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マンションの大規模修繕で2回目の時期はいつ?3回目を含めた周期の考え方を解説 

更新日:2025年02月14日(金)

マンションの2回目の大規模修繕は、一度経験しているために修繕内容や費用など、つい楽観視しがちです。しかし、2回目ならではの手を付ける箇所もあり、時期を逃すと建物の劣化から、総費用の増大につながってしまいます。 本記事では、マンションの大規模修繕で2回目の時期はいつ頃となるか、予算はどのくらい必要かなど、周期の考え方も含めて解説します。マンションの大規模修繕計画の全体像が知りたい方や、2回目はどんな内容や時期となるか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

本記事のポイント
  • 2回目の大規模修繕における工事内容やタイミングを把握し、適正な価格で実施する方法がわかる。
  • 大規模修繕工事の費用相場を理解し、予算内で質の高い工事を実現するためのポイントが明確になる。
  • 修繕積立金が不足した場合の対応方法と、適切な修繕計画を進めるためのコツが学べる。

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マンション・2回目の大規模修繕の特徴とは?

マンションの大規模修繕は、定期的に毎回同じ内容で実施するのではありません。建物や立地、居住者の方のニーズに応じて、カスタムメイドで行われます。

この項では、マンションの2回目の大規模修繕ではどのような点が重視されるのか、1回目にはない要素や成功のポイントを解説します。

1回目よりも修繕箇所が多い

修繕内容の構成については後述しますが、修繕には屋根や外壁の塗装、防水の補修など毎回実施検討や、実施される項目があります。それに対して、建物の経過年数に応じて手を入れる箇所が増えてきます。

また、1回目の時期は2回目に先送りできる内容も多いため、その結果として2回目の内容が多くなる場合もあります。

2回目は1回目の大規模修繕よりもノウハウが蓄積されており、スケジュール感や打ち合わせの進め方など、慣れている面も多いです。

しかし、1回目の時期の反省点や、先送りにした事項を2回目にはしっかりと反映させることも、大切なポイントです。

1回目よりも費用が不足しがち

上記の要素から、1回目と同等かそれ以上の費用がかかるケースも多い上、2回目は蓄えが少ない時期と考えましょう。

これは、1回目の大規模修繕はマンション購入時に徴収している修繕積立金を利用して行う一方、2回目は基本的に修繕積立金のみが財源となる理由です。

また、資金計画に対して滞納や退去に伴う徴収不足などがあり、積立金が集まっていないこともあります。追加で一時金を徴収する際は、「払えない」という声にどのような方法で対処するかも、必要となるポイントでしょう。

国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、計画上の修繕積立金の積立額に対して実際の積立額が不足しているマンションの割合は、36.6%にも及んでいます。

マンション大規模修繕 2回目の実施時期・費用

この項では、国土交通省の調査による、マンションの2回目の大規模修繕の時期や費用の平均像をご覧いただきます。

2回目大規模修繕の平均的な実施時期【年数】

調査結果で、2回目の平均的な実施時期は1回目の改修からの年数(期間)で中央値は13年目、平均値は14年目となりました。

実施時期の幅は費用の関係、立地による傷み具合、外壁の仕様(塗料のグレード)などで変動するため、あくまで平均値です。

4回目以降まで含めた平均的な大規模修繕の周期は14年から15年となり、国土交通省のガイドラインで推奨されている12年から15年程度と一致していることが分かります。

大規模修繕工事・回数ごとの実施時期(年数)

大規模修繕工事の回数

中央値(年数)

平均値(年数)

1回目

14.0

15.6

2回目

13.0

14.0

3回目

13.0

12.9

4回目以上

13.0

13.1

平均修繕周期

14.0

15.2

出典:国土交通省・令和3年度「マンション大規模修繕工事に関する実態調査

実施時期を検討するうえでは、「そろそろ」という目安が近づいた時期に建物診断を実施し、マンションの劣化状況を把握して実施時期の再検討に役立てるようにしましょう。

使用している建材や塗料から、次回はおよそこの時期と想定した要素以外に、台風や地震などの影響で起きているトラブルや、傷んでいる箇所が見つかる場合もあるためです。部分補修や2回目の大規模修繕の効果的な時期は、柔軟に検討することをおすすめします。

2回目マンション大規模修繕の平均的な費用

2回目のマンション大規模修繕の戸あたり工事額はどのくらいかかるでしょうか。平均値、中央値で106.1万円、平均値で112.4万円となっています。(補修に該当しない改修工事費や、仮設工事費を除きます)

平均値で2回目が1回目、3回目よりも費用が上がるケースもあります。1回目の先送りを受けた形と、金属部分の補修や交換が増える場合がこれに該当します。


大規模修繕工事・回数ごとの戸あたり工事金額(万円/戸)

大規模修繕工事の回数

中央値(万円)

平均値(万円)

1回目

110.2

151.6

2回目

106.1

112.4

3回目以上

97.0

106.1

出典:国土交通省・令和3年度「マンション大規模修繕工事に関する実態調査

2回目大規模修繕の工事箇所は?

