給湯管で使用している銅管の交換費用は？気になる耐用年数や業者選定に役立つコツを伝授

マンションの給湯管（銅管）の交換に関する基礎知識

給水管と給湯管の違い

給湯管の交換において、まず知っておきたいのは給水管と給湯管の違いです。給水管は、冷水を供給する管であり、通常は錆びや劣化のリスクが低い耐久性のある素材が使用されます。一方、給湯管は温水を供給するための管です。給湯管は耐熱性が求められ、温度変化や圧力に耐えなければならないため、給湯管には耐腐食性や耐熱性に優れた素材が選ばれることが一般的です。給湯管は、長期間の使用や高温にさらされることで劣化が進みやすく、交換頻度が多くなる傾向があります。

給湯管銅管の特徴とメリット

給湯管に使用される素材について、銅管、ステンレス管、ポリエチレン管などがありますが、その中でも銅管は古くから多くの建物の給湯管に利用され、耐食性や耐熱性に優れているという特徴があります。また、銅は抗菌性があるため、水質を良好に保つ効果もあります。銅管は強度が高く、適切に修理メンテナンスをすれば長期間使用できますが、継手部分などにピンホール（小さい穴）が発生するリスクがある点には注意が必要です。

専有部の給湯管をリフォームする方法（自己負担／管理組合）

マンションの給湯管や給排水管の交換は、専有部分のみを自己負担で個別に行うよりも、共用部分と合わせて管理組合全体でリニューアルする方が、長期的なコスト削減に繋がります。個別の交換では、工事のスケールが小さくなるため、工事費用が割高になることが多いです。また、専有部分だけを交換しても、共用部分の配管が古いままだとトラブルのリスクが残り、再度工事が必要になる可能性があります。

管理規約には給湯管や給排水管交換などの費用負担について詳細が規定されています。管理規約はマンションごとに異なるため、具体的な費用負担のルールは各マンションの管理組合の管理規約を確認する必要があります。この規約には、共用部分の範囲、専有部分の範囲、そしてそれぞれの交換費用の負担方法が明記されています。

国土交通省が作成したマンション標準管理規約では、「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる」とされています。原則として、専有部分のリフォームについては、区分所有者が交換費用を自己負担して実施すべきものとされています。しかし、長期修繕計画に専有部分の給排水管や給湯管工事についてあらかじめ記載し、管理規約で専有部分の工事費用も修繕積立金から拠出することを規定しておけば、共有部分および専有部分の給排水管や給湯管について、管理組合全体で配管工事を実施できると定められています。

参考：国土交通省「マンション標準管理規約（単棟型）」

給湯管で使用している銅管の交換費用

給湯管の銅管交換費用は、工事の規模や使用する材料、地域によって異なりますが、一般的にマンション1戸あたり数十万円の費用がかかることが多いです。交換費用には、材料費、施工費、場合によっては床や壁の補修費用も含まれます。特に、配管の長さや住宅の構造によって費用が大きく変動するため、事前に複数の業者から見積りを取得して比較することをおすすめします。なお、他の設備工事と同時に実施することで、費用を削減することが可能なケースもあります。

給湯管の寿命

給湯管（銅管）の耐用年数

給湯管の耐用年数は、使用環境や素材、水質などによって異なりますが、材質が銅管の場合、一般的に20〜30年の寿命があるとされています。ただ、給湯管が銅管の場合は、水温が高いため水中に発生する気泡が、給湯管内部の壁面に衝突し続けることで小さな穴（ピンホール）が開いてしまいます。このピンホールにより、漏水が発生するケースが多くあることは大きな問題です。

なお、最近使用されているステンレス管や、ポリ塩化ビニルやポリエチレンなどのプラスチック製の給湯管は、耐久性が高く50年以上使用できることもあり高寿命です。

定期的な修理メンテナンス

定期的な点検や修理メンテナンスを行うことで、給湯管の状態をチェックし、必要に応じて早めの交換を検討することが大切です。兆候としては、水漏れやさび、異臭などが挙げられます。

給湯器や関連機器の保全

給湯器や関連機器の保全も重要です。給湯器の性能が低下すると、配管に過剰な負荷がかかり、寿命が短くなることがあります。定期的に給湯器の点検も行い、必要に応じて部品の交換や清掃を行うことで、給湯管の寿命を延ばすことができます。

給湯管交換の業者選定で役立つポイント

配管工事の実績を確認する

信頼できる工事会社を選ぶためには、配管工事の実績を確認することが重要です。過去の施工事例や顧客の評価を参考にすることで、工事会社の信頼性や技術力を判断することができます。また、工事会社のホームページや口コミサイトなどを確認することも有効です。信頼性のある工事会社は、事前に過去の事例や成功事例を提示してくれることが多いです。

複数の工事会社からリニューアル工事の見積りを取得する

マンションの給湯管や給水管、排水管などの配管工事は多額の交換費用がかかるため、複数の工事会社から見積りを取得することがリニューアルのポイントです。単に見積書の金額だけを見るのではなく、工事の範囲、使用する材料、作業日数、保証内容など異なる点を必ずリフォーム内容として比較しましょう。見積書のほかに提案資料も作成してもらい、現地調査には立ち会うなど、サービス内容や信頼性も含めて総合的に判断することが大切です。