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マンション大規模修繕のコンサルタントとは?役割や選び方を解説

更新日:2025年02月12日(水)

マンションの大規模修繕では、ほとんどの場合で建築や不動産の知識の少ない区分所有者代表の管理組合員・理事会の方が、工事計画や多額の修繕費用を判断し、区分所有者の了承を得る必要が生じます。 専門知識を補い、大規模修繕の進捗をサポートするため、コンサルタント会社に入ってもらうケースもあります。しかし、そもそもどんな流れや選定基準でコンサルタントに依頼すればよいかもわからないことが多いのではないでしょうか。 本記事では、マンション大規模修繕のコンサルタントとはどのようなものか、役割や選び方を解説します。

本記事のポイント
  • マンションの大規模修繕でコンサルタントに相談する必要性がわかる。
  • コンサルタントの役割や活用方法が明確になる。
  • コンサルタントを利用するリスクや注意点を学べる。

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マンション大規模修繕のコンサルタントとは?

 

最初に、マンションの大規模修繕でコンサルタントが果たす役割の概要をお知らせします。コンサルタントの仕事は依頼内容にもよりますが、修繕計画の設計や工事チェックなど多岐にわたります。

大規模修繕コンサルタントとは?

大規模修繕を行うにあたって、マンションの管理組合は理事会や修繕委員会が主体となって計画を進めることになります。

管理組合の中に建物管理や建築物の改修の知識が多少ある方がいるだけでは、大規模修繕工事の牽引すべては難しいため、専門のコンサルタントに依頼することができます。

コンサルタントは大規模修繕の工事箇所や実施時期のアドバイス、施工会社を選定する際の各種支援を行ってくれる企業体か個人です。管理組合のパートナーとして、おもに以下の役割を担当します。

  • 建物の劣化診断
  • 施工の事業者選定
  • 工事期間中の品質や管理チェック(設計監理)

大規模修繕コンサルタントに依頼するメリット

メリットとしてはまず、コンサルタントの支援を受けることで、事業者選定の際のマンション管理組合や修繕委員会の負担が大幅に削減されます。また、専門知識が豊富なので、不明な点について相談し、組合内の不安を十分に取り除くことができます。

コンサルタントの劣化診断をもとに作成した仕様に基づき、各業者候補がマンション大規模修繕の見積もりを作成することで、事業者決定のプロセスが適切に合理化され、比較もしやすくなります。

また、施工開始後の工事監理も、マンション管理組合や修繕委員会の負荷を大幅に削減できます。

大規模修繕コンサルタントに依頼する費用相場

大規模修繕工事でコンサルタントに支払う費用は、総工費の5~10%が相場となっています。

たとえば工事費用の総額が5,000万円の場合、250万円から500万円をコンサルタントに支払うことになります。この金額の幅は、依頼先や依頼内容、工事内容、建物の規模などで左右され、一律ということではありません。

大規模修繕コンサルタントの役割とは?

あらためて、大規模修繕のコンサルタントに依頼する仕事内容の詳細を見てみましょう。

劣化状況の診断

大規模修繕の必要性を含めて建物の劣化状況をチェックし、工事内容の検討を行います。修繕対象の箇所ごとに今工事を行うべきか、行わない場合には今後どうするか、一時的な補修や次回工事のタイミングなども含め、管理組合への提案を行ってもらいます。

必然的に、今後の長期的なメンテナンス計画を管理組合と検討することも含まれる形となります。

劣化診断は以下のような方法で行われています。

  • 設計図面などの資料を確認
  • 目視による建物の劣化状況の確認
  • 打診調査
  • 塗膜やタイルの付着力、コンクリート中性化深度の試験
  • アンケート調査
  • 赤外線外壁劣化調査
  • シーリング材物性試験
  • コンクリート中性化深度調査

上記すべてを必ず行う必要はないため、メニューについては建物の現状やコンサルタントとの相談で決めていくと良いでしょう。

施工事業者の選定

相見積もりや各社の実績などをもとに、公募などで大規模修繕を依頼する事業者の選定を行います。

コンサルタントは候補の工事業者が使う専門用語を分かりやすく説明したり、マンション管理組合の要望を専門的に解釈して会社候補に伝えたりする役割も果たします。

マンション大規模修繕の際の施工事業者選定の発注方式は、おもに以下の2方式で行われています。

責任施工方式

管理組合が工事会社と「工事請負契約」を締結し、工事会社が責任をもって設計、施工を行う。

設計監理方式

管理組合がコンサルタントとコンサルティング契約を締結し、設計・監理などを依頼。

コンサルタントに依頼する場合は、マンション大規模修繕における設計監理方式が主流となります。その場合、改修工事の設計(仕様や見積もり明細の作成)までコンサルタントに依頼するケースもあります。

スマート修繕では、第三者が専門的な分野をサポートし、管理組合が透明性をもって発注を行える責任施工方式をとっています。

設計監理は、施工の確実さや工程の進行確認を仕切っていく仕事ですが、近年、設計監理方式に問題点が指摘されています。

コンサルタントによる施工事業者との結びつき(バックマージンや落札誘導)や、業者間の談合行為です。これは消費者の利益を損ねる利益相反行為となります。せっかく専門知識やコスト削減面で頼れる存在として依頼しているのに、かえって総費用が高くなるようでは意味がありません。

