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マンションの機械式駐車場のリニューアル・メンテナンスを分かりやすく解説

機械式駐車場

2024/09/04

マンションの機械式駐車場のリニューアル・メンテナンスを分かりやすく解説

機械式駐車場は、マンションの限られた敷地で多くの車の駐車を可能にするための重要な設備ですが、メンテナンスやリニューアル工事に多額の費用がかかるため「マンションの金食い虫」と言われています。そのため、リニューアル工事では、必要な台数を考慮しながら最適な工事内容を選択し、コストを抑えることが重要です。 また、近年、駐車場需要が減少し、機械式駐車場が不要な設備となっているマンションもあります。このようなマンションでは、駐車場の空き率増加による収入減少など機械式駐車場が赤字運営となる問題を抱えていますが、その場合は、機械式駐車場の平面化によるコスト削減や、空き駐車場のサブリースを活用し、収益化する方法等があります。 この記事では、マンションの機械式駐車場のメンテンス契約方式、リニューアル工事のタイミング、工事の費用相場、コストダウン方法等を紹介します。これら情報が少しでも皆様のお役に立つと幸いです。

マンションの駐車場の種類

平面式駐車場

地面の上に区画線を引いて、駐車場を設けるタイプのものです。平面に駐車するため、車の重さや高さの制限がないこと、車の出し入れに(機械式駐車場のような)時間・手間がかからないことなどのメリットがあります。

いっぽう、土地面積あたりの駐車可能台数が少ないというデメリットがあり、限られたスペースに多くの車を駐車する必要があるマンションでは導入が困難になることがあります。

自走式立体駐車場

2階以上の建物があり、スロープなどを自分で走行しながら駐車スペースに車を停めるタイプです。デパートや家電量販店によく見られます。土地面積あたりの駐車可能台数が多く、屋上を除いて日光や風雨から車を守ることができるというメリットがあります。

いっぽう、車の出し入れには時間がかかることがデメリットとなるほか、建ぺい率に含まれるため、設置されているマンションは少ないようです。さらに、車が走行する通路が必要になるため、狭い土地には設置できません。

機械式駐車場

地下や地上2階以上の駐車スペースで、機械による昇降を利用する仕組みで車を駐車、格納するタイプです。単純昇降式のほか、横行式やパズル式、タワー式など複雑なシステムもあります。

土地面積あたりの駐車可能台数が多いこと、狭い土地でも設置可能であることなどのメリットがあるため、多くのマンションで機械式駐車場が設置されています。

いっぽう、車の出し入れに比較的時間・手間がかかること、機械などのメンテナンスに高額な費用がかかること(特に、①段数が多い、可動が上下以外に前後や左右もあるケース、②設置場所が風雨や紫外線にさらされる屋外のケースなどは故障率の向上、部材単価の向上などでより高額に)のデメリットがあります。

この記事では、主にマンションの機械式駐車場について説明します。

マンションの機械式駐車場のメンテナンスの契約方式

フルメンテナンス契約

リニューアル以外の、ほぼ全てのメンテナンス(消耗品の交換なども含めた)を対象とした契約となります。安全性が高く、手間は少なくてすみますが、その代わりコストは高くなっています。機械式駐車場は、(エレベーターと異なり)法的な点検義務がないこと、前述の高コストを背景に、フルメンテナンス契約は、リースなどのケースを除いては多くないのが実情です。

POG契約

POGとは「パーツ・オイル・グリース」の頭文字を取ったもので、これら部材の調整および点検、消耗品の交換などを対象とした契約です。コストをおさえることはできますが、別途、POG以外の部材の交換代や点検・修理などの費用が発生します。

一般的には「2.POG契約」となります。

マンションの機械式駐車場のリニューアル工事について

トレンド

新築時点で、各行政により附置義務(マンションなど集合住宅の戸数などに応じ、一定以上の駐車場を附置する義務)が課せられます。その義務への対応において、土地代が高い、駐車場向けの土地を確保するのが難しい都市部のマンションの多くが、機械式駐車場を採用しました。

