高層ビル 足場 単価の完全ガイド:種類別相場・法規制・コスト最適化の専門分析
更新日:2026年04月28日(火)
高層ビルやタワーマンションの大規模修繕や外壁塗装、点検・改修を進めるうえで、予算や工期、そして安全性に大きく関わるのが「仮設足場」です。とくに高層建築では、低層住宅とは異なり、単に作業スペースを確保するだけでは済みません。強い風に耐えるための構造設計、労働安全衛生法や道路法といった各種法規への対応、都市部ならではの資材搬入の工夫、さらに専門技術者の手配など、計画には高度な知識と綿密な準備が求められます。 本記事では、「高層ビル 足場 単価」をテーマに、2026年時点の相場感をはじめ、工法ごとの特徴とコストの違い、労務費の考え方、そして高さ31メートルを超える場合に必要となる主な法規制について、実務に役立つ視点でわかりやすく解説します。建物オーナーや管理組合、不動産管理会社の方が、無駄なコストを抑えながら安全性も確保できるよう、現場で活かせる判断材料を整理しました。
- 本記事のポイント
- 高層ビルにおける足場費用の基本構造と市場動向
- 足場工法別の平米単価相場と高層ビルへの適性
- 階層・高さ・規模別に見る高層ビルの足場費用シミュレーション
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高層ビルにおける足場費用の基本構造と市場動向
マンションや商業ビルの足場費用は、一般的に1㎡あたり700円〜1,500円程度が目安とされています。ただしこれは中低層の建物を前提とした相場であり、高層ビルになると条件次第で大きく変わります。建物の高さや立地、採用する足場の種類によって、単価は大きく上がるのが特徴です。
基本単価の内訳と追加費用
足場費用は「資材代」よりも、「組み立て・解体にかかる人件費」が大きな割合を占めます。特に高層ビルでは、資材を上階へ運ぶ手間が増えるため、作業量が増え、その分コストも上がります。
また、高層案件では以下のような追加費用がほぼ必須です。
飛散防止メッシュシート
1㎡あたり150〜200円程度
塗料や工具の落下・飛散を防ぐため、安全対策として欠かせません。
朝顔(防護棚)などの安全設備
落下物から歩行者や車を守るため、建物下部に設置します。これも別途費用として計上されます。
労務費の上昇と安全対策の影響
近年は人手不足の影響で、足場工事の人件費が上昇しています。特に高所作業を担う「とび職」は単価が高く、危険手当や熟練者の確保も必要なため、全体のコストを押し上げる要因になります。
さらに、安全対策の強化も無視できません。手すり先行工法やフルハーネスの使用など、ルールが厳しくなったことで、安全性は向上した一方、施工の手間や設備コストは増えています。
こうした背景から、現在の足場単価は従来よりも10〜20%ほど上がるケースもあり、「安全対策込みの価格」で考えることが重要です。
足場工法別の平米単価相場と高層ビルへの適性
高層ビルでは、風の影響や安全性、作業効率を考える必要があるため、低層建物と同じ足場は使えません。建物の高さや敷地の広さ、予算に合わせて、適切な工法を選ぶことが重要です。足場の種類によって単価も大きく変わり、工法選びがコストに直結します。
目安としては、低層向けの足場が500〜1,000円/㎡程度なのに対し、高層対応の特殊な足場では3,500円/㎡以上になることもあります。
枠組足場:中高層の定番
単価目安:900〜1,500円/㎡
マンションやビルの修繕で最もよく使われる足場です。強度と安定性が高く、作業スペースも広いため、施工しやすいのが特徴です。一般的には10階前後までが目安ですが、補強を行えばさらに高い建物にも対応できます。
ただし、設置にはある程度のスペースが必要なため、隣の建物との距離が近い現場では使えないこともあります。
次世代足場:効率重視の新しい選択肢
単価目安:1,200〜1,800円/㎡
作業空間が広く、動きやすさを重視した新しいタイプの足場です。軽くて強度もあり、風にも強いため、中高層ビルでの採用が増えています。
初期コストはやや高めですが、組み立てや解体が早く、工期短縮につながるため、結果的にトータルコストが抑えられるケースもあります。
ゴンドラ足場:超高層や狭い敷地に対応
単価目安:3,500円/㎡〜
ゴンドラは、屋上から吊り金物(突梁)を設置して、作業台を昇降させ外壁を修繕するタイプの足場です。昨今、超高層マンションの修繕が多くなり、ゴンドラの開発が進んでいます。特に、使われてるのがガイドレールゴンドラという壁に取り付けたレールにゴンドラ自体を固定し、左右、前後にぶれずに昇降することによって、風の影響を受けないようにしたゴンドラです。その他、左右上下に自由に移動するタイプやビルや通路に面したところで使われるメッシュシートで落下防止措置を取ったタイプなどがあります。
移動式昇降足場:タワーマンション向け
単価:個別見積もり(高額になりやすい)
足場自体が上下に動くタイプで、超高層建物の修繕に使われます。広い作業スペースを確保できるため、効率よく工事を進められるのが強みです。長くなる工期短縮が狙えます。
ただし、導入コストが高く、電源設備や設置スペースの確保も必要になるため、事前の計画と合意形成が重要になります。
