ディー・エヌ・エー(DeNA)グループ 一級建築士事務所

スマート修繕
0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

マンション修繕委員会になりすます悪質業者の実態と防止策

更新日:2025年12月14日(日)

マンションの修繕委員会に、見知らぬ人物が紛れ込んでいたら──そんな信じがたい事態が現実に起きています。 本記事では、実際に起きた「なりすまし」事件の事例や手口、その背景と狙われる理由を解説し、被害を未然に防ぐ対策について述べます。さらに、第三者の支援サービス(スマート修繕)の導入によって透明性ある業者選定や工事内容の妥当性確保がどう可能になるかも紹介します。早期から対策を講じ、マンションの資産と居住者の信頼を守りましょう。

本記事のポイント
  • 悪質業者が修繕委員会になりすます典型的な手口と背景が具体的にわかる
  • 管理組合が実施すべき防止策や内部体制強化のポイントが学べる
  • 第三者支援サービスの活用による透明性確保や不正防止の方法が理解できる

修繕委員会になりすます悪質業者の事例と典型的な手口

近年明らかになった事例として、施工会社の社員がマンション住民になりすまして修繕委員会に潜入し、自社に有利な工事契約を結ばせようとした事件がありました。こうした「なりすまし」による不正工作は決して一件限りではなく、専門家は以下のような典型的な三つの手口があると指摘しています。

委員会への潜入(身分証偽装)

区分所有者を装って理事会や修繕委員会に不正参加する方法です。本人確認が不十分だと会議に容易に侵入されてしまい、実際に偽の住民が委員に紛れ込んで工事業者選定の議論を操作しようとしたケースも発覚しています。

住民への直接接触(ギフト券提供等)

組合を通さず個別に住民に接近し、アンケート協力の謝礼など名目で内部情報を収集する手口です。金品をチラつかせて聞き取りを行い、修繕計画や積立金の情報を不正に入手して議論を誘導するケースが報じられています。実際に、修繕委員へのインタビューを装って近づき「会議内容を共有してくださるだけで結構です。謝礼に月5万円分のギフト券を差し上げます」と持ちかけられた例もありました。

区分所有権の取得(理事へ成り済まし)

悪質業者がマンションの一室を実際に購入し、正式な区分所有者・理事として内部から受注誘導を図る手口です。手間と費用は掛かりますが、内部関係者として信頼を得やすく、より巧妙に特定業者への発注を仕組める点で悪質です。

これらの手口に共通するのは、管理組合の内部意思決定に干渉し自社へ有利な契約を結ばせる点です。住民になりすまし委員会の議論をリードしたり、事前に住民から計画情報を抜き取って策略を巡らせたりと、巧妙な方法で組合の監視を掻い潜ろうとします。特に大規模修繕は数千万円から数億円規模の契約になるため、悪徳業者にとって大きな利益が見込めます。一度不正が入り込めば費用の水増しによる金銭的被害だけでなく、住民の資産流出や信用低下といった深刻な二次被害も招きかねません。では、なぜ管理組合の意思決定プロセスがこれほど狙われやすいのでしょうか。その背景を見てみましょう。

管理組合内部の意思決定プロセスが狙われる背景

マンションの管理組合や理事会は、企業のように厳格なガバナンス体制が整っているわけではなく、多くの場合は知識と経験が限られたボランティア役員によって運営されています。また、理事長をはじめ役員は本業や生活の合間に組合運営を担っているケースがほとんどで、専門的な修繕計画の検討に十分な時間を割けない実情もあります。その結果、業者から提示された高度な技術資料や見積もりを深く精査できず、言いなりになってしまうケースも少なくありません。

役員は任期ごとに交代する持ち回り体制であるためノウハウの蓄積が難しく、加えて専門知識の不足や監査機能の不十分さも相まって、業者との知識格差により意思決定を歪められる余地が生じています。実際に、議事録の記録が不正確だったり入札評価の基準が非公開だったりといったずさんな運用が、不正の温床となるリスクを高めていると指摘されています。

