東芝エレベーターをリニューアルする方法と工事価格を下げる手順を紹介
更新日:2025年05月31日(土)
東芝エレベーターのリニューアルを検討する際、最も重要なのは適切な方法選択と費用対効果の最大化です。本記事では、東芝エレベーターの3つのリニューアル方法の特徴と費用相場、さらに工事価格を効果的に削減する具体的手順について詳しく解説します。 適切な計画立案により、1基あたり数百万円の費用削減が可能となり、国や地方自治体の補助金制度を活用することで、さらなるコスト削減も実現できます。東芝のエレベーターをリニューアルする予定の方は参考にしてみてください。
- 本記事のポイント
- 東芝製エレベーターの適切なリニューアル時期とその理由を把握できる。
- リニューアル方法の種類とそれぞれのメリット・費用感がわかる。
- 工事費用を抑えるための具体的な戦略と進行上の注意点を学べる。
東芝製エレベーターのリニューアルが必要な理由と適切なタイミング
改修の必要性
エレベーターは定期的な保守・点検を行っていても、長年の使用により機械的・電子的な劣化が進み、やがて性能の限界に達します。法定の耐用年数は一般に17年とされており、多くの建物では17〜25年程度の使用を経てリニューアルが検討されます。建物に寿命があるのと同様に、エレベーターにも適切な更新時期が存在します。
特に築20年以上の設備では、現行の安全基準を満たしていないケースもあり、法令への適合や安全性の確保の観点から、計画的な更新が重要です。また、経年によってメーカーの部品供給が終了することも多く、修理対応が難しくなるリスクも含めて、早めのリニューアルが推奨されます。
改修工事の効果とメリット
エレベーターのリニューアルには多くのメリットがあります。まず、最新の制御機器や駆動装置への更新により、運転効率が向上し、省エネ性能の強化によって電力消費を大きく削減できます。これにより、長期的なランニングコストの低減が期待できます。
さらに、安全装置や監視システムの強化により、現代の基準に即した安全性の確保が可能になります。内装・外観の更新によって視覚的な印象も改善され、建物全体の資産価値やイメージアップにもつながります。
加えて、マイクロコンピュータ制御やインバータ技術などの導入により、停止精度や乗り心地も向上し、利用者の満足度向上にも貢献します。こうした総合的な機能強化が、エレベーターだけでなく建物全体の快適性・信頼性の向上へとつながっていきます。
東芝製エレベーターのリニューアル方法の種類と特徴
フルリニューアル(全撤去新設)
フルリニューアルは、既存のエレベーターを完全に撤去し、新しいものに入れ替える最も包括的なリニューアル方法です。この方法により最新技術を適用し、性能、品質、機能の向上と意匠の刷新を図ることができます。
フルリニューアルの最大の特徴は、エレベーターに関する全ての部品や設備を撤去し、新しいものに取り替えるため、性能や寿命を根本的に改善できる点です。建物の資産価値を保ち、安全安心で快適な空間へと完全に生まれ変わらせることが可能となります。
準撤去リニューアル
準撤去リニューアルは、各階に設置されている三方枠や敷居はそのまま残し、カゴやロープなど劣化した部分だけを交換する方法です。既存の設備を最大限活用しながら、主要機器の更新により安全性と機能性の向上を図ります。
この方法では、機械室やシャフト部分の構造をそのまま使用可能な場合に適用され、既存の設備を活かしながら改修を行う点が特徴的です。フルリニューアルと比較してコストを抑えながらも、性能と安全性の大幅な向上が期待できます。
制御リニューアル
制御リニューアルは、三方枠や敷居、カゴは残したまま制御盤や巻上機を交換する部分的なリニューアル方法です。エレベーターの心臓部ともいえる制御系統を最新の電子制御式に変更することで、故障リスクの低減と運行効率の向上を実現します。最も短期間で実施できるリニューアル方法であり、コスト効率も優れています。
東芝製エレベーターの各種リニューアル方法の費用相場
リニューアル工事は3種類に分類され、東芝製エレベーターのリニューアルの費用相場は以下が目安となります。
工事種別 | 内容 | 相場(1基あたり) |
