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鉄骨階段補修の費用相場と内訳、金額を抑えるポイントも解説

更新日:2025年10月29日(水)

鉄骨製の外階段(非常階段など)は雨風や雪にさらされ、サビ(腐食)による劣化が避けられません。放置すれば安全性の低下だけでなく階段崩落による事故や法的責任につながるリスクもあります。そうなる前に適切な補修が必要ですが、鉄骨階段補修の費用は工事内容や損傷の程度によって幅があります。 本記事では鉄骨階段の補修費用相場と内訳、費用が変動する要因、さらに補助金・助成制度の活用術や費用を抑えるポイントについて解説します。鉄骨階段補修にかかる費用の疑問を解決し、賢く安全にメンテナンスを進めるための情報をお届けします。

本記事のポイント
  • 鉄骨階段補修の工事内容別費用相場と、劣化の程度・現場条件など費用を左右する要因を理解できる。
  • 補修・交換の判断基準や、補助金・保険適用など費用負担を軽減する方法が学べる。
  • 相見積もりや業者選びのコツ、長持ちする材料選定など、コストを抑えた安全な施工計画の立て方がわかる。

鉄骨階段補修の費用相場と内訳

マンションの共用部に設置されている鉄骨階段は、定期的な塗装や補修を行うことで安全性と美観を維持することができます。
鉄骨階段の修理費用相場は、おおむね15~50万円程度が目安です。ただし、劣化の程度や補修の範囲によって金額は大きく変わります。ここでは、代表的な補修内容ごとの費用目安を紹介します(以下は中層マンションの外部避難階段などを想定した概算です)。

■ 塗装のみの補修(表面のサビ落とし+再塗装)

目安費用:10~25万円程度
塗膜の劣化や軽度なサビが見られる段階で行う基本的なメンテナンスです。
サビ落とし後に防錆下地・上塗りを行うことで、鉄部の腐食進行を防ぎます。早めの対応で費用を抑えられるのが特徴です。

■ 部分的な溶接補修+塗装(踏板・手すりなどの一部交換)

目安費用:25~40万円程度
踏板の一部にサビ穴や腐食が生じた場合、部分的に鉄板を交換・溶接補強した上で再塗装を行います。
中程度の劣化に対応する一般的な補修で、階段全体の交換を避けるためにも早期対応が重要です。

■ 大規模な補修工事(複数部材の交換・全体補強)

目安費用:60~120万円程度
階段全体で腐食が進行している場合、支柱や骨組みなど主要部材の補強・交換を行う本格的な補修となります。
足場設置費や材料費、人件費を含む総工費で、工期は1~2週間程度が一般的です。

■ 階段の全交換(架け替え工事)

目安費用:150万円以上
腐食や損傷が深刻な場合、鉄骨階段を新規に製作・設置し直す「架け替え」が必要になります。
既存階段の解体・撤去から新階段の製作、搬入・据付、仕上げ塗装までを含むため、
規模によっては300~500万円程度に達することもあります。

鉄骨階段の補修は、塗装や部分補修の段階で行えば数十万円程度で済みます。しかし、腐食を放置して主要構造部まで損傷が進むと、安全性の観点から全交換が必要になり、数百万円単位の大規模工事となるケースも少なくありません。マンションの資産価値と居住者の安全を守るためには、定期点検と早めの補修計画が何より重要です。

鉄骨階段補修の費用を左右する主な要因

同じ鉄骨階段の工事でも、条件次第で見積り額は大きく変わります。ここでは補修費用に影響を与える代表的な要因を説明します。これらを把握しておくことで、見積もり内容への理解が深まり、予算計画の検討材料になります。

劣化の程度(腐食レベル)

サビの広がり具合や穴あきの有無によって必要な補修内容が異なります。腐食が軽微なら塗装中心で済みますが、進行していれば溶接補強や部材交換が追加され費用増となります。

