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【マンション】パナソニックのインターホン交換で知っておくべき工事の段取りと費用

更新日:2025年07月31日(木)

本記事では、パナソニック製マンション用インターホンの交換を検討する管理組合の方向けに、パナソニックのインターホンに関する概要、交換工事の段取り(マンション特有の流れ)、費用の目安、そして注意すべきポイントを解説します。最後に、信頼できる専門家への相談方法についてもまとめていますので、マンションの安全・安心のための「インターホンリニューアル」にぜひお役立てください。

パナソニックのインターホンに関する概要

パナソニックはアイホンと並び、日本のマンション向けインターホン市場の約9割のシェアを占める主要メーカーです。同社のマンション用インターホンシステムは、エントランスのオートロックや各戸の室内親機、防犯センサーや火災警報装置などと連動し、24時間稼働し続けることで居住者の安全・利便性を支える重要な設備となっています。単なる「玄関の呼び鈴」ではなく、来訪者の映像確認・解錠、非常呼び出しへの対応、防犯カメラ・火災報知設備との連携など、多目的に活用される高度なシステムです。

インターホンの寿命と交換時期

インターホン設備にも寿命があり、メーカーや業界団体は設置後約15年を更新の目安としています。集合住宅用インターホンシステムは設置から15年を過ぎたら交換することが推奨され、その理由は経年劣化で故障や不具合が増えること、そしてメーカーの補修用部品保有期間が生産終了後7年と限られているためです。15年を超えて老朽化が進むと、突然インターホンが使えなくなる不測の事態を招くリスクが高まります。

実際、既存機種の生産終了から部品保有期限を過ぎると修理不能となり、故障した住戸はマンション全体のシステム交換までインターホンが使えなくなるケースも報告されています。そのため計画的に適切な時期でのリニューアルが重要です。

また、最新のインターホンへ更新すれば録画機能や留守中の通知機能、広角カメラや夜間のカラー映像対応などセキュリティ・利便性が飛躍的に向上します。古い設備では得られない安心・快適さを備えた新型機器への交換は、マンション全体の資産価値や居住者満足度の向上にもつながるでしょう。

パナソニックのインターホン交換で知っておくべき工事の段取り【マンション専用】

マンションでパナソニック製インターホンを交換する際には、(1) 管理組合による事前計画と予算確保、(2) 発注から施工までの十分な準備期間の確保、(3) 施工時の住民協力と安全対策、という3つの段取りが重要になります。これから順番にその理由を説明します。

管理組合による計画立案と予算確保が必要

マンションのインターホン設備は共用部分に該当するケースが多く、基本的に各住戸の判断で勝手に交換できるものではありません。エントランスの集合玄関機と各戸の親機が一体となったマンション全体のシステムであるため、原則として管理組合が主体となって全戸一斉に交換計画を立てる必要があります。まずはマンションの管理規約を確認し、インターホン設備が共用部分と位置付けられているか、各戸内機器の費用負担区分がどう定められているかを把握しましょう。規約上は各戸のインターホン親機が専有部分とみなされる場合でも、機種を統一して一斉交換する方が1戸あたりのコストを抑えられ、システムの整合性も保てるため、実務上は管理組合主導でまとめて更新することが望ましいとされています。

また、マンション全体でインターホンを更新するには多額の費用が伴うため、資金計画と組合決議の準備も不可欠です。多くのマンションでは長期修繕計画の中でインターホン更新の時期目安(15年程度)と費用積立が検討されていますが、いざ実施となれば総会での議決が必要になる場合があります。特に工事費が数百万円以上と高額になることや、修繕積立金を充当する場合には、区分所有法や管理規約に従い所定の決議を経ることが求められます。費用負担の考え方はマンションにより様々ですが、一般的には共用部分であるエントランス設備等は管理組合負担、各戸内の親機交換費用は各区分所有者負担とするケース、あるいは全て修繕積立金から組合負担とするケースがあります。

いずれにせよ、まず総事業費の見積もりを把握し、必要な資金を確保する計画を明確化することが重要です。マンションのインターホン交換工事費用は建物規模や機器仕様によって異なりますが、概ね1戸あたり10~18万円(税別)が相場であり、全戸では数百万円~数千万円規模の工事となります。このため、適切な時期に備えて修繕積立金を計画的に蓄えておき、総会で予算承認を得た上で進める段取りが欠かせません。

発注から施工まで十分なリードタイムを確保する必要がある

インターホン設備の更新工事を円滑に進めるには、機器の調達期間も考慮したスケジュール計画が重要です。パナソニックを含め各社のマンション用インターホンシステムは一般的に受注生産品であり、在庫品ではありません。メーカーへの発注から納品までには通常数ヶ月(おおよそ2~4ヶ月程度)を要するため、工事実施の時期から逆算して十分な準備期間を確保する必要があります。例えば「来年度中に交換工事を完了したい」という場合、少なくとも半年前までには機種の選定・見積もり取得を終え、メーカーや施工業者への発注手配を完了しておくのが安全です。余裕をもったスケジュールで計画を立てておけば、仮に納期が変動した場合でも柔軟に対応でき、居住者への周知期間も確保できます。

