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老朽化した機械式駐車場の撤去は特別決議が必要?費用比較と合意形成のポイント

更新日:2026年01月29日(木)

老朽化したマンションの機械式駐車場は、維持管理費がかさむ一方で利用者が減少しやすく、管理組合にとって大きな課題となりがちです。こうした背景から、機械式駐車場を撤去して平面化することを検討する管理組合も増えています。 ただし、機械式駐車場は共用部分に該当するため、その撤去や用途変更にあたっては、工事内容や利用者への影響の程度によって、区分所有法上の決議要件を慎重に整理する必要があります。場合によっては特別決議が求められることもあり、事前の確認が欠かせません。 本記事では、機械式駐車場の老朽化問題を背景に、修繕と撤去のコスト比較、撤去に伴う法的手続きの考え方、撤去後の敷地活用の選択肢、合意形成を円滑に進めるためのポイント、さらに補助金制度の有無までを分かりやすく解説します。

本記事のポイント
  • 機械式駐車場の維持費と修繕・撤去コストを比較し、長期視点で最適な選択が理解できる。
  • 共用部分の撤去に必要な区分所有法上の特別決議など法的要件とその対応ポイントがわかる。
  • 撤去後の敷地活用方法や管理組合での合意形成のコツがつかめ、実行に向けた準備が進められる。

老朽化した機械式駐車場の撤去を検討すべき理由

機械式駐車場は、経年とともに設備の劣化が進み、故障リスクや維持管理費の増大を避けることができません。あわせて、利用者の減少が進むケースも多く、老朽化が進んだ段階では、修繕を続けるだけでなく撤去を含めた見直しを検討することが合理的となる場合があります。

近年では、機械式駐車場の維持管理費が高止まりする一方で、居住者の車利用が減少し、空き区画が目立つマンションも増えています。古い設備では、定期点検や部品交換にかかる費用が年々かさみ、想定以上のコスト負担となることも少なくありません。特に、製造から長期間が経過した機械では、部品調達が難しくなり、修理対応そのものが困難になるケースも見受けられます。

また、現在主流となっている車両サイズや利用ニーズと、既存の機械式駐車場の仕様が合わなくなっている点も見逃せません。全高や重量制限の関係で利用できる車種が限られ、結果として駐車場が十分に活用されないまま維持費だけが発生している状況もあります。

このように、一定の年数を経過した機械式駐車場では、故障頻度の増加や維持コストの上昇によって、修繕を重ねても費用対効果が見合わなくなる可能性があります。その結果、設備の維持がマンション全体の資産価値や管理運営にとって負担となるおそれもあり、老朽化した機械式駐車場を撤去し、別の形で活用する選択肢に注目が集まっています。

機械式駐車場の修繕・更新費用と撤去費用をどう比較するか

機械式駐車場については、「このまま修繕や更新を続ける場合」と「撤去して別の形に転換する場合」とで、初期費用だけでなく長期的な費用負担を含めて比較検討することが重要です。目先の支出額だけを見ると撤去は大きな決断に感じられますが、将来にわたる維持管理コストまで含めると、必ずしも不利とは限りません。

修繕や更新を選択した場合、定期点検や保守管理費用が継続的に発生するほか、一定年数ごとに部品交換や大規模な改修、さらには設備更新が必要になります。設備の老朽化が進むほど故障対応が増え、想定外の支出が発生するリスクも高まります。特に利用率が低下している状況では、限られた利用者のために高額な維持費を負担し続ける構図になりやすい点が課題です。

一方、撤去を選択する場合は、解体や整地、場合によっては平面駐車場化などの初期費用が発生しますが、その後は機械設備特有の点検費用や更新費用が不要になります。電気代や故障対応といったランニングコストも抑えられるため、長期的には管理費・修繕積立金の負担軽減につながる可能性があります。

