マンション管理組合でよくあるトラブル5選
更新日:2025年09月29日(月)
マンション生活は便利で快適ですが、多くの人々が共同で暮らすため、マンション管理組合ではさまざまなトラブルが発生しがちです。特に騒音や無断駐車、ペット飼育、ゴミ出し、そして管理費の滞納といった問題は全国のマンションで頻繁に起こっています。 本記事では、マンション管理組合でよくあるトラブル5つを取り上げ、その概要や背景、起こりやすい理由、住民への影響、そして予防策や対処法について解説します。マンションのトラブルに悩んだときも、適切な知識と対処法を知っていれば安心です。ぜひ参考にして、快適で安心できるマンション生活にお役立てください。
- 本記事のポイント
- 騒音・駐車・ペット・ゴミ・滞納という典型的なトラブル例がわかる。
- 各トラブルの背景や住民間の誤解要因を学べる。
- 効果的な予防策や対処法を押さえることで対応力が身につく。
1. 騒音トラブル
上の階から響く足音や隣室のテレビ音など、騒音トラブルはマンションで最もよくある問題です。上下左右に他の住人が住む集合住宅では完全な防音が難しく、「子どもの足音が響く」「テレビの音量が大きい」など生活音に関する苦情が起こりやすい傾向があります。
国土交通省の調査でも、マンション内トラブルのトップは生活騒音であると報告されています。騒音がトラブルになる背景には、人それぞれで感じ方の違いがあることが挙げられます。「自分では気にならない音量」でも他人にはうるさく感じられることが多々あり、この感覚のズレが原因でなかなか折り合いがつかなくなるのです。
建物の構造上、生活音はどうしても伝わってしまいます。音には空気中を伝わる空気音(人の話し声やテレビ・楽器の音など)と、床や壁を振動して伝わる 固体音(足音や物を落とす音、給排水管の流れる音など)があります。空気音は防音カーペットや壁材である程度軽減できますが、固体音は広がりやすく完全に防ぐのが難しいため、騒音トラブルにつながりやすいです。また生活時間帯の違いも一因です。早朝や深夜に動き回る生活パターンの人と、静かに休みたい人が同じ建物にいれば、どうしても不満が生じがちです。
騒音トラブルは住民の精神的ストレスを大きくします。「寝たいのに上階の物音で眠れない」といった状況が続くと、疲労や怒りが蓄積し、人間関係の悪化にもつながります。最初は小さな不満でも、放っておくと感情的な対立に発展し、長期的な近隣トラブルになりかねません。中には「隣がうるさいから仕返しにこちらも大きな音を出す」といった悪循環に陥るケースもあり、事態がさらに悪化する恐れもあります。
日頃からお互いに生活音へ配慮することが一番の予防策です。例えば遮音マットを敷いて足音を和らげる、夜間の掃除機使用や大音量のテレビ鑑賞を控える、といった心遣いが効果的です。
もし生活音が気になる場合は、感情的な対立を避けるためにも、まずは冷静に状況を見極めることが重要です。直接本人に注意するのではなく、初期対応として管理会社へ相談するという方法があります。管理会社では、必要に応じて「生活音にご配慮ください」といった注意喚起の文書を掲示板に掲示したり、全戸に配布したりするケースがあります。これにより、特定の誰かを名指しすることなく、全体に注意を促すことができます。
ただし、管理組合や理事会は、原則として個人間のトラブルには積極的に介入しない立場です。また、管理会社との契約内容によっては、個人間の問題には対応しない旨が明文化されている場合もあります。そのため、管理会社による掲示や文書配布などの対応が初期段階での限度となることが一般的です。
一方で、騒音がマンション全体に響いている場合や、複数の住戸から苦情が寄せられるようなケースでは、管理組合や理事会が管理会社へ対応を依頼することもあります。こうしたケースでは、管理会社が再度注意喚起を行ったり、必要に応じて専門業者による調査を検討したりすることもあります。
大切なのは、「お互い様」という気持ちを忘れずに、早めに冷静に対処することです。生活音は完全には避けられないものですが、ちょっとした配慮や工夫で、トラブルを未然に防ぐことができます。
2. 駐車場・駐輪場トラブル
