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マンション配管経路の確認方法:スラブ下配管の見分け方

更新日:2026年02月19日(木)

マンションの配管経路を正確に把握することは、漏水事故の防止や高額な修繕費用の発生を抑えるために、管理組合にとって重要な課題です。 本記事では、スラブ下配管かどうかを見分けるための具体的な確認方法を、竣工図の読み方から現地調査のポイントまで詳しく解説します。スラブ下配管の物件では維持管理や更新工事にかかる費用負担が大きく変わるため、早めの確認と長期修繕計画への反映が求められます。

本記事のポイント
  • スラブ下配管の特徴とスラブ上・吊り配管との違いが理解できる。
  • 図面・現地調査による配管経路の確認方法が具体的にわかる。
  • 配管方式が維持管理や更新費用、長期修繕計画に与える影響が明確になる。

スラブ下配管とは?スラブ貫通配管・吊り配管との違い

一般的なマンションでは、各住戸の床スラブ上の床下空間に配管を通す床スラブ上配管が主流です。上階床のコンクリートスラブ上に横引き排水管があり、そのまま住戸内の床下を経由して共有の縦管につながる構造です。そのため各住戸の排水管(横引き管)は専有部分内に収まり、リフォーム時に区分所有者が自費で更新できる範囲となっています。なお、この方式ではキッチンや浴室など水回りの間取り変更も比較的容易です。

一方、築年数の古いマンションなどでは住戸内に床下空間がなく、排水の横引き管を下階の天井裏に通すスラブ下配管(床スラブ貫通配管とも呼ばれます)が採用されているケースがあります。これは上階住戸の床仕上げの直下にコンクリートのスラブがあり、その下側(下の階の天井裏空間)を排水管が横方向に通る構造です。

吊り配管とは、このように天井から吊りボルト等で支持して天井裏に配管を通す施工方式のことで、スラブ下配管は配管を下階の天井側で吊り下げている点で吊り配管の一種と言えます。スラブ下配管では上階住戸から横引き管のメンテナンスができず、配管が通る下階側の天井を剥がさないと修理や交換ができません。そのため、この部分の配管は通常共用部扱いとなり、更新工事は管理組合の負担で実施することになります。

図面による配管経路の確認方法

マンションの竣工図や設備図面を入手できれば、そこから給排水配管の経路や方式を確認できる可能性があります。まず図面集から「設備詳細図」「配管図」などの該当箇所を探し、以下のポイントをチェックしましょう。

床構造の種別

各住戸の床が二重床か直床(コンクリート直貼り)かを確認します。二重床であれば床下に空間があり配管を通せますが、直床の場合は床下に空間がなく配管経路が限定されます。

排水管の通り方

排水の横引き管が床スラブを貫通しているか(スラブ下配管の可能性)や、床スラブ上を通っているか(スラブ上配管の可能性)を図中の断面記号や配管の描き方から読み取ります。断面図があれば、床スラブと配管位置の関係が示されていることもあります。

パイプスペース(PS)の位置

図面上で「PS」「パイプシャフト」などと記載された縦配管スペースの位置を確認します。各住戸の排水横引き管がどこで縦管に接続しているか把握できます。

配管の材質・更新履歴

図面の凡例や設備表に配管素材が記載されていれば、老朽化の度合いを推測できます。また長期修繕計画書や図面注記に、過去の配管更新工事の記録があるかも確認しましょう。

図面を確認する際は、専門知識がないと読解が難しい場合もあります。また、過去に住戸内リフォーム等で配管経路が変更されていると、竣工図と現況が異なることもある点に注意してください。

点検口や現地調査による見分け方

図面だけで判然としない場合や、そもそも図面が手元にない場合は、現地で直接配管経路を確認する方法もあります。まず各住戸のパイプシャフト(PS)を開けて、中にある排水管を観察してみましょう。通常、床スラブ上配管のマンションでは各住戸のPS内に横引き排水管(上階住戸からの分岐管)が見えるはずです。もしPS内に横引き管が見当たらない場合は、代わりにPS上部(天井付近)を見上げてみてください。PS天井部で上階からの排水管が接続されているのが見える場合、上階の横引き管が床スラブ下を通っている(=スラブ下配管になっている)可能性があります。

また、各住戸内の天井点検口も有効な確認手段です。とくに浴室ユニットバスには点検口が設けられている場合が多いので、その蓋を外して中をのぞいてみてください。もし点検口から排水の横引き管が見えていれば、その住戸はスラブ下配管であると判断できます。逆に点検口を開けても配管が全く見えない場合は、配管が床スラブ上(つまり床下空間)にある可能性が高いでしょう。