しかしながら近年は、社会全体の車離れ、マンション住民の高齢化、シェアカーの普及などが進行し、駐車場の需要は減少、駐車場に空きが発生 = 収入が減少するようになってきました。

前述の通り、機械式駐車場のメンテナンス費用は安くなく、赤字運営となるケースも出てきました。

昨今はこのような状況をうけ、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインおいて、駐車区画に空きがでるようであれば、機械式駐車場の解体・撤去を検討すべきとの記載があるように、各行政に対して附置義務の軽減について相談できるようになってきました。

リニューアル工事のタイミング

一つの目安として、法定耐用年数(減価償却期間の目安)がありますが、15年と定められています。実際には、定期的にメンテナンスを行っていれば、15~20年が目安です。

引用:国土交通省「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き

機械式駐車場のリニューアル工事において1番の焦点は費用となりますが、機械式駐車場は一部で「金喰い虫」と呼ばれているように、メンテナンスのみならず改修工事にも大きな費用がかかります。

リニューアル工事の費用相場

費用相場は機械駐車場の種類・リニューアル方法によってバラつきはありますが、既存のピットを活用した場合でも1パレット(= 車をのせる場所)あたり50~150万円かかります。仮にパレット数が50台の場合は、総額2,500~7,500万円にもなります。

コストダウン手法

特に駐車場の空きなどにより赤字運営の場合は、コストダウンを検討すべきとなります。その手法は大きく以下の3点となります。

  • 行政に附置義務の軽減を相談、駐車場の台数を減少させること
  • 駐車場の種類をメンテナンス費用が安くなるよう、(「鋼製平面化」などにより)平面式駐車場、自走式立体駐車場に変更すること
  • リニューアル工事の相見積を既存のメーカーのみならず、他社、その中でも独立系会社を含めて行うこと、その際に制御基盤などを単価やその後のメンテナンス費用が安い汎用基盤に変更すること

駐車場の「会計」の種類(駐車場の会計の分離など)

駐車場の会計は、一般的には管理費会計か修繕積立金会計となっており、一部組合では駐車場会計として分離されています。
駐車場会計を分けることで、駐車場単体での収支が明確になり(例えば、「利用者から徴収している駐車場代で、修繕費を賄えているのか?」が判明する)、駐車場代の適正化や修繕費の適正化などの施策がより適切に判断できます。

空き駐車場のサブリース

近年、駐車場のサブリースを専門に行う事業者が出てきています。
空き駐車場が存在する場合は、それら事業者を活用し、組合の収入増を図ることができます。
ただし、マンションの非居住者が敷地内に入ってくるなどのデメリットもあるため、メリットデメリットを踏まえて判断する必要があります。

機械式駐車場など共用部工事の見積、工事支援サービス「スマート修繕」のご紹介

「スマート修繕」は、機械式駐車場などの共用部工事を専門家のサポートで楽に、お得に進めることができる、ディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。

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マンションの機械式駐車場装置の入替、平面化、部品交換、鉄部塗装などの実績が多数あり、多くのお客様にご満足いただいています。

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この記事の著者

豊田 賢治郎

豊田 賢治郎

「スマート修繕」代表。過去2年間の顧客マンションへの訪問回数は400回を超え、チェックした見積書の数は千を超える(2024年7月末時点)。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「日本経済新聞」、「羽鳥慎一 モーニングショー」、「日曜報道 THE PRIME」、「モーニングサテライト」。

中小企業診断士

この記事の監修者

別所 毅謙

別所 毅謙

マンションの修繕/管理コンサルタント歴≒20年、大規模修繕など多くの修繕工事に精通。管理運営方面にも精通しており、アドバイス実績豊富。 過去に関わった管理組合数は2千、世帯数は8万を超える。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「NIKKEI NEWS NEXT」、「首都圏情報ネタドリ!(NHK)」、「めざまし8」、「スーパーJチャンネル」。

二級建築士

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