マンションの駐車場や駐輪場をめぐるトラブルも非常によく起こります。例えば「契約者ではない車が自分の駐車スペースに無断で停められている」「決められた場所以外に自転車が放置されて通路の邪魔になっている」といったケースです。マンション敷地内の無断駐車・無断駐輪は後を絶たず、駐車場トラブルは発生件数の多い問題の一つです。
駐車場のトラブルが起きやすい背景には、「少しの時間だけなら大丈夫だろう」という一部住人や訪問者の油断があります。駐車スペースは常に人の目があるわけではないため、「今なら誰も見ていないから」「自分一人くらいルールを破っても問題ないだろう」と考え、つい無断駐車・駐輪してしまう人がいるのです。
またマンションの敷地は私有地のため、公道と違って警察がすぐには介入できないという事情もあります。そのため、違反車両があっても強制的に移動させるハードルが高く、トラブルが長引きやすい面があります。無断駐車されてしまった人にとっては大きな迷惑で、帰宅しても自分の車を停められず近くの有料駐車場を探す羽目になった、という声も聞かれます。
他人の勝手な駐車・駐輪によって、本来スペースを使うべき人が使えないのは深刻なストレスになります。車の場合、自分の駐車区画に停められると自宅に車を置けず不便ですし、安全面の問題もあります。決められていない場所に車両があると視界が遮られて事故を誘発したり、ゴミ収集車や救急車が通れなくなる可能性もあります。
また駐輪場でも、無秩序に置かれた自転車が通路を塞いで高齢者や子どもが転倒しそうになったり、他人の自転車を倒して傷つけるといったトラブルにつながります。こうした問題は居住者の安心・安全な暮らしを妨げ、マンション全体の雰囲気も悪くしてしまいます。
そこで、管理組合として取れる対策はいくつかあります。
注意喚起と監視強化
無断駐車が発生しやすい場所には、「無断駐車禁止」の看板を設置したりコーンを立てたりして物理的に停めにくくする工夫が有効です。また防犯カメラの設置や巡回を強化し、「見られている」環境をつくることで違反の抑止になります。
許可証の発行
駐車場・駐輪場を正式に利用している車やバイク、自転車にはステッカーや許可証を発行し、外から見える場所に貼ってもらいましょう。許可証がない車両は一目で無断利用と分かるため、注意しやすくなります。
警告と記録
無断駐車・駐輪を発見したら、すぐに警告文を車のワイパーに挟むなどして注意を促します。ただし感情的なメッセージは逆効果なので、丁寧な言葉で冷静に注意しましょう。貼り紙を直接車にテープで貼ったりすると車両を傷つけてしまい、逆にトラブルになる恐れもあるので避けます。再発防止のため、発生日時や車のナンバーを記録しておくことも大切です。
悪質な場合は専門機関へ相談
繰り返し無断駐車する悪質なケースでは、管理会社や法律の専門家に相談することも検討しましょう。マンションの規約違反として損害賠償を請求できる場合もありますし、敷地内への不法侵入として警察に相談できる可能性もあります。いずれにせよ、勝手な利用を黙認しない姿勢を示すことが大切です。
日頃から居住者全員で「自分たちのマンションを大切にする」意識を持ち、ルールを徹底することで駐車場・駐輪場トラブルは減らせます。困ったときは一人で悩まず、管理組合に早めに報告・相談しましょう。
3. ペット飼育をめぐるトラブル
マンションでのペットトラブルもよくある問題です。ペット可のマンションかどうかによって状況は異なりますが、どちらの場合でも注意が必要です。まずペット飼育禁止のマンションで無断で犬や猫を飼うことは明らかなルール違反で、大きな揉め事に発展します。
一方、ペット飼育可のマンションでも「鳴き声がうるさい」「共有部分での臭いや抜け毛が不衛生」「エレベーター内で粗相をした」など、飼い主のマナーを巡ってトラブルになるケースがあります。ペットを巡る問題は多くのマンションで見過ごせない課題となっています。
ペットトラブルが起きる背景には、ペットに対する住民それぞれの価値観の違いがあります。ペットを家族同然に考える人にとっては多少の鳴き声や臭いは気にならないかもしれません。しかし、動物が苦手な人やアレルギーのある人にとっては、ほんの少しの鳴き声や匂いでも深刻な苦痛になり得ます。このように感じ方が違う相手同士が同じ建物で暮らすため、お互いに思いやる気持ちとルールの遵守が不可欠です。また、「本当はダメだけど内緒で飼いたい」というモラルの欠如も原因になります。ペット禁止なのに隠れて飼育する人がいると、ルールを守っている他の住民との信頼関係が崩れてしまいます。さらに、一人が黙認されると「自分も飼っていいだろう」と考える人が出てきて問題が拡大する恐れもあります。
