アパートのインターフォンが鳴らないときに確認すべきこと|壊れたときはどうすればよい?
更新日:2025年02月07日(金)
アパートやマンションなどの共同住宅では、インターフォンが鳴らないトラブルは、入居者からの問い合わせが多い設備の不具合の一つです。インターフォンが鳴らないと訪問者に気づけず宅配便の受け取りができなかったり、防犯面で不安を感じたりする入居者が増えると、建物の満足度の低下にもつながりかねません。 アパートのインターフォンが鳴らないといった不具合は、経年劣化や設備の故障が原因で発生することが多く、適切な対応が求められます。 本記事では、アパートのほか、区分所有マンションや賃貸マンションのオーナー向けにも記述します。アパートやマンションのインターフォンが鳴らない場合に、オーナーとして確認すべきポイントを3つに分けて解説し、修理や交換を検討する際の注意点についてもご紹介します。インターフォン設備の維持管理や更新をスムーズに進めるための参考にしてください。
- 本記事のポイント
- インターホンが鳴らない場合に考えられる原因や対処法がわかる。
- 修理すべきか交換すべきかの判断基準が明確になる。
- インターホン交換にかかる費用や、コストを抑える方法が理解できる。
電話で無料相談
受付時間9:30~18:00土日祝日も対応
Webから無料相談
専門家に相談する
アパートのインターホンが鳴らないときに確認する3つのポイント
インターホンはアパートやマンションなどの共同住宅の共用設備として設置されているケースが多く、入居者個人の所有物ではありません。そのため、入居者からの問い合わせがあった際は、以下の情報を整理しましょう。
電池切れや電源の確認
近年、インターホンは壁に埋め込まれたタイプで電源直結が一般的です。しかし、築年数が古く、インターホンの種類によっては、電池で動作している場合があります。電池切れはあまりないケースですが、取扱説明書やメーカーのサイトで、電池式のインターホンかどうかを確認しましょう。
個別の部屋だけか、全体のトラブルかを確認
どの部屋のインターホンが鳴らないのかを確認します。1戸だけの問題なら個別機器の故障の可能性が高いといえるでしょう。他の部屋のインターホンが鳴るかどうかも確認し、複数の部屋で鳴らない場合は、共用設備の不具合やシステム全体の故障が疑われます。
アパートなどの共同住宅のインターホンは、「集合住宅システム(オートロック式)」と「住戸完結システム」の2パターンがあり、それぞれのシステムで修理方法が異なります。
「集合住宅システム(オートロック式)」

アパートやマンションなどの共用部であるエントランスにオートロック式の集合玄関機が設置され、各住戸の室内に連動したインターホンが備え付けられています。室内でエントランスの呼び出しに応えたり、エントランスのロックを解錠することができる仕組みです。集合住宅システムは、建物全体でひとつのシステムになっているため、各住戸で個別に新しいインターホンに交換することができません。集合住宅システムでは、自動火災報知設備などと連携させている場合もあります。
「住戸完結システム(玄関ドアのみ)」