実務上は、「空き区画が多い機械式駐車場の一部を撤去して規模を縮小するケース」や、「老朽化を機に全面撤去し、平面化や別用途に転換するケース」など、マンションの実情に応じた選択が取られています。利用率が低い区画を整理することで、維持費と収入のバランスを改善し、結果として数年から十数年単位で見ると総コストを抑えられたと評価される例もあります。

また、より大規模なマンションでは、将来の利便性や安全性を重視し、機械式駐車場を廃止して新たな駐車施設を整備する判断がなされることもあります。この場合は初期投資が大きくなる一方、管理方法や収支計画を工夫することで、長期的な維持負担の軽減や資産価値の向上につなげる考え方もあります。

このように、修繕・更新と撤去のどちらが適しているかは、設備の状態、利用率、将来の更新時期、管理組合の財務状況などによって大きく異なります。単純な費用の多寡ではなく、長期的な視点で総コストと管理負担を比較し、マンション全体にとって最適な選択肢を検討することが重要です。

機械式駐車場撤去に関わる特別決議の考え方(2026年改正対応)

マンションの機械式駐車場を撤去する場合、区分所有法上の決議要件を理解しておくことが重要です。機械式駐車場は共用部分にあたり、その解体や平面化はマンション全体の形状や効用に大きな影響を与える「重大な変更」に当たると考えられます。そのため、通常の過半数決議ではなく、特別決議が必要となるケースが多いとされています。

区分所有法第17条では、共用部分の重要な変更について、区分所有者数および議決権の各4分の3以上の賛成による決議(特別決議)が必要と定められています。管理規約でも、共用施設の廃止や大規模な変更には特別決議を求める規定が設けられていることが一般的です。

2026年の改正区分所有法では、総会決議の運用面に柔軟性が導入されました。従来は欠席者も反対扱いとなることが多く、特別決議の成立が難しい場合がありましたが、改正後は出席者ベースでの集計が可能となり、総会の実務上、決議を得やすくなる制度的な工夫が盛り込まれています。とはいえ、特別決議そのものの要件や共用部分の重大変更の扱いは変わらないため、撤去にあたってはやはり十分な賛成を得る必要があります。

さらに、撤去によって特定の区分所有者の専有部分利用に影響が及ぶ場合には、個別承諾を得ることが求められることもあります。たとえば、撤去によって駐車場利用者が敷地内で駐車できなくなる場合などです。

このように、機械式駐車場撤去は単純多数の賛成では実現できない場合が多く、総会での丁寧な説明、住民への情報提供、必要に応じた個別調整を含む合意形成プロセスが不可欠です。2026年改正により総会決議の運用面で一定の柔軟性は得られますが、撤去計画を円滑に進めるには、事前準備と住民対応の両立が重要となります。

撤去後の敷地活用プランと費用の考え方

老朽化した機械式駐車場を撤去した後の敷地は、マンションにとって貴重な資産スペースとなります。最もシンプルな活用方法は平面駐車場への再整備ですが、駐車需要が十分であれば、駐輪場や倉庫、緑地など、他の用途に転用することも可能です。用途に応じて必要な工事費用は異なりますが、将来の管理組合財政や居住者サービス向上につながる活用策を検討することが重要です。

平置き駐車場への再整備

機械式設備を撤去した後、舗装やライン引き、照明設置などを行えば、日常の駐車が容易になり、設備操作の手間や故障リスクも解消できます。初期費用は規模にもよりますが、10台規模で数百万円程度が目安です。また、機械式の維持管理費や将来的な更新費用も削減できるため、長期的なコストメリットが大きくなります。

駐輪場・物置・レンタルスペースへの転用

駐車需要が低い場合は、駐輪場や倉庫、レンタル収納スペースとして転用する選択肢があります。駐輪場であれば舗装とラック設置、倉庫ならプレハブやトランクルームの設置、レンタル収納では初期投資に応じた収益事業として活用できます。工事費用は用途や規模により数十万~数百万円程度が目安で、管理組合の財政や住民利便性の向上につなげることができます。