ペットトラブルはマンション内の人間関係を悪化させ、住環境の快適さを損ねます。例えば深夜に響く犬の鳴き声が原因で隣人同士が険悪になったり、エレベーター内のペットのニオイに苦情が出たりすると、日々顔を合わせるのも気まずくなってしまいます。また、ペット禁止のマンションで黙って飼育している場合、ルール違反への不信感から他の居住者が管理組合へ強い抗議を寄せることもあります。一軒家と違いマンションは共同生活空間ですから、ペット問題は当事者だけでなく周囲の住民全体に影響を及ぼす可能性があります。
ペットのトラブルを防ぎ、解決するためには以下のような対策が有効です。
ルール遵守の徹底
まず大前提として、マンションの管理規約でペット禁止なら絶対に飼わないことです。ルールを破れば管理組合から注意文の投函や面談など厳重注意を受けることになります。最終的には「ペットを他に預ける」「現在飼っている子に限り寿命まで飼育を認め、それ以降は飼わない」などの条件で合意せざるを得ないケースもあります。そうなる前に規約は必ず守りましょう。
現状に合ったルール整備
ペット禁止のマンションでも、実際には内緒で飼っている人が多い場合は規約が現実に合っていない可能性があります。その場合、住民アンケートを実施して多数の希望があれば、一定の条件付きでペットを認めるルール改正を検討するのも一つの方法です。ルールと実態を擦り合わせることで、違反者を減らしトラブルを予防できます。
マナー向上と自主的な組織づくり
ペット可のマンションでは、飼い主全員がマナーを守ることが求められます。リードをしっかり付ける、エレベーターでは抱きかかえる、共用部で排泄させないように散歩前にトイレを済ませる、といった配慮を徹底しましょう。また有志で「ペットクラブ」のようなグループを作るのも効果的です。ペットクラブとはマンション内の飼い主同士でマナー向上や情報共有を図る組織で、理事会とは別に自主的に運営されます。飼育者全員が参加し、「迷惑をかけない飼い方」をお互いチェックし合うことで、トラブルが起きにくい環境を作れるでしょう。
困ったときは専門家に相談
ペットを巡る感情的な対立が深刻化した場合、マンション管理士や弁護士など専門家に相談することも検討してください。第三者の立場から解決策を提案してもらうことで、こじれた問題も落ち着くことがあります。管理組合だけで対応が難しい時は無理せず外部の力を借りるのも大切です。
4. ゴミ出しルールをめぐるトラブル
マンションのゴミ出しトラブルも頻発する問題です。大勢の人が暮らす以上、「ゴミ捨ての曜日・時間を守らない」「分別ルールに従っていない」といったケースがどうしても出てきます。特に都会のマンションでは分別方法が細かく指定されていたり、収集日が週に一度しかない資源ゴミがあったりとルールが複雑です。「うっかり出し忘れた」「忙しくて決められた時間に出せなかった」など事情は様々かもしれませんが、結果としてルール違反のゴミが出てしまうとマンション全体に迷惑がかかります。
ゴミ出しトラブルの原因には、ルールの周知不足とモラルの問題の両方があります。新しく引っ越してきた方などは、地域やマンション独自のゴミ出しルールを十分に理解できていないことがあります。掲示板にルールは貼ってあっても細かい字だと高齢者には読みにくい、といった問題もあるでしょう。また分かっていても「忙しいから今回は仕方ない」と自分勝手な判断で規定外の時間にゴミを出してしまう人もいます。特に生ゴミは臭いや液漏れもあり、収集日以外に出されると不衛生で危険です。それを放置すると悪臭が広がり、カラスや野良猫がゴミを荒らす原因にもなります。このように、小さな気の緩みがマンション全体の環境悪化につながりかねません。
ゴミ出しルールが守られないと、まずマンションのゴミ置き場が汚くなります。袋が破れて生ゴミの汁が床に広がったり、仕分けされていないゴミが収集業者に持って行ってもらえず置き去りになることもあります。そうすると悪臭や害虫の発生で衛生面の被害を受けるだけでなく、「誰がルールを破っているのか?」と住民同士の疑心暗鬼も生まれてしまいます。特に毎日清掃してくれている管理人さんや当番の住民にとっては、マナー違反があると余計な手間が増えて大きなストレスです。また、外部の不審者がマンションのゴミ置き場に勝手に家庭ゴミや大型ゴミを不法投棄していくケースもあり、その対応に頭を悩ませる管理組合もあります。それを防ぐために監視カメラを設置したり鍵付きのゴミ置き場にするなど、余計なコスト負担が発生することもあります。