全撤去新設 | 既存のエレベーターや付属物すべてを撤去、新設する | 3,000万円~ |
準撤去リニューアル | 各階に設置されているEVの三方枠や敷居などは既設のものを利用し、ロープ・制御盤・巻き上げ機などを取り替える | 2,000万円~ |
制御リニューアル | インバーター制御や操作基盤、配線などの入れ替えを行う | 1,200万円~ |
上記は一般的な目安であり、エレベーターの規模(定員や昇降路の高さ)、工事難易度、立地条件によって費用・工期は変動します。また、メーカー以外の独立系の事業者から見積もりを取得することで大幅なコストダウンが可能です。メーカー以外の独立系の事業者であれば、制御リニューアルの費用相場は約500万円~700万円です。事前に相場観を把握し、提示された見積もり金額が適切か比較検討することが大切です。
東芝製エレベーターの工事価格を下げる具体的手順
東芝製エレベーターのリニューアルにおいて、工事価格を効果的に抑えるには、複数の戦略的アプローチを組み合わせることが重要です。以下に、実務で活用できる具体的な手順を示します。
1. 適切な改修方法の選択
工事費用削減の第一歩は、建物の状態や利用目的に応じた最適なリニューアル方式の選定です。例えば、制御系統の老朽化が主な課題である場合、フルリニューアルではなく「制御リニューアル」を選ぶことで、数百万円から1000万円以上のコスト削減が可能になることがあります。
プロジェクト計画の初期段階で、エレベーターの現状、利用頻度、将来の運用計画を総合的に評価し、必要最小限の改修範囲を明確化することが重要です。
2. 独立系からの提案を受ける
東芝製を含む大手メーカー製のエレベーターは、リニューアルにおいても同一メーカーによる対応が前提とされがちです。しかし、近年では独立系のリニューアル業者が技術力・保守対応力を高めており、大幅に安価な代替提案を出すケースが増えています。
これにより、従来の半額以下での工事提案が提示されることもあり、費用削減の大きなチャンスになります。複数の独立系事業者から見積もりを取得し、価格・内容・保証のバランスを比較することで、コスト効率の高い選択が可能となります。
3. 工事期間とタイミングの最適化
工事期間の設定も価格に大きく影響します。短期間での完了を求めると、人件費や夜間対応費用が上乗せされるため、コストが割高になる傾向があります。可能な限りスタンダードプラン(1週間〜10日間)を選択し、5日間程度の完全停止期間を受け入れることで、比較的リーズナブルな費用でのリニューアルが可能です。
また、エレベーターが複数台ある場合や使用頻度の低い建物では、長期間プランの採用により、さらにコストを下げることができます。工事の実施時期も、建物利用者の生活パターンや業務サイクルに合わせて調整することで、運用上の影響と追加費用の両方を抑えることができます。
4. 事前計画の徹底と法令対応
改修工事の計画段階で、工事内容を詳細に精査し、必要な法令適合を確実に確認することが、余計な追加費用を避けるための鍵となります。たとえば、後から安全装置の追加や昇降路改修が必要となった場合、想定外のコスト増加につながるおそれがあります。これを防ぐために、事前に建築基準法や昇降機関連法令に精通した専門家と協議を行い、見積もり段階で機能・仕様を確定させておくことが重要です。プロジェクト進行中の仕様追加や設計変更を最小限に抑えることで、予算管理を安定させることができます。
東芝製エレベーター改修の具体的工事期間
リニューアル方法により工事期間は大きく異なります。フルリニューアル(全撤去リニューアル)では約30日間、準撤去リニューアルでは約20日間、制御リニューアルでは約7日間の工事期間が標準的です。
これらの期間には、機器の搬出入、設置、調整、検査などすべての工程が含まれており、エレベーターが完全に使用できない期間も含まれています。特にフルリニューアルでは、屋上機械室への重要機器の搬出入にクレーンを使用する場合もあり、周囲の安全性や通行への配慮も必要となります。
エレベーターが完全に使えない期間は、建物を利用する生活習慣やビジネスサイクルを考慮した対応が必要です。住民や利用者への十分な説明、生活導線の確保、引越しなどの調整が重要となります。