補修範囲と箇所

階段全体に及ぶか一部のみかで費用は大きく変動します。例えば踊り場や手すり支柱まで含めた補修は範囲が広く、高所作業箇所が増える分コストも上がります。

使用する工法・材料

塗料のグレードや補強方法によって単価が変わります。耐久性の高い塗料(シリコン塗料やフッ素塗料など)は価格も高めですが、再塗装サイクルが延び長期的には経済的です。溶接補修でもステンレス製の当て板を使うなど材料品質で費用が上下します。

現場条件(足場の有無・階数)

高所での作業には足場の設置が必要です。足場代は数十万円規模になることもあり、2階より上の高層階にある階段ほどトータル費用がかさみます。また作業スペースが狭い・周囲に配慮が必要な現場では養生や仮設構台など追加措置が発生し、費用に反映されます。

施工現場までの距離

現場が遠方の場合、出張費や運搬費が追加されます。離島や山間部など特殊な立地では割増費用が発生することもあります。

以上のような要因から、実際の費用は現地調査後の見積もりで個別に算出されます。「一式○○円」と書かれた見積もりでも、内訳として何の工事にいくら掛かるかを業者に確認しましょう。工事内容(塗装〇㎡、部材交換〇箇所など)や使用材料、人件費・諸経費の内訳が明確になれば、適正な金額か判断しやすくなります。

交換工事の費用と注意点

鉄骨階段の劣化が深刻でも必ずしも新設交換が最善とは限りません。前述の通り交換費用は高額になるうえ、工期中は階段が使えず居住者の生活動線に支障が出ます。特にマンションなどの集合住宅では、交換工事中に仮設階段の設置や避難経路の確保といった対応も必要です。また建物自体が古い場合、新品の鉄骨階段は耐久年数が建物寿命を上回りコストに見合わない投資となる恐れもあります。

交換工事が必要なケースは、階段を支える主要部分まで腐食し強度不足で危険な場合や、補修では安全性を確保できない場合です。その際は安全第一で架け替えを検討せざるを得ません。ただし「とりあえず補修で延命できないか」専門業者に相談する価値はあります。実際、鉄骨階段の腐食は補修工事で延命できるケースが多いと指摘されています。交換前提でなく、補修で安全性を確保しつつ建物の維持年数に見合った対策をとる方が合理的な場合もあります。

交換工事をする場合の注意点として、事前に以下を確認しましょう。

確認申請や検査

外階段の架け替えは建築基準法上「大規模の修繕・模様替」に該当し、構造や形状によっては建築確認申請が必要になる場合があります。自治体や管理組合と事前に手続きを確認してください。

住民への周知

工事期間中は階段が使えないため、代替ルートの案内や工事日程の周知を徹底します。特に緊急時の避難経路については事前に説明し、必要に応じて仮設階段を設置してください。

費用と工期の見込み

交換工事は前項の費用相場で述べたように最低でも150万円以上かかり、作業日数も1~2週間以上になります。雨天などで延びる可能性もあるため、工程に余裕を持たせて契約しましょう。

補修か交換か迷ったら、複数の専門業者から現場調査と見積もりを取り、費用対効果や安全面を比較検討することが大切です。安全性を確保しつつ費用を最小限に抑える最適解を見極めましょう。

補助金・保険適用で費用負担を軽減

鉄骨階段の補修工事は共用部の安全性向上につながるため、条件によって公的補助金や火災保険が利用できる場合があります。大規模修繕の予算に余裕がないときは、以下の制度や保険適用の可否を確認しましょう。

自治体の補助金・助成制度

多くの自治体では老朽住宅の安全対策やバリアフリー改修、省エネ化工事などに補助金を出しています。鉄骨階段の改修単独で使える補助金は一般的にありませんが、関連する工事内容によって対象になるケースがあります。例えば避難経路である階段の耐震補強工事や、階段への手すり新設・段差解消といったバリアフリー改修は自治体助成の対象となる場合があります。