ゴミ出しトラブルを防ぐ基本は、ルールの徹底周知と監視・注意の継続です。
ルールの周知徹底
管理組合は全住民に対し、ゴミ出しのルールや曜日を定期的に案内しましょう。掲示板だけでなく、全戸に紙のお知らせを配布して注意喚起することが大切です。特にルール違反が発生した直後は良い機会です。「最近ゴミ出しマナー違反が見受けられます。改めてルールを守りましょう」といった内容を投函すれば、多くの人は気をつけてくれるでしょう。それでも改善されない場合、管理人が巡回して違反ゴミに張り紙で注意文を貼付する、ルール違反者を特定して個別に注意する(最終手段)など段階的な対応を取ります。
環境整備と工夫
ゴミ置き場自体の環境を整えることも効果があります。たとえばゴミ収集日の前夜以外はゴミ捨て場に鍵をかけて出せないようにする、監視カメラや人感センサーライトを設置してマナー違反や不法投棄の抑止を図るといった対策です。実際に鍵付きのゴミ置き場にしてから無断投棄が減ったマンションもあります。設備面の工夫でトラブル発生そのものを減らすことができます。
コミュニケーションを図る
ゴミ出しマナーは一人ひとりの協力が欠かせません。管理組合としてゴミ当番や美化委員を募り、住民参加型で環境美化に取り組むのも良い方法です。「ご苦労様」「いつもありがとう」といった声かけが生まれると、違反しにくい雰囲気になります。また、外国籍の方など日本の分別ルールに不慣れな住民がいる場合は、イラストや多言語表記で分かりやすい掲示を用意する配慮も有効です。全員で気持ちよく暮らすために、互いに声を掛け合えるコミュニティづくりも大切と言えるでしょう。
ゴミ出しは生活の基本です。ちょっとした心がけでトラブルは確実に防げます。もし決められた時間に出し損ねた場合は、自分で一時保管して次回に出すなど、ルールを破らず対応しましょう。管理組合も頭ごなしに叱るのではなく、「みんなが困らないように一緒に守りましょうね」という姿勢で臨むと、住民の協力を得やすくなります。
5. 管理費・修繕積立金の滞納トラブル
マンションでは、毎月管理費や修繕積立金といった費用を各住戸の区分所有者(オーナー)が支払います。これはマンションの維持管理や将来の大規模修繕のために必要な大切なお金ですが、残念ながら滞納(未払い)トラブルも珍しくありません。国土交通省の調査によれば、管理費や積立金の滞納が発生しているマンションは全体の約25%にも上ります。特に築年数が経過したマンションほど滞納が増える傾向があり、年月とともに積立金が値上げされ経済的に負担が重くなることが一因とされています。
滞納トラブルが起きる理由としては、大きく二つ考えられます。一つは経済的な事情です。リストラや収入減少などで家計が苦しくなり、やむを得ず管理費の支払いを後回しにしてしまうケースです。特に高齢の単身世帯で年金収入のみの場合、毎月の管理費負担が重荷になることもあります。また築古マンションでは修繕積立金が徐々に値上げされていくため、当初想定より支払いが増えてしまい払えなくなるという例もあります。
もう一つはモラルや認識の問題です。「管理費を少しくらい滞納してもすぐに支障は出ないだろう」「今月は使いすぎたから来月まとめて払おう」と安易に考えてしまい、深刻に受け止めていない人もいます。「数万円程度なら1ヶ月くらい放置しても大丈夫だろう」という油断があるのです。しかし滞納は積み重なるとあっという間に大きな金額になり、本人も支払いがますます困難になる悪循環に陥ってしまいます。
管理費や積立金の滞納は、マンション全体の運営に直接響きます。まず単純に収入が減るため、本来行うべきメンテナンスや修繕が遅れたり縮小したりする可能性があります。エレベーターの点検や共用部の清掃といった日常管理にも影響が出れば、居住環境の質が下がってしまいます。また滞納が長期化すると、その分を他の真面目に支払っている住民が補填しなければならなくなるケースもあります。マンションによっては、滞納者がいる場合に他の区分所有者全員で立替払いし、後から滞納者に請求するという取り決めになっていることもあります。しかしそれが続くと「なぜ自分たちが他人の分まで?」と不公平感から住民同士の不満が高まり、コミュニティの信頼関係が崩れてしまいます。さらに、管理費滞納者に対して訴訟など法的措置を取る事態になれば、精神的な負担や手間・コストも発生し、マンションのイメージも悪化しかねません。