改修工事の注意点と成功のポイント
東芝エレベーターのリニューアルを成功させるには、まず徹底した事前調査が欠かせません。エレベーター本体の劣化状況、最新の安全基準への適合状況、日々の利用実態などを現場で丁寧に確認し、正確な現状把握を行うことが第一歩です。
この調査結果をもとに、改修の目的と優先順位を明確にすることが成功のカギとなります。たとえば、災害時の対応力強化や、バリアフリー対応、快適性・デザインの向上といったニーズを建物の特性に応じて整理し、無理のない予算計画と仕様検討に繋げていきましょう。
独立系への切り替えを前向きに検討する
東芝製をはじめとする大手メーカーにリニューアルを依頼するケースが多い一方で、独立系エレベーター業者への切り替えを検討することで、費用面・柔軟性・納期対応などにおいて大きなメリットを得られることがあります。
独立系業者の多くは、複数メーカーの機種に対応できる高い技術力を備えており、メーカー本体では対応しづらい部分的改修や部品選定の柔軟性を提供できます。また、価格競争力が高く、同等の品質・安全性を確保しながらも、総費用を大幅に抑えることが可能です。
利用環境を考慮した工事計画を
特にエレベーターが1基しかない建物では、工事期間中の利用者への影響が大きくなるため、事前の調整や代替手段の確保が極めて重要です。
- 日常の利用時間帯のヒアリング
- 引越し・工事とのスケジュール調整
- 工事中の緊急対応体制の確保
- 住民・利用者への丁寧な説明
これらを計画段階で十分に整備し、住環境に配慮した進行管理を徹底しましょう。
コスト管理と工事品質のバランス
改修工事では、当初の予算を超えた追加費用の発生が課題となりやすいため、進捗状況の常時把握と、透明性の高い見積管理体制が必要です。また、エレベーターは「人の命を預かる」設備である以上、安全性を最優先に据えた工事監理が求められます。独立系業者でも、適切な技術基準に基づく安全設計・施工体制が整っている業者を選定することで、コストと品質の両立が十分に可能です。
まとめ:東芝製エレベーターの改修は独立系も含めて専門家と慎重に検討を
東芝製エレベーターの改修は、安全性や快適性の向上だけでなく、建物の資産価値維持にも直結する重要な投資です。改修方法は複数あり、建物の状態や利用状況に応じて最適な選択が求められます。
近年では、大手メーカーに加え、独立系業者による高品質で柔軟な提案も増えており、費用面でも有利な選択肢となる場合があります。複数社の見積もりを比較し、内容を丁寧に検討することが成功のポイントです。
改修前には現地調査と詳細な計画を行い、法令や安全基準への対応も含めて専門家と連携することが不可欠です。コストと品質のバランスをとりながら、安心できる改修を目指しましょう。
エレベーター等修繕の支援サービス「スマート修繕」
- 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
- エレベータのリニューアル工事の支援実績は多数(過去1年で数百基、2025年2月現在)。特殊品である高速、油圧、リニア、ルームレスの実績もあり、社内にはエレベーター会社、ゼネコン、修繕会社など出身の施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
- 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。
電話で無料相談
24時間対応通話料・相談料 無料
お問い合わせ件数、数千組合様以上!
修繕のプロにぜひお任せください!!

Webから無料相談
専門家に
相談する
本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者
.png&w=640&q=75)
遠藤 七保
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。
二級建築士,管理業務主任者
お問い合わせ件数、数千組合様以上!
修繕のプロにぜひお任せください!!

Webから無料相談
専門家に相談する
24時間対応通話料・相談料 無料