ロープアクセス(無足場工法):部分補修向け
単価:足場費用なし(施工費に含まれる)
ロープで作業員が降下して作業する方法で、足場が不要なためコストを大きく抑えられます。短期間の点検や部分補修に向いています。
ただし、広範囲の工事には向かず、作業の安定性や品質面でも制約があるため、用途は限定されます。
低層向け足場は高層には不向き
単管足場やくさび式足場は安価で扱いやすい反面、高層ビルには基本的に適していません。強度や安全性の面で制約があり、騒音などの問題も出やすいためです。
高層ビルでは、安全性と施工性を優先して、適切な工法を選ぶことが前提になります。
階層・高さ・規模別に見る高層ビルの足場費用シミュレーション
高層ビルの足場費用は、「外壁面積 × 単価」で単純に出せるものではありません。実際には「足場架面積」という考え方を使い、建物の外周と高さから算出します。
足場面積の考え方
足場は外壁にぴったり付けるのではなく、作業スペースを確保するために少し外側に組みます。そのため、実際の建物よりも一回り大きな面積で計算する必要があります。
基本の考え方はシンプルです。
足場費用 = 足場架面積 × 平米単価
足場架面積 =(建物の外周+余裕分)× 高さ
この「余裕分」は建物の規模によって変わります。
低層:+4m程度
中高層:+8m程度(より安全・現実的な設定)
また高さは「階数 × 約3m」に、屋上部分の余裕を少し足して考えるのが一般的です。
階数が増えるほど、ほぼ比例して費用も上がっていきます。10階を超えるような高層になると、資材の運搬や安全対策の負担が増えるため、単価自体も上昇します。
マンション全体・1戸あたりの負担感
規模が大きくなると、足場費用はさらにインパクトを持ちます。例えば30~80戸規模のマンションでも、大規模修繕の総額は5,000万円〜1億円程度になることがあります。
このうち足場などの仮設工事は、全体の約2割前後を占めるのが一般的です。
1戸あたりに換算すると、
修繕費全体:75万〜125万円/戸
足場費用分:約14万〜24万円/戸
程度がひとつの目安になります。
タワーマンションのように戸数が多い場合は、足場だけで数千万円規模になることもあります。だからこそ、工法の選び方や単価の見直しが、最終的なコストに大きく影響します。
高層建築における「高さ31メートルの壁」と法規制
高層ビルの足場計画では、法律の理解が欠かせません。特に重要なのが「高さ31m」という基準で、ここを境に規制や手続きのレベルが大きく変わります。
計画届(88条申請)のポイント
一定規模以上の足場工事では、事前に労働基準監督署へ「建設工事計画届(いわゆる88条申請)」を提出する必要があります。
対象となるのは次の2つを満たす場合です。
足場の高さが10m以上
設置期間が60日以上
中高層ビルの修繕では、ほぼ確実にこの条件に当てはまるため、基本的に必須の手続きと考えておくべきです。
さらに高さ31mを超える場合は、審査が一段と厳しくなります。
構造計算や足場の固定方法(壁つなぎ)、資材搬入計画など、専門的な書類の提出が必要になり、準備にも時間とコストがかかります。
実務的には、
提出は着工の30日前まで(目安はもっと早め)
設計・申請費用も見積もりに含まれる
といった点を押さえておくことが重要です。準備が遅れると、工事ストップや工期延長につながるリスクもあります。
足場ごとの高さ制限
法規だけでなく、足場自体にも安全上の高さの限界があります。
簡易足場:約5.7mまで(低層専用)
単管足場・くさび式足場:〜31m未満が目安
枠組足場:〜45m程度まで
それ以上(超高層):ゴンドラや昇降式足場が必要
特に31mを超えると、単管やくさび式は強度的に不利になり、無理に使うとかえってコスト増やリスクにつながります。
また、45mを超える超高層では、従来の「地上から組み上げる足場」は現実的ではなくなり、ゴンドラや移動式昇降足場といった専用工法への切り替えが前提になります。
このように、高層ビルでは「高さ」によって選べる工法や必要な手続きが大きく変わります。見積もりや工期を正確に考えるうえでも、31mという基準は特に重要なポイントです。
見積書に出にくい「見えない追加コスト」と総額が膨らむ理由
高層ビルの足場費用は、単純な「面積 × 単価」だけで判断すると危険です。特に都市部では、見積書に出にくい追加コストが積み重なり、最終的な金額が大きく膨らむケースが少なくありません。
道路使用・占用にかかる費用
敷地に余裕がないビルでは、足場を道路にはみ出して設置することがあります。この場合、以下の手続きと費用が発生します。
道路使用許可(警察)
道路占用許可(行政)
申請自体にも代行費用がかかりますが、特に注意すべきなのは占用料です。これは足場を設置している期間中ずっと発生し、立地(=地価)が高いほど金額も上がります。
都心部では、工期が長引くだけで数百万円単位の追加費用になることもあり、スケジュール管理がコストに直結します。
揚重設備・資材搬入の追加費用
高層ビルでは、資材を上階へ運ぶための設備が必要になります。
ホイスト(電動ウインチ)
荷取りステージ(資材の仮置き場)