さらに、マンション住民側の事情として区分所有者の無関心や管理意識の低さも問題です。専門知識を持つ一部の住民とそうでない住民との情報格差が大きく、そもそも管理組合の運営に関心を示さない人が多いと、不正を疑問視する声すら上がりにくくなります。こうした構造的な脆弱性につけ込まれ、悪徳業者による利益相反の温床が生まれてしまうのです。

特に注意すべきは、大規模マンションや投資用マンションといったケースです。居住者同士の顔が見えにくかったり非居住オーナーが多かったりするため、成りすましが発覚しにくく議論を誘導されやすい傾向があります。また、管理を管理会社任せにしがちな組合や、形式的に総会を開いているだけで実態としてチェック機能が弱い組合ほど、外部の干渉を許しやすくなります。このように管理組合の構造的な弱点が背景にあるため、悪質業者は内部の意思決定プロセスを狙ってくるのです。

なお、2025年には公正取引委員会が大規模修繕工事に関する談合疑惑で複数の施工業者に立ち入り検査を行うなど、業界全体で不透明な商慣行が問題視される事態にもなりました。修繕積立金という“住民の財産”を巡る熾烈な争奪戦が激化する中、管理組合側のガバナンス強化が急務となっています。

被害を未然に防ぐための対策

こうした「修繕委員会なりすまし」被害を防ぐには、管理組合側で主体的に防衛策を講じることが不可欠です。以下に代表的な対策を挙げます。

委員会メンバー選任の厳格化・身元確認の徹底

修繕委員会の委員や理事への立候補者については、本人確認と資格確認を厳格に行います。具体的には、居住者名簿を最新に保ち(所有者や居住者の氏名・住所を常に把握)、会議出席時には写真付き身分証の提示や署名簿への記入を必須とするなど、二重の確認プロセスを導入します。代理人出席を認める場合も正規の委任状提出と身元確認を条件にし、不審な参加者を排除できる体制を作ります。さらに、利益相反の事前チェックも重要です。委員候補者が建設業者や管理会社等に勤務していないか自己申告させ、利害関係のある人物が委員に就任しないよう制度化します。

議事録・会議記録の適切な管理

管理組合の透明性を高めるため、議事録の作成と共有を徹底します。修繕委員会や理事会の会議では、発言や提案内容、採決結果を詳細に議事録に記録し、全組合員に閲覧可能とすることで不自然な決定があれば住民から指摘を受けられるようにします。必要に応じて会議の映像記録や出席者名簿を残すことも有効です。実際、なりすましが発覚した事件でも議事のやり取りに不自然さを感じた住民の指摘が契機となりました。透明な記録管理により、外部者が密かに意思決定を歪めることを防ぎます。また、工事の入札や契約の評価基準を明文化・公開し、選定プロセスが公正に行われたことを後から検証できる仕組みを整えましょう。

外部監査・第三者チェックの導入

組合内部だけで全てを完結させず、第三者の目による監視・監査制度を取り入れることも強力な抑止策です。例えば、大規模修繕の重要な節目(設計内容の妥当性確認や入札結果の評価時など)において、外部の専門家や監査役がプロセスをチェックする仕組みを設けます。専門知識を持つ第三者が関与すれば、組合だけでは見落としがちな不備や不正の兆候を早期に発見できます。また、管理会社の提案に対しても外部監査人が意見を述べられるようにすれば、業者寄りの判断を牽制し、組合の利益を守りやすくなります。第三者監査や専門家の定期的なレビューはコストがかかる面もありますが、数億円規模の工事における安心料と捉え導入を検討すべきでしょう。

なお、国もマンション管理のガバナンス強化を進めており、外部専門家を監事(監査役)として招聘することや、専門会社に管理を委託する第三者管理方式の活用も制度上認められています。自主管理に限界を感じる場合は、こうした仕組みも積極的に検討すると良いでしょう。

第三者支援サービス「スマート修繕」の活用による透明性確保

上記のような自衛策に加え、近年では第三者の専門サービスを活用することで、より確実に透明性と公平性を担保する動きも広がっています。その代表例が「スマート修繕」です。