緑地・コミュニティ空間への活用

ベンチや植栽を設置し、住民の憩いの場として活用する例もあります。景観の向上やコミュニティ形成にも寄与し、マンションの付加価値を高める効果が期待できます。

注意点

  • 撤去後の活用には総会での説明や合意形成が不可欠です。用途変更やコスト負担について、住民に丁寧に説明し、必要に応じて特別決議や個別承諾を得ることが求められます。
  • 地下ピットがある場合、埋め戻しや鋼製床設置などの工法が検討可能ですが、倉庫や居室として転用するのは法規制や湿気対策の課題があり、地上部分の活用が現実的です。

このように、撤去後の敷地は平面駐車場だけでなく、多様な用途に応用可能な資産となります。マンションの状況や居住者ニーズに応じて、最適なプランを検討することが重要です。

国交省・自治体の補助金制度は活用できるか

老朽化した機械式駐車場の撤去に直接対応した国の補助金制度はほとんどありません。しかし、自治体によってはマンションの老朽化対策や建物改修に対する助成制度が存在する場合があります。また、撤去工事に伴うアスベスト除去など特定の項目には補助金が出ることもあるため、事前に確認しておくことが重要です。

具体例として、千葉市では「吹付けアスベスト対策事業補助金」として最大100万円、東京都港区では「アスベスト対策費助成金」として最大200万円の補助があります。これらは建物全体に対する制度ですが、機械式駐車場の撤去に伴うアスベスト事前調査・除去にも活用できる可能性があります。

補助金を上手に活用するためのポイントは次の通りです。

自治体の制度を調査する

「老朽建築物 解体 補助」「機械式駐車場 撤去 補助」などのキーワードで検索し、居住地域で利用可能な制度を確認します。

アスベスト調査を実施する

工事前に専門業者による含有調査を行い、結果によって補助対象となるか判断します。義務化された事前調査で陽性となった場合、補助金申請のチャンスが生まれます。

補助上限額と条件を確認する

自治体ごとに上限額や対象条件(築年数、規模、用途等)が異なるため、公式情報を入手して適合するか精査します。

申請スケジュールに余裕を持つ

補助金申請から交付決定まで時間がかかることがあるため、撤去工事の計画に余裕を持ち、申請手続きを前倒しで進めます。

自治体によっては相談会や専門窓口を設けている場合もあるため、利用可能な補助金を最大限活用して費用負担を軽減することが望ましいでしょう。

まとめ

マンションの機械式駐車場の撤去は、老朽化による維持費や安全面の懸念を解消し、長期的な管理コストを抑えられる有力な選択肢です。一方で、共用部分の重要な変更にあたるため、区分所有法に基づく特別決議(原則として区分所有者および議決権の4分の3以上の賛成)が必要となります。2026年の改正により、一定条件下では意思決定の柔軟化も可能になっており、必ずしも従来通りのハードルに縛られるわけではありません。計画を実現するには、住民への丁寧な説明と意見収集を重ねる慎重な合意形成が不可欠です。

撤去か継続使用かを検討する際は、修繕・更新コストと撤去コストを長期的視点で比較しましょう。維持費や将来の更新費が重荷となる場合、初期費用はかかっても撤去によってマンション全体の利益が高まるケースは少なくありません。撤去後の敷地は、平置き駐車場への転用で利便性を向上させたり、駐輪場や倉庫として活用することで資産価値を高めたりすることが可能です。

計画を進める際は、理事会が中心となって住民への説明と意見調整を丁寧に行い、公平かつ透明性の高いプロセスで同意を得ることが重要です。反対意見には代替策やタイミングの工夫(例えば大規模修繕と同時実施)で対応し、特別決議を成立させることを目指しましょう。

費用面で懸念がある場合、自治体の建物改修関連補助制度の適用可能性を確認することも一案です。条件に合えば一定の支援を受けられることがありますが、制度は限定的であることを念頭に置いて計画を立てる必要があります。

老朽化した機械式駐車場の問題に終止符を打ち、マンションの暮らしやすさと資産価値向上を実現するために、今回紹介したポイントを参考に前向きに検討を進めてください。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

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