点検口がない物件や、更に詳しく現況を調べたい場合は、専門業者に調査を依頼することを検討します。経験豊富な業者であれば、必要に応じて床や天井の一部を開口して構造を確認したり、ファイバースコープ(内視鏡カメラ)で配管内部を調べることも可能です。ただし、下階天井を開ける調査が必要な場合は居住者同士の調整が必要になるため、管理組合として計画的に進めるようにしましょう。

管理会社・専門業者への依頼方法と確認時の注意点

マンションの配管構造について自力で判断が難しい場合は、管理会社や専門業者に相談・調査を依頼する方法が確実です。まず管理組合としてマンションの図面や設備台帳類を管理会社に確認し、必要な資料を入手できないか問い合わせてみましょう。管理会社は建物全体の維持管理情報を持っていますので、以下の点を教えてもらえる可能性があります。

・竣工時の詳細図書の保管状況(閲覧やコピーが可能か)

・マンション全体の排水管構造(おおよその配管方式の把握)

・共用部である縦排水管の配置や材質などの情報

・給排水設備に関する過去の修繕履歴(共用部配管の更新工事履歴など)

・専有部内配管工事に関するルール(リフォーム時の配管工事申請手順や負担区分など)

管理会社から十分な情報が得られない場合や、現地での詳しい確認が必要な場合には、建築設備に詳しい専門業者や配管調査会社に現地調査を依頼することを検討しましょう。調査を依頼する際は、事前に各住戸の協力体制を整えることも大切です。下階天井裏の確認が必要になれば当該住戸の承諾と立ち会いが必要ですし、調査後に天井や床を元通り復旧する費用負担の取り決めもしておくべきです。

また、業者選定にあたってはマンション配管の更新・更生工事の実績が豊富な専門会社を選ぶと、調査から今後の工事提案まで一貫して的確なアドバイスを受けられるでしょう。

配管方式による維持管理・更新費用への影響

配管経路がスラブ下かスラブ上かによって、将来的な維持管理費用や更新工事の規模には大きな差が生じます。各住戸の排水横引き管が専有部内(床スラブ上)に収まっている場合、老朽化したときに各区分所有者がリフォームに合わせて配管交換することも可能で、工事範囲は基本的に自室内に限定されます。

しかし、スラブ下配管の場合、老朽化した横引き管の交換は管理組合主体の工事となり、下階住戸の天井を開口して作業せざるを得ません。このため工事費用も高額になりがちで、実際にスラブ下配管のマンションでは修繕積立金が不足して配管更新工事に踏み切れず困っている管理組合も少なくないのが実情です。工事では居住者への影響も大きく、下階の天井解体・復旧工事や仮住まいの手配が必要になるケースもあります。

また、配管更生工法(ライニングなど内面補修)の選択肢にも、配管形式が影響します。床下空間のないスラブ下配管では、更生工事であっても作業箇所によっては下階天井や床に開口が必要となる場合があります。一方、床下空間が十分ある二重床構造のマンションであれば、更生工事や配管の部分更新も比較的短工期・低コストで実施できる可能性が高いです。こうした違いにより、配管方式の違いが長期的な維持管理コストに直結することを管理組合は認識しておく必要があります。

長期修繕計画への反映と今後の対策

マンションの長期修繕計画を策定・見直しする際には、配管の更新時期と費用を適切に織り込むことが重要です。国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」でも、築後30〜40年程度での排水管更新工事の実施を想定するよう示されています。ところが竣工時から一度も長期修繕計画を更新していないマンションでは、この配管更新工事が計画に盛り込まれていない場合もあるため注意が必要です。管理組合は自主管理物件であっても専門コンサルタント等の協力を得て、共用排水管やスラブ下配管部の更新時期・費用を見積もり、計画的に修繕積立金を積み立てる必要があります。

さらに、スラブ下配管が共用部分と判定されることで生じる負担区分の問題にも対応しておきましょう。過去の判例(最高裁判例)では、上階住戸専用の排水横引き管であっても下階天井裏を通るスラブ下配管であれば「専有部分に属さない建物附属物=共用部分」に当たると判断されました。この結果を受けて国土交通省の標準管理規約にも補足改正が行われ、床下配管方式による区分所有法上の区分が明確化されています。

管理組合としては、仮に専有部分内の配管であっても更新工事を修繕積立金から支出する場合には、あらかじめ管理規約で定めておくなどの対応が必要です。加えて、一部の区分所有者が先行して専有部分配管を自費更新していたようなケースでは、のちに管理組合で一斉更新工事を行う際の不公平感にも配慮し、議論を重ねて合意形成を図ることが望まれます。

最後に、配管の劣化状況は定期点検や高圧洗浄などで継続的に把握し、必要に応じて更新時期を前倒しする柔軟性も持たせましょう。配管経路の把握と適切な長期修繕計画は、マンションの資産価値と居住者の安心安全を守るうえで欠かせない取り組みです。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

二級建築士,管理業務主任者

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