エレベーターメンテナンスの契約方式・コストダウン手法について
2024/09/03
エレベーターメンテナンスのコストは、1基あたり年数十万円~と安くはありません。分譲以降、メンテナンスの保守会社、業務内容(点検の頻度・範囲など)などを見直していないのであれば、小さくないコストダウンの余地がある可能性があります。 この記事では、エレベーターの種類、メンテナンスの契約方式・コストダウン手法についてご紹介いたします。これら情報が少しでも皆様のお役に立つと幸いです。
目次
エレベーターの種類
ロープ式エレベーター
上部などに設置した巻上げ機によって釣合い重りとロープのバランスを取って、かごを上下させるエレベーターです。最大昇降行程(≒ エレベーターによって昇降可能な距離)が長いこと、移動速度が速いこと、消費電力が少ないこと、稼働音が静かであることなどのメリットがあります。
一方、重量物搬送時に建物上部に負荷がかかるという点がデメリットとなります。
主流の方式となっています。
油圧式エレベーター
油圧ジャッキによる油の圧力でかごを上下させるエレベーターです。設置自由度が高いこと、積載力が大きく重量物の搬送に適していることなどのメリットがあります。
一方、最大昇降工程の都合より高層マンションに活用できないこと、移動速度が遅いこと、消費電力が多いことなどより、当方式を採用するマンションは減ってきています。
エレベーターメンテナンスの契約方式
定期検査と保守点検があります。
実施頻度ですが、定期検査はおおよそ6か月~1年毎に、保守点検は使用頻度に応じてとなりますが一般的には月毎となります。
この中の保守点検において、フルメンテナンス契約とPOG契約の2種類の契約方式があります。
フルメンテナンス契約
リニューアル以外の、ほぼ全てのメンテナンス(点検自体、ワイヤー・ベアリングなどの消耗品の交換など)を対象とした契約となります。安全性が高く、手間は少なくてすみますが、その代わりコストは高くなっています。
POG契約
POGとは「パーツ・オイル・グリース」の頭文字を取ったもので、これら3点に関わる消耗品の交換などを対象とした契約です。コストをおさえることはできますが、別途、3点以外の部品の交換代や点検・修理などの費用が発生します。
エレベーターメンテナンスのコストダウン手法
エレベーターメンテナンスのコストは、1基あたり年数十万円~と安くはありません。分譲以降、メンテナンスの保守会社、業務内容(点検の頻度・範囲など)を見直していないのであれば、小さくないコストダウンの余地があるかもしれません。
仕様(点検の頻度・範囲、遠隔監視の監視項目)などをある程度定めたうえで、既存の保守会社のみならず、他社、その中でも独立系保守会社(エレベーターのメーカー系でない会社)を含めた相見積を行うことで、メンテナンスコストを適正化できる可能性があります。
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この記事の著者
鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
この記事の監修者
別所 毅謙
マンションの修繕/管理コンサルタント歴≒20年、大規模修繕など多くの修繕工事に精通。管理運営方面にも精通しており、アドバイス実績豊富。 過去に関わった管理組合数は2千、世帯数は8万を超える。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「NIKKEI NEWS NEXT」、「首都圏情報ネタドリ!(NHK)」、「めざまし8」、「スーパーJチャンネル」。
二級建築士
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