これらは通常の足場単価には含まれておらず、別途費用になります。
また、事前の計画が不十分だと「資材が通らない → 足場を一部やり直す」といった手戻りが発生し、コストと工期の両方に大きな影響が出ます。
警備員(交通誘導)の配置費用
都市部の工事では、安全確保のために警備員の配置が必要です。特に足場材の搬入・搬出時には、大型トラックが出入りするため、歩行者や車両の誘導が欠かせません。
例えば、1日あたり約2万円の警備員を延べ100人日配置すると、それだけで約200万円の追加コストになります。
このように、高層ビルの足場工事では「見積書に載りにくい費用」が積み重なります。特に都市部では、
道路関連費用
揚重設備
警備費
が大きな割合を占めるため、最初の段階で織り込んでおくことが、予算オーバーを防ぐポイントになります。
高層ビルの足場費用を最適化する5つの戦略
高層ビルの足場費用は数千万円規模になることもあり、進め方次第で大きく差が出ます。安全性や品質を落とさずにコストを抑えるには、発注者側の工夫が重要です。
相見積もりで適正価格を見極める
3社ほどから見積もりを取り、比較するのが基本です。
業者によって、
・自社で足場材を持っているか
・得意な工法(枠組・次世代・ゴンドラなど)
・見積もりの内訳の出し方
が異なるため、金額に差が出ます。
ポイントは「平米単価」ではなく総額と内訳で比較すること。管理会社任せにせず、自分たちでもチェックするのが重要です。
工事をまとめて足場コストを分散する
足場は一度組むだけでも大きな費用がかかるため、その期間中にできる工事はまとめて実施するのが鉄則です。
例えば、
・外壁塗装・シーリング
・防水工事
・タイル補修
・設備点検
などを同時に行うことで、将来の「足場の組み直し」を避けられます。結果的に長期的なコスト削減につながります。
工法を組み合わせて無駄を減らす
建物全体を同じ足場で囲む必要はありません。場所ごとに最適な工法を使い分けるのがポイントです。
例:
・スペースに余裕がある面 → 枠組足場
・狭い側面 → ゴンドラ
こうした「ハイブリッド設計」によって、不要な足場面積を減らし、コストを抑えられます。
「足場無料」には注意する
「足場代無料」や極端に安い見積もりには注意が必要です。
実際には、
・他の工事項目に上乗せされている
・材料や施工品質が落とされている
といったケースが多く、結果的に損をする可能性があります。
判断する際は、必ず総額と内容のバランスでチェックすることが大切です。
早めの申請と無足場工法の使い分け
高層ビルでは、法的な申請(88条申請など)の遅れが、そのまま工期延長やコスト増につながります。実務的には「着工のかなり前から準備する」くらいの意識が必要です。
また、ロープアクセスなどの無足場工法も、
・点検
・部分補修
・応急対応
といった用途に限定して使うと効果的です。全面工事に無理に使うのではなく、適材適所で使い分けることがコスト最適化のポイントです。
この5つを押さえるだけでも、足場費用は大きくコントロールできます。特に「比較・まとめ工事・工法選定」の3つは、コストに直結する重要ポイントです。
監修者の考察
足場計画は、基本的には施工業者が請負工事で行うため、発注者が計画をすることはありません。しかし、だからといって見積もりのすべてを事業者に任せてしまうと高額になっていることを気づかずに発注することになります。
ポイントは、相見積もりで、複数業者の見積もりを見比べることです。
総額の違い、項目の違い、工法の違いなどが比較できますので、その中で特に高額になっている部分や他社にはない項目を事業者に確認するなどを行うと内容の違いがはっきりとわかってきます。
また、足場は最終的には、撤去するものになりますので、費用を抑えたい気持ちになりますが、極端に安く抑えようとすれば当然、安全性、作業性に支障が出ることは間違いありません。相場が上がっていることも考慮に入れて、工事費全体に対する割合など許容できる範囲などを把握することもコスト管理としては有効です。
何もわからないからすべて任せるという姿勢ではなく、わからないからこそ事業者に聞く、比較することによって発注者側でも結果的にコスト削減に貢献することは可能となります。
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本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者

酒井 智明
設計コンサルタント会社の役員を経て入社。これまでに500戸超・35階以上のタワーマンション(ツインタワー含む)8棟や、総戸数1,500戸・11棟を超える団地型マンション、さらに50~100戸規模の中規模マンションまで幅広く設計を手がける。携わった総戸数は8,000戸以上、工事金額は110億円を超える豊富な実績を有する。スマート修繕では主に大型案件の大規模修繕および給排水設備の更新工事を担当し、実務に裏打ちされた専門的な視点から記事を監修。
一級建築士,一級建築施工管理技士,一級管工事施工管理技士,一級土木施工管理技士
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