スマート修繕は、マンションの修繕工事に特化した見積もり・工事支援サービスで、管理組合に代わって複数の優良業者から一括見積もりを取得し比較・選定をサポートしてくれます。

一級建築士事務所の専門家が伴走し、独自の過去データベースを用いて各工事項目の単価や仕様を査定するため、適正価格で妥当な工事内容を実現できる点が特徴です。実際に、スマート修繕では過去2,000件以上の見積もり査定実績があり、90%以上の確率で工事費の削減に成功、大規模修繕では戸あたり平均約20万円のコストダウンを達成しています。

例えば、建物の劣化診断結果に基づき「今すぐ必要ではない工事」は見送る提案を行うなど、業者本位ではなく建物の状態と組合の予算に即した工事計画を立てられます。また、競争入札により特定業者への偏った発注を防ぎ、見積書のフォーマット統一や工事完成保証制度によって、契約内容の不備や施工トラブル時のリスクにも備えています。

スマート修繕のような第三者支援サービスを導入すれば、管理組合は専門知識がなくとも透明性の高い業者選定と適正な工事内容の精査が可能になります。見積もり評価から工事完了までワンストップでサポートしてくれるため、悪質業者による談合やなりすまし介入を未然に防ぎやすくなるでしょう。

スマート修繕は工事業者からの手数料で運営されるため、組合は無料で利用できます。第三者コンサルティングの力を借りてプロセスの客観性を高めることは、組合自体の負担軽減にも繋がり、結果的にマンション全体の利益を守ることに寄与します。

安全と安心を確保した大規模修繕を検討されている方は、一度スマート修繕の専門家にご相談ください。

まとめ

マンションの修繕委員会になりすます悪質業者の存在は、管理組合の意思決定プロセスが狙われる危険性を浮き彫りにしました。だからこそ、事前に十分な対策を講じて未然防止に努めることが肝心です。一度不正な介入を許せば、工事費用の高騰や不要工事の押し付けといった金銭的被害だけでなく、組合内部の不信感醸成やマンションの資産価値下落といった深刻な影響が及びます。当然ながら、このような行為は住居侵入や詐欺未遂など刑事事件に該当し得る重大な犯罪行為でもあります。警察沙汰になればマンションの評判も大きく損なわれてしまいます。区分所有者の無関心に乗じて修繕費を巡る熾烈な争奪戦が水面下で繰り広げられている現状を直視し、組合側が能動的に対策を講じることが重要です。

幸い、ここまで述べた身元確認の徹底や議事録管理の強化、外部監査の導入といった施策によって多くの不正は未然に防げます。また、第三者サービスの活用により専門知識の不足も補い、常に公正なプロセスで修繕工事を進めることが可能です。マンション管理の専門家も「利害にとらわれない第三者視点の導入が不可欠」と強調しています。

最後に、組合員一人ひとりの高い関心と協力姿勢も欠かせません。総会や委員会に積極的に参加し、議論の内容を共有・監視する住民意識の向上が、不正を許さない健全な管理組合運営につながります。また、不審な動きを察知した場合は、早期にマンション管理士など専門家や行政の相談窓口に報告し、助言を仰ぐことも大切です。

マンションの将来価値と居住者の安心を守るために、ぜひ早め早めの対策を講じてください。管理組合自らの透明性強化と外部の力の適切な活用が、悪質業者から大切な修繕積立金を守る最善策なのです。

マンション管理は決して簡単ではありませんが、正しい知識と適切な支援を得ることで、住民が安心して暮らせる住環境と資産価値を守っていくことができます。

大規模修繕の支援サービス「スマート修繕」

  • 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
  • ボリュームゾーンである30~80戸のマンションのみならず、多棟型やタワーマンションの実績も豊富で、社内にはゼネコン、修繕会社や修繕コンサルティング会社など出身の建築士等が多数いますので、お気軽にご相談ください。
  • 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。

電話で無料相談

0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

Webから無料相談

専門家相談する

記事をシェア

本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

二級建築士,管理業務主任者

0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

スマート修繕なら

適正価格の工事を実現

0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

telWebで無料相談する
tel電話で無料相談する(24時間対応)

※携帯・スマートフォンからも通話料無料