併せて、工事業者の選定も早めに着手すべき重要なステップです。インターホン交換工事では、管理会社が提携する電気工事業者やメーカー系列の施工業者などから提案を受けることになります。ここで注意したいのは、業者選定に時間をかけすぎると発注時期が遅れて工期に影響する一方、拙速に決めてしまうと割高な契約となりかねない点です。したがって複数社から相見積もりを取りつつ、価格だけでなく実績や信頼性を比較検討して適切な施工業者を選定することが求められます。

特にパナソニックのインターホンは国内シェアが高いため、メーカー系以外にも多くの業者が施工可能です。管理組合側で情報収集し、代理店等中間マージンの少ない業者やサービス品質の高い業者を検討すると良いでしょう。見積もり取得から契約・発注までのプロセスを余裕をもって進め、納品待ちの期間も含めて全体工程にゆとりを持たせることがスムーズな工事実現のポイントです。

施工期間中の住民協力と安全確保の計画が必要

インターホン交換工事の段取りでは、実際の施工段階での居住者対応と安全対策についての計画も欠かせません。マンション全戸の親機を取り替えるには各住戸内での作業が必要になるため、各居住者の立ち会いや日程調整が不可欠です。たとえば50戸規模のマンションであれば、各戸のインターホン交換に要する作業時間は1戸あたり約40分~1時間程度で、エントランスや管理人室など共用部の工事に2日間程度、加えて専有部の施工に5日間ほどを要するのが目安です。当然ながらその間、作業員が各部屋に入室するため、住戸ごとに在宅日時の調整と住民の立ち合いが必要となります。「平日は不在世帯が多い」「日中は留守にしがち」といった事情にも配慮し、施工業者と協力して事前にアンケートや希望日の聞き取りを行う、土日や夜間枠・予備日を設定する、棟やフロアごとに日程を分散する等、全住民にとって負担の少ない計画とすることが望ましいでしょう。工事日程表を作成して各戸に配布し、問い合わせ窓口を案内するなど、住民との十分なコミュニケーションを図ることが大切です。

さらに、工事期間中のセキュリティ対策についても綿密に計画する必要があります。インターホンシステムを停止・交換している間は、エントランスのオートロックや非常通報機能、火災警報の連動などが一時的に使えなくなる場合があります。例えば作業中は来客の呼び出し音が各戸で鳴らない、エントランス自動ドアの電子錠を解錠できない、火災発報時に管理室や警備会社への自動通報が作動しない、といった制限が生じる可能性があります。これらに対処するため、事前に全居住者へ工事期間と影響範囲を周知し、「○月○日~○日はインターホン交換工事のため非常ボタンによる警備会社への自動通報が停止します」「期間中の緊急連絡先(管理会社や警備員直通)はこの番号です」など、万一の場合の対応策を掲示・配布しておきます。必要に応じて工事期間中だけ警備員を増員配置する、代替の一斉連絡手段を用意する、管理人が常駐して巡回する等の措置を講じると、住民の不安を和らげ安全性を維持できます。

パナソニックのインターホン交換で注意すべきこと

マンションのインターホン設備リニューアルを成功させるために、以下の3点には特に注意が必要です。適切な時期に計画を進め、信頼できる業者選びと住民への十分な配慮を行うことで、トラブルを防ぎ円滑な工事を実現できます。

注意1:交換時期を先延ばしにしない(適切なタイミングで実施)

インターホン交換は「まだ使えるから」と先送りせず、適切な時期に実施することが肝心です。前述のように耐用目安は約15年であり、この時期を過ぎると機器の故障率が高まるだけでなく、メーカーの部品在庫が尽きて修理不能となるリスクが生じます。実際に、古いマンションではインターホンが故障してメーカーに修理を依頼しても「生産中止のため部品がなく修理不可」と断られるケースが報告されています。

またオートロック式システムの場合、どこか1戸の親機が壊れても全戸で同時交換するまでその住戸はインターホンを使えない状態になってしまうこともあります。このような最悪の事態に陥る前に、計画的な更新を検討すべきです。パナソニックなど主要メーカーも「設置後15年を過ぎていたらお取替えをおすすめします」と公式にアナウンスしており、最新型へのリニューアルによって防犯性・利便性が向上し安心して来客応対できるとしています。老朽化によるインターホン不通は防犯上のリスクにも直結しますので、交換時期を先延ばしにせず、適切なタイミングで更新工事に踏み切りましょう。

注意2:見積もりは複数取得し、信頼できる業者を選定する

インターホン交換工事の発注先を決める際は、必ず相見積もりを取り複数の提案を比較検討するようにしましょう。管理会社から紹介された1社だけの見積もりで即決してしまうと、競争原理が働かず割高な契約となる傾向があります。事実、「管理組合が無知なのに乗じて高額な機種を押し付けられそうになった」「複数社から見積もりを取った結果、数百万円規模のコストダウンに成功した」といった事例もあります。パナソニック製だからといってメーカー系列業者に限定する必要はなく、他メーカー製品も選択肢に含めて相見積もりを取ることが、安価にリニューアルを行う秘訣です。実績豊富な信頼できる業者であれば、現地調査の上でマンションに最適な機種と工事プランを提案してくれるはずです。その中から価格だけでなく提案内容やアフターサービス体制も考慮して総合的に判断し、施工パートナーを決定しましょう。