また階段補修と同時に照明のLED化や太陽光パネル設置などを行う場合は省エネ改修補助金の適用を受けられる可能性があります。補助金は制度によって補助率や上限額、申請時期が異なるため、工事前に各市区町村の窓口や公式サイトで最新情報を調べましょう。申請手続きには工事見積書や写真などが必要になり、着工前の申請が条件となる点にも注意してください。

火災保険・その他の保険

経年劣化による錆び・腐食は通常保険金の対象外ですが、台風や地震など偶発的な災害による損傷であれば火災保険や地震保険が適用される可能性があります。たとえば強風で飛来物が当たって階段が破損した場合や、地震で階段に被害が出た場合です。こうしたケースでは保険会社に連絡し、修理費用の一部または全額が保険で補填できるか確認しましょう。ただし保険請求には被害状況の写真や被災日時の特定、原因の客観的証明が求められます。日頃から階段の写真記録を残し、被害発生時は速やかに記録・報告することが大切です。

鉄骨階段補修の費用を抑えるためのポイント

最後に、鉄骨階段補修の費用をできるだけ抑えつつ、安全で長持ちする工事を行うためのポイントをまとめます。適切な工夫と業者選びによって、無駄な出費を防ぐことが可能です。

早期発見・早期対処

サビは一度発生すると放置するほど広がり、補修規模が大きくなって費用も膨らみます。塗装の剥がれや錆び始めを見つけた段階で手当てすれば、簡単な塗装補修で済み費用も格段に安く抑えられるとされています。築年数にもよりますが設置後10年目安に定期点検を実施し、軽微な劣化のうちに対策しましょう。

複数社から相見積もりを取る

工事内容や費用の妥当性を判断するため、2~3社以上の業者に現地調査と見積もり依頼をすることをおすすめします。実際に鉄骨階段の状態を見てもらい、提案内容と金額を比較しましょう。「○○工事一式○○円」だけの見積書であれば内訳の説明を求め、不明点に丁寧に答えてくれる業者を選ぶことが重要です。相見積もりにより相場感もつかめ、不要な工事や高すぎる請求を避けられます。

安易なDIYは避ける

費用節約のため自分で塗装しようと考える人もいますが、鉄骨階段の補修をDIYで行うのは推奨できません。専門知識なしにケレン作業(錆落とし)や適切な塗料選定をするのは難しく、高所作業は危険が伴います。プロに任せた方が安全確実で、結果的に長持ちするためコストパフォーマンスも良くなります。

長持ちする材料・工法を選ぶ

初期費用だけでなくライフサイクルコストの視点も大切です。例えば塗料はグレードによって耐久年数が異なり、安価な塗料では数年で再塗装が必要になるケースもあります。多少費用が上がっても耐久性の高い塗装や防錆処理を選べば、再補修の頻度を減らせ結果的に出費を抑えられます。業者と相談し、建物の今後の維持計画に見合った工法を採用しましょう。

信頼できる専門業者に依頼

安く済ませたいあまり無資格の業者に頼むと、施工不良で結局やり直しとなり余計な費用がかかる恐れがあります。鉄骨階段補修の実績が豊富で、施工事例や資格を開示している業者を選びましょう。見積もりの段階で疑問にきちんと答えてくれるかも重要な見極めポイントです。多少費用が高めでも信頼性の高い業者に依頼したほうが、結果的に安心で長い目で見て得られる価値も大きいでしょう。

まとめ

鉄骨階段の補修費用は塗装のみの簡易工事なら20万円前後から、部材交換を伴う補修では数十万円規模、損傷が激しい場合は100万円超に上ることもあります。本記事で述べたように、費用は階段の劣化状況や工事範囲によって大きく変動するため、まずは専門業者の現地調査と見積もりで状況を正確に把握しましょう。早めの補修なら低コストで済みますし、腐食を放置すれば安全面のリスクとともに高額な交換工事が必要になります。国や自治体の補助金制度や保険金が使えるケースも確認し、賢く活用して負担軽減につなげることもポイントです。信頼できる業者の適切な施工によって、鉄骨階段の安全性を長期間維持しつつ、無駄のない費用で建物価値を守りましょう。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

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