2回目のマンション大規模修繕では、具体的にどのような箇所を施工するのか、工事の種類ごとの内容や進め方をご確認ください。

防水工事

マンションの屋上やベランダの防水工事を1回目で行っていない場合、確実に2回目の大規模修繕の際に行います。

建物内部への浸水は、漏水の原因になり、コンクリートのひび割れや鉄筋の錆などを誘発するため、陸屋根やバルコニー、共有廊下などの水平箇所は特に注意が必要です。

金物の交換

ポスト、掲示板、宅配ロッカーなどは20年以上の経過で劣化が進行しているため、交換や塗装を行う可能性が高い時期となります。

近年では宅配ロッカーがない場合、居住者から新設するニーズが高いことが多いため、大規模修繕の際や同時期に新設工事を行うことも多いでしょう。

受水槽や消防設備

受水槽や消防設備などの設備関係も、20年から25年で取り替えの必要があるケースが多いです。受水槽は水漏れ、内部や金具の錆、架台の傾き、ポンプの異音などに個別に対応することもありますが、マンションの大規模修繕時にまとめて検討することも重要です。また、定期的な点検やメンテナンスを行うことが建物の価値を守るために重要です。

その他

マンションのエレベーターも寿命は30年前後となるため、改修が必要です。エレベーターの更新は数百万から1,500万円とコストがかかる点が特徴です。大規模修繕工事とは別工種ですが、同時期になるため、資金が不足しやすくなります。

給排水管工事

大規模修繕工事とは別に、給排水管の更新なども30年ほどの時期に被ることがありますので、こちらも資金繰りに大きな影響を与えます。

2回目・3回目以降|大規模修繕の周期の考え方

マンションの大規模修繕は、2回目、3回目以降も時期を迎えるごとに行うことになりますが、回数ごとの内容から、全体の周期の考え方を解説します。

工事内容の変化

同じ箇所でも、修繕の方向性は1回目では部分補修で済んでいたものが、2回目の時期には全体補修の傾向が強まります。

鉄部や外構、設備系の更新も3回目以降は大規模となる傾向にあります。以下は国土交通省の実態調査に基づき、大規模修繕の回数ごとの内容構成の変化をランキングで紹介したものです。

回数

上位の工事内容順

備考

1回目

1位 外壁塗装(21.6%)
2位 床防水(20.9%)
3位 外壁タイル(18.5%)
4位 シーリング工事(21.6%)
5位 屋根防水(14.5%)
6位 鉄部等塗装(12.1%)

外装の傷みは立地による差異が大きい。沿岸部や豪雪地帯は傷みが早い。

2回目

1位 外壁塗装(23.4.%)
2位 床防水(17.9%)
3位 屋根防水(17.2%)
4位 シーリング工事(11.4%)
5位 外壁タイル(10.5%)
6位 鉄部等塗装(6.9%)

2回目で外壁タイルのほか、鉄部塗装や金物、建具系の工事も増え始め、工事内容が多種に増える。

3回目以上

1位 外壁塗装(28.8%)
2位 床防水(15.7%)
3位 建具・金物等(15.3%)
4位 屋根防水(12.9%)
5位 シーリング工事(9.1%)
6位 鉄部等塗装(8.8%)

鉄部塗装や金物、建具系以外に、外構なども徐々に増える。

出典:国土交通省・令和3年度「マンション大規模修繕工事に関する実態調査

外壁タイルの補修や鉄部塗装、金物、建具系などの工事が、2回目以降で徐々に増え始めます。海岸沿いや降雪が多く融雪剤の使用の影響がある立地では、金属の劣化が早いためです。

居住者のニーズの変化

大規模修繕にあたっては、居住者の意向も組み込んだ計画を立てることが成功のポイントとなります。

マンションの新築からの年数が経過することにともない、入居者のニーズは変化します。たとえば、新築時からの入居者のニーズの経年変化の内容は、以下のようなものが多いでしょう。

初期:建物の傷みの補修や防止
中期:設備等を時代に合わせる
後期:バリアフリー対応

中期のニーズとしては、インターネット回線などの通信系設備の更新や、CATVなどの共聴系設備の改修が増えると考えられます。充分なヒアリングのうえ、居住者が何を望んでいるかも大規模修繕内容に反映させるようにしましょう。

法改正・税制改正への対応

政府・国土交通省はマンションへの対応基準について、大きな視点では「エコ・長く安心して住める・災害対応」の3つの観点から政策を調整します。

たとえば耐震改修について、今後マンションの対応基準が徐々にシビアになることも考えられますが、それに伴って補助金制度も増えることが予想されます。

エコ性能やバリアフリーについては、大規模修繕・改修の助成金以外に、税制でも優遇が受けられます。

建物の初期性能を維持し、暮らしの安全性を高める大規模修繕は、建物の機能を当初よりも向上させる改修(改修のための予算を資本的支出といいます)とは異なり、助成金などの対象となる工事も多いです。

管理組合や修繕委員会の方が法改正・税制改正の最新情報に常に敏感になり、大規模修繕内容に反映させることで、居住者の利益も守ることになります。

まとめ

マンションの大規模修繕で2回目を行う時期はいつ頃となるか、予算はどのくらい必要かなど、周期の考え方も含めて解説しました。

建築技術の進歩によりマンションの高寿命化が進み、4回目・5回目と計画的な大規模修繕が続くこととなるでしょう。

また、居住者の家族構成や年齢構成などは変化し続け、修繕技術も新たな展開が期待されます。管理組合として長期的なビジョンをもって修繕計画を持ち、修繕の成功に向けた検討を繰り返すことが求められます。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

別所 毅謙

別所 毅謙

マンションの修繕/管理コンサルタント歴≒20年、大規模修繕など多くの修繕工事に精通。管理運営方面にも精通しており、アドバイス実績豊富。 過去に関わった管理組合数は2千、世帯数は8万を超える。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「NIKKEI NEWS NEXT」、「首都圏情報ネタドリ!(NHK)」、「めざまし8」、「スーパーJチャンネル」。

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