なお、見積もり比較の際には工事範囲や機種仕様を統一しておくことも大切です。例えば「既存配線を流用する工法か」「防犯カメラや非常警報との連動は含むか」など条件が業者ごとに異なると価格の単純比較ができません。条件を合わせた上で費用明細を精査し、不明瞭な項目は質問してクリアにするよう心がけてください。また、極端に安すぎる見積もりにも注意が必要です。人件費を削り過ぎて手抜き工事になったり、後から追加費用を請求されたりする恐れもあります。適正価格の範囲で信頼できる業者かどうか、過去の施工実績や口コミ、担当者の説明対応なども参考に総合評価しましょう。

注意3:居住者への周知徹底とセキュリティ維持に配慮する

インターホン交換工事を安全・円滑に進めるには、事前準備として居住者全員への周知徹底が欠かせません。工事の日時や内容、当日の在宅・立ち会いのお願い、インターホンが使えない時間帯とその影響、非常時の連絡方法などを具体的に伝え、各家庭で認識してもらうようにします。特にオートロックや非常通報が停止する場合は、防犯上の懸念がありますので「工事期間中は玄関ドアを施錠したままにする」「非常時は○○へ直接連絡する」といった対処法をあらかじめ通知しておきます。管理組合や管理会社は、掲示板への告知や回覧、郵送物の配布などあらゆる手段を使って情報伝達し、周知漏れがないよう努めましょう。あわせて、工事期間中はエントランスの出入り管理や非常時対応に配慮した安全策を講じます。例えばオートロックが停止する時間帯にはエントランスに管理員や警備員を配置したり、仮設のインターホンやチャイムで来訪者対応を行うなど、可能な範囲でセキュリティ低下を補完します。消防設備や警備会社との連携があるマンションでは、工事日程を事前に通知し必要なら一時的な代替措置について相談しておくことも大切です。

実際の工事では、古い集合玄関機(オートロック親機)を撤去して新しい機器を設置している最中、来訪者への案内表示を掲示します。古い玄関パネルを外した直後から新しいパネル設置までの間、一時的にオートロックと呼び出し機能が使えなくなるため、「工事中につきインターホン不通:来訪者の方は○○へご連絡ください」と書かれた貼り紙を掲示します。このように居住者だけでなく来訪者にも現場で状況を周知し、必要な連絡手段を案内する配慮が重要です。マンションの管理担当者は工事業者とも連携し、掲示物の準備やチラシ配布を徹底して、工事期間中の混乱やセキュリティ低下を最小限に抑えましょう。些細なことに思えても、このような周到な配慮が「安全で円滑なインターホン交換工事」の成功につながります。

まとめ:まずは専門家に相談しよう

パナソニックのマンションインターホン交換は、老朽化対策として避けて通れない大規模リフォームの一種ですが、高額な費用や合意形成、技術的な検討事項など管理組合にとってハードルの高いプロジェクトでもあります。だからこそ、まずは経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。インターホン設備やマンション管理に詳しい専門家であれば、中立的な立場から計画立案や見積もり比較のサポートをしてくれます。専門家の協力を得ることで、工事の段取りや費用面で管理組合の負担を大きく軽減できます。また法律や技術に関する的確なアドバイスにより、見落としがちなリスクにも事前に対処できるでしょう。

インターホン交換は決して安い買い物ではありませんが、安全・安心という価値への投資です。後悔のないリニューアルを実現するためにも、計画初期の段階で専門家に相談しながら進めることが肝要です。マンションの規模や現在のシステム状況に応じてベストな方法を提案してもらい、住民皆が納得し安心できる形でインターホン設備を一新しましょう。必要に応じてメーカー(パナソニック)の相談窓口や実績ある業者の意見も取り入れつつ、ぜひ万全の準備でプロジェクトを成功させてください。

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  • 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
  • インターホンのリニューアル工事の支援実績は多数(過去半年で数千戸分、2025年1月現在)。数百戸の多棟型マンションでの実績も複数。社内にはゼネコン、デベロッパー、修繕コンサルティング会社、修繕会社、管理会社出身の建築士、施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
  • 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。インターホンのメーカー系のを含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

佐藤 龍太

佐藤 龍太

不動産会社および管理会社にて、マンションやビルの修繕・管理業務に長年従事。マネージャー職を歴任し、これまでに300件近い修繕工事に携わる。特にインターホン設備においては、年間3,000戸以上(2025年現在)の見積取得を行うなど、設備改修の実務に精通。豊富な現場経験と管理業務の知見を活かし、マンション修繕に関する実践的かつ専門的な視点で記事を監修。

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