各住戸の玄関外に子機を設置する独立したインターホンです。アパートやマンションの共用部であるエントランスには、オートロック式の集合玄関機が設置されていません。集合住宅システムとは異なり、配線工事が不要なワイヤレス(無線)インターホンを自分で交換するなど、各住戸で新しいインターホンに交換できる場合があります。
ただし、住戸ごとに交換する場合、室内親機と玄関子機は機種ごとに互換性があるため、どちらか一方のみを交換することはできません。交換が必要となる際には、両方を交換する必要があります。
インターホンの耐用年数を確認
インターホンにも耐用年数があり、一般社団法人インターホン工業会によれば、集合住宅用インターホンシステムの更新期間の目安は15年とされています。一般的に10〜15年程度が交換の目安となり、アパートやマンションの築年数が古い場合、インターホン自体も老朽化している可能性があります。
交換の目安となる10~15年を経過すると、経年劣化により故障発生率が高まり修理回数が多くなったり、突然の故障や万一の緊急時に作動しないといったリスクがあります。
インターホン故障で修理・交換が必要なケースとその対応策
修理で対応できるケース
配線の接触不良や軽微な故障であれば、修理で解決できる可能性があります。まずはメーカーに問い合わせ、部品交換で修理が可能か確認しましょう。
交換が必要なケース
インターホンが古くなると、メーカーで製造を終了している場合が多く、修理が難しくなります。その場合は交換が必要になります。一般的に、各インターホンメーカーの修理部品の保有期間は生産終了後7年とされています。この期間を過ぎると、故障時に修理対応ができなくなる可能性があるため注意が必要です。
特に、能美防災(NOHMI)のインターホンはすでに生産が終了しているため、故障すると修理ができません。能美防災のインターホンを使用しているアパートやマンションでは、早めの交換を検討することをおすすめいたします。
入居者対応のポイント
インターホンの不具合を放置すると、賃貸の場合は入居者の満足度の低下や退去リスクにつながる可能性があります。インターホンの修理・交換のスケジュールを明確にし、入居者へ適切に情報提供を行いましょう。
※インターホン設備を更新する際、インターホン機器は受注生産となります。主要メーカーのパナソニックとアイホンともに発注から納品までに約3ヶ月かかるため、計画的に発注し、工事スケジュールを余裕をもって調整することが重要です。
アパートのインターホンを交換するときの費用相場
目安は戸あたり税別10~18万円となります。
※インターホンの種類や機能、化粧パネルの設置の有無、アパートやマンションの規模などにより異なります。特に、高性能な製品に交換する場合や、古い既存のインターホンシステムから新しいインターホンシステムへ交換する際には高額になることがあります。
修理で対応できる場合の費用は、おおよそ以下の通りです。
専有部(室内親機、副親機、ドアホン子機):10,000円程度(税別)
共用部(集合玄関機、制御装置など):20,000円程度(税別)
修理が可能かどうかを確認したうえで、費用対効果を考慮し、交換も視野に入れて検討することをおすすめいたします。
賃貸アパートやマンションのインターホン交換のコストダウン方法
インターホンを交換する際のコストダウン方法について解説します。
管理会社や既存工事会社から提案されるインターホンメーカー(機種)や工事内容以外に、オーナー自身で複数の工事会社から相見積もりを取得することがポイントです。
見積もりを取得するにあたっては、適切な工事会社の選定が大切であり、そのポイントは下記の2点となります。
【流通に無駄がない工事会社であること】
インターホン交換の商流は、代理店(0~複数)⇒ 工事会社 ⇒ 管理会社 ⇒ 発注者であるオーナーの流れとなっているケースが多く、流通階層が多ければその分コストがアップしてしまいます。
【しがらみがない工事会社であること】
広い業界とは言えず、管理会社や既存工事会社との関係性より、適正に見積もることができないという状況が少なからず発生してしまいます。
弊社「スマート修繕」では、一次代理店兼工事会社である事業者を複数ご紹介することが可能であり、適切な相見積もりの支援やコストダウンの実現が可能となっております。
インターホン等修繕の支援サービス「スマート修繕」
- 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
- インターホンのリニューアル工事の支援実績は多数(過去半年で数千戸分、2025年1月現在)。数百戸の多棟型マンションでの実績も複数。社内にはゼネコン、デベロッパー、修繕コンサルティング会社、修繕会社、管理会社出身の建築士、施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
- 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。インターホンのメーカー系のを含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。
電話で無料相談
受付時間9:30~18:00土日祝日も対応
Webから無料相談
専門家に相談する
こちらもおすすめ
本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者

別所 毅謙
マンションの修繕/管理コンサルタント歴≒20年、大規模修繕など多くの修繕工事に精通。管理運営方面にも精通しており、アドバイス実績豊富。 過去に関わった管理組合数は2千、世帯数は8万を超える。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「NIKKEI NEWS NEXT」、「首都圏情報ネタドリ!(NHK)」、「めざまし8」、「スーパーJチャンネル」。
二級建築士