滞納トラブルを防ぎ、健全な管理組合運営を維持するためにできることをまとめます。
早めの対処とルール作り
「少しぐらい後でいいだろう」は禁物です。滞納が判明したら放置せず早めに督促することが重要です。管理組合として、前もって「滞納が出た場合のルール(〇ヶ月滞納で文書督促、〇ヶ月超で法的措置検討など)」を定めておきましょう。そして規約に沿って、期日までに入金のない世帯にはまず文書や電話で支払いを促します。初期の小額のうちに対応すれば、本人も軌道修正しやすく深刻化を防げます。
相談窓口の周知
支払いが困難な事情がある場合、住民が早めに打ち明けられるような雰囲気づくりも大切です。管理組合や管理会社に相談すれば、分割払いや猶予措置など何らかの解決策を一緒に考えられる可能性があります。滞納者を最初から責めるのではなく、「困ったときはまず相談を」と周知しておくことで、手遅れになる前に対処できるケースもあるでしょう。
コミュニティの活性化
マンション内のコミュニティを普段から活発にし、お互いの顔が見える関係を築いておくことも予防につながります。日頃から挨拶や雑談がある関係性だと、お金を滞納して迷惑をかけることへの心理的ハードルが上がり、ルール違反を抑止できます。また万一滞納が発生しても、周囲が「あの人最近何かあったのかな?」と気にかけやすくなり、早めの働きかけにつながります。無関心な関係よりも、お互い支え合うコミュニティの方がトラブルは起きにくいものです。
法的措置も視野に
悪質な長期滞納者には、最終的に法的手段を検討せざるを得ない場合もあります。具体的には内容証明郵便で督促したり、簡易裁判所に支払督促を申立てたり、それでも払わなければ競売で部屋を差し押さえるなどの対応が考えられます。ただしこれはあくまで最後の手段です。そこに至る前に解決できるよう、管理組合として粘り強く対話と督促を行うことが望まれます。
管理費等の滞納問題はデリケートですが、マンション全体の維持に関わる重大な問題です。甘く見ずに毅然とした対応を心がけましょう。同時に、経済的に苦しい方への共感や支援の姿勢も忘れずに持ち、ルールと思いやりのバランスを取ることが円満解決への近道です。
まとめと安心して暮らすために
マンション管理組合でよく起きる5つのトラブル事例とその対処法を解説しました。どれも決して珍しいケースではなく、多くのマンションで見られるものです。大切なのは、問題が起きても一人で抱え込まず冷静に対処することです。まずは当事者同士で話し合い、それで解決しなければ管理組合の役員や管理会社に相談しましょう。管理組合は居住者が安心して暮らせるよう問題解決を手助けしてくれる存在です。注意喚起の掲示や第三者の仲介によって円満に収まるトラブルも多々あります。それでも解決しない深刻な場合は、警察や専門の弁護士などに相談することで打開できることもあります。
マンションは共同生活の場ですから、お互いマナーを守り助け合うことでトラブルの発生自体を減らすことができます。日頃から挨拶を交わし、困ったときは「お互い様」の気持ちで声を掛け合える雰囲気づくりが何よりの予防策と言えるでしょう。管理組合の運営に積極的に参加し、ルールやマナー向上に協力することが、安心で快適な暮らしにつながります。万一トラブルが起きても、本記事で紹介した対処法を思い出していただければ幸いです。
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本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者
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遠藤 七保
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。
二級建築士,管理業務主任者
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