程度も大きくなります。建物を遠くから眺めたり、点検した際に、明らかにおかしいひび割れや上層階と下層階まで連続したひび割れなどが確認できた場合、スリットが入っていない、もしくは、適切に設置されていないケースが考えられます。

大規模修繕工事の計画を進める時などに一度、理事の方で外観を一通り確認し、思い当たる箇所などが多数ある場合は、専門家に相談することをお勧めします。また、複数の施工会社が現地確認をした際に「これはおかしい」という声があった場合にも、なるべく早い段階で元施工会社や行政の相談窓口に相談することが良い方法といえるでしょう。

耐震補強等の支援サービス「スマート修繕」

  • 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
  • 耐震補強・建て替え・敷地売却に関する支援実績があります。社内にはゼネコン、修繕会社や修繕コンサルティング会社など出身の建築士等が多数いますので、お気軽にご相談ください。
  • 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。

電話で無料相談

0120ー091ー640

24時間対応通話料・相談料 無料

Webから無料相談

プロの相見積もりで修繕費を大幅削減!

記事をシェア

会社概要
商号
株式会社スマート修繕
代表
豊田 賢治郎
入会団体
日本経済団体連合会(経団連)
登録
一級建築士事務所 東京都知事登録第66294号
資本金
8億4,996万0,994円(準備金含む)
主要投資家
ディー・エヌ・エー(DeNA)
最大手VCであるJAFCOが運用するファンド
グローバル・ブレインがJR東日本、西武ホールディングス、芙蓉総合リース等の資金を運用するファンド
ミダスキャピタルグループであるDual Bridge Capitalが 運用するファンド
本社
東京都港区赤坂5-2-33 IsaI AkasakA 510
宮城オフィス
宮城県仙台市青葉区花京院2-1-61 オークツリー仙台 1F
神奈川オフィス
神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-12 新横浜スクエア 14F
愛知オフィス
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋 21F
大阪オフィス
大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング 31F
兵庫オフィス
兵庫県神⼾市中央区御幸通8-1-6 神⼾国際会館 22F
広島オフィス
広島県広島市東区二葉の里3-5-7 GRANODE 広島 3F
福岡オフィス
福岡県福岡市博多区博多駅中央街8-1 JRJP博多ビル 3F
子会社
株式会社高速エレベーター

本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

酒井 智明

酒井 智明

設計コンサルタント会社の役員を経て入社。これまでに500戸超・35階以上のタワーマンション(ツインタワー含む)8棟や、総戸数1,500戸・11棟を超える団地型マンション、さらに50~100戸規模の中規模マンションまで幅広く設計を手がける。携わった総戸数は8,000戸以上、工事金額は110億円を超える豊富な実績を有する。スマート修繕では主に大型案件の大規模修繕および給排水設備の更新工事を担当し、実務に裏打ちされた専門的な視点から記事を監修。

一級建築士,一級建築施工管理技士,一級管工事施工管理技士,一級土木施工管理技士

0120ー091ー640

24時間対応通話料・相談料 無料

スマート修繕なら

適正価格の工事を実現

0120ー091ー640

24時間対応通話料・相談料 無料

お電話でのご相談・お問い合わせ

0120ー091ー640

24時間対応通話料・相談料 無料

telWebで無料相談する
tel電話で無料相談する(24時間対応)

※携帯・スマートフォンからも通話料無料