見積もりや施工内容のチェック

施工する事業者の決定後は、総会や工事説明会を経て、着工に向けて進めます。着工後は施工の内容が設計通りに進められているかのチェックも行われます。

2017年には、国土交通省より設計監理方式における設計コンサルタントの不適切な活動について、以下のように異例の注意喚起の通知が出されています。

参考(利益相反の注意喚起):
設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(通知)|国土交通省

大規模修繕のコンサルタントの種類

マンション大規模修繕の際に依頼するコンサルタントにはいくつかの種類があり、それぞれが役割ともいえる傾向を持っています。

大規模修繕コンサルタント会社

大規模修繕コンサルタント会社の成り立ちは、管理会社の工事部門からの独立・分社や、施工会社からの独立などが多くなっています。

コンサルタント会社は大規模修繕の現場経験が豊富で、マンション管理士や建築士の有資格者も多く在籍しています。マンション管理組合の特性を十分理解した会社が頼りになるでしょう。

マンション管理会社

管理会社の中にコンサルティング部門を持つ例です。マンション管理を知り尽くしていて、管理組合とのコミュニケーションにも慣れていて、相談がしやすいといえます。

反面、ほかの事業者候補と比較しない場合は競争が働かず、立場も施工会社や大規模修繕工事会社側であるため、管理組合の利益のために動いてくれるかはもっとも注意が必要であるといえます。

一級建築士事務所

マンションの大規模修繕工事のコンサルタントに建築士資格は不要ですが、一級建築士保有者の場合は、独占業務である工事監理経験も期待できて安心でしょう。一級建築士事務所は、建物設計のオーソリティというだけでなく、大規模建築物の設計監理や定期検査などを請け負い、劣化診断にも一定の知識を持っていることが多いです。

反面、マンションの修繕を専門にしていない建築士はマンションの施主側に立って修繕の設計や監理を行う経験値が少ない場合もあると考えられます。 

マンション管理士とは? 

マンション管理士はマンションの維持や管理に関する専門知識を持ち、管理組合をサポートする国家資格で、適切なアドバイスを行う役割を担う相談役でもあります。

独立開業している例は少ないものの、メンテナンスが後手となっている老朽マンションが増加している昨今、管理組合に寄り添う存在として、今後需要が増えると見られており、適切なパートナーとして選ぶ際のポイントにもなります。

マンション管理士はビルマネージメントや管理組合運営について高度な知識を求められる資格で、試験の難易度は宅建士よりも高いです。しかし現状は有資格者に対する具体的な実需が少ないため、個人として依頼する場合はマンションの工法の詳細や、施工事業者とのやりとりに長けているかを適切に確認したいところです。

また、建築や修繕に対する知識は少ないことも多いため、大規模修繕工事を得意としているか、実績があるかなどの確認も重要で、適切な選定基準とすることが必要です。 

マンション大規模修繕のコンサルタントの選び方

ここまでコンサルタントの種類ごとの確認ポイントには触れましたが、マンション管理組合はどのようなコンサルタントを選べばいいか解説します。 

管理組合との相性 

まずポリシーとして、大規模修繕でマンション管理組合が望んでいる方向に沿ってくれるかが大切なポイントです。

たとえば「管理組合主体で、適切な工事内容・期間・金額に向けてアドバイスしてほしい」か、「知識がなくみんな忙しいので、お任せしたい」かで、方向性は逆になります。

ただし「全てお任せください」というケースでは、癒着や不正に対するチェックがより重要となります。

また、話し合いのスタンスとして、専門家として上から目線で語るのではなく、大規模修繕工事の必要性を合理的に伝えられるコンサルタントかどうかも大切です。このスタンスは決議や集会の際、入居者を説得するうえでも影響します。

さらに、マンション管理組合運営への理解と知識も確認したい点でしょう。 

コンサルティング実績 

手がけた案件数は、ノウハウの蓄積の証明となります。しかし件数ランキングだけでなく、対象のマンションと類似した規模や築年数の案件での実績が多くあるかを確認しましょう。

また、依頼したい内容の工事実績が豊富かもチェックポイントでしょう。たとえばALC外壁の大規模修繕や耐震補強、断熱塗料の施工、その他改修で行いたい内容など、近い実績を探します。 

公正・中立か 

本当の意味で施主の側に立った事業が可能であるかどうか、「不適切行為」の疑いがないかどうかも、重要なポイントです。

癒着や不正行為について、誓約書や損害賠償の約定を作っておくことや、大規模工事の発注ありきでなく、必要に応じた提案をしてくれるかの確認をすることなど、区分所有者の多額の財産を預けるにふさわしいコンサルタントとして、機能していただけるようにしたいものです。

たとえば「この箇所は今回は部分補修にとどめて、次回の大規模修繕で手を入れたほうが足場の使用回数もまとめられ、コスト的に有利です。」というような提案をしてもらえれば安心でしょう。適正な発注の方式をしっかりと構築しているのか、支援内容や見積もりの取り方を具体的に確認しておくことも重要です。 

まとめ

マンション大規模修繕のコンサルタントとはどのようなものか、役割や選び方を解説しました。

「そもそもコンサルタントを選ぶための知見や選定基準がない」という場合、本記事を参考にしていただく以外に、理事の方数名でさまざまなコンサルタント会社と会い、話をしてみるのもよい方法です。

質問や会話の中で得られる情報や知識が、大規模修繕に対する考えをまとめていく助けや、コンサルタント選びのポイントとなっていくでしょう。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

別所 毅謙

別所 毅謙

マンションの修繕/管理コンサルタント歴≒20年、大規模修繕など多くの修繕工事に精通。管理運営方面にも精通しており、アドバイス実績豊富。 過去に関わった管理組合数は2千、世帯数は8万を超える。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「NIKKEI NEWS NEXT」、「首都圏情報ネタドリ!(NHK)」、「めざまし8」、「スーパーJチャンネル」。

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