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【マンション】大規模修繕の足場費用はいくら?安くする方法や注意点

更新日:2025年08月26日(火)

マンションの大規模修繕工事において、足場費用は工事総額の2〜3割を占める重要な項目です。適切な知識を身につけることで、費用を抑えながら安全で効果的な工事を実現できます。 本記事では、マンション大規模修繕に関する足場費用の相場から削減方法、注意すべきポイントまで詳しく解説します。

本記事のポイント
  • 足場費用の相場や計算方法(㎡単価や架面積の算出方法)が理解できる。
  • 相見積もり、無足場工法、一括施工などの費用削減手法が具体的に学べる。
  • 安全基準・近隣対応・保険加入など、工事で注意すべきリスク管理が把握できる。

【マンション】大規模修繕の足場費用はいくら?

マンション大規模修繕における足場費用について、具体的な相場と算出方法をご説明します。

足場費用は大規模修繕工事費用全体の約2〜3割を占めると言われています。工事総額が1億円の場合、足場代だけで約2,000万円前後になる計算です。国土交通省の調査によると、1回目の大規模修繕工事では仮設工事の費用割合が最も高くなる傾向があります。

足場の設置費用は平米単価で算出され、2025年現在の相場は以下の通りです。

足場の種類別単価

枠組み足場:1,000円〜1,500円/㎡

くさび緊結式足場:700円〜1,200円/㎡

単管足場:500円〜800円/㎡

吊り足場:2,000円〜3,500円/㎡

一般的なマンションでは1㎡あたり700円〜1,500円が目安となります。地域や建物の条件により変動し、都市部の高層マンションでは1㎡あたり2,000円を超えることもあります。

【マンション】大規模修繕の足場費用の計算方法

足場費用は以下の計算式で求められます

足場架面積 × 平米単価 = 足場費用

足場架面積の計算:(建物外周 + 8m) × 建物の高さ = 足場架面積

例えば、外周60mの5階建てマンション(高さ15m)の場合
(60m + 8m) × 15m = 1,020㎡
1,020㎡ × 1,200円/㎡ = 1,224,000円

この他に飛散防止シート(150円〜200円/㎡)や運搬費、設置・撤去費用が加算されます。

【マンション】大規模修繕の足場費用を安くする方法

これから3つの方法を説明します。それぞれ効果的な費用削減手法ですが、実施の際は安全性と品質を損なわないよう注意が必要です。

方法1:相見積もりによる適正価格の確認

複数の業者から見積もりを取得することで、足場費用を10〜20%削減できる可能性があります。

足場工事は業者によって価格差が大きく、相見積もりにより適正価格を把握できます。複数社の見積もりを比較することで、過大な見積もりを見抜くことが可能です。実際に相見積もりにより、同条件で最大30%の価格差が生じることもあります。

方法2:無足場工法の検討

建物の条件が適合すれば、無足場工法により足場費用を大幅に削減できます。

無足場工法は足場設置が不要なため、工事費用と工期の両方を短縮できます。ハーネスとロープを使用して屋上から作業員を吊り下げる工法で、足場代が実質的に不要になります。

適用条件の確認:建物の形状、規模、修繕範囲によって適用可否が決まる

作業内容の制限:大規模な外壁工事には向かないが、部分修繕では効果的

安全性の確保:専門技術と適切な安全管理が必要

ただし、修繕範囲の広さや建物の複雑さによっては実施できない場合があります。

方法3:工事の一括実施

足場が必要な工事をまとめて実施することで、足場設置回数を減らし、総費用を削減できます。

外壁塗装、屋根工事、雨樋交換など足場を使用する複数の工事を同時に実施すれば、足場の設置・撤去が1回で済みます。別々に実施した場合の足場代と比較すると、大幅なコスト削減が可能です。

同時施工可能な工事の洗い出し:外壁、屋根、付帯設備の修繕工事をリストアップ

工程調整の実施:各工事の最適な実施タイミングを調整

長期修繕計画の見直し:将来の工事予定と合わせた効率的な計画策定

計画的な一括実施により数十万円の削減効果が期待できます。

【マンション】大規模修繕で足場を使う工事の注意点

足場工事は高所作業を伴うため、安全性と法令遵守が最重要です。

注意1:安全基準の遵守と法令対応

足場工事は高所作業を伴うため、安全性と法令遵守が最重要です。労働安全衛生法に基づく厳格な安全基準を遵守しなければ、重大な事故や法的責任を問われるリスクがあります。違反すれば「6ヶ月以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑」が科せられます。

また、足場工事では労働基準監督署への届出(申請)が必要な場合があります。特に高さ2m以上の足場設置や特定の作業内容に該当する場合は、作業開始前に監督署へ申請する義務があります。申請期間は作業開始の少なくとも10日前までが目安で、申請後の確認や指導を受けてから工事を開始するのが適切です。

以下の安全基準も法的に義務付けられています。

作業床の高さ:2m以上で足場が必要

作業床の幅:原則0.40m以上

手すりの高さ:0.85m以上

組立・解体作業者:特別教育または技能講習修了が必要

資格保有者による作業:足場組立作業主任者など適切な資格を持つ作業員による施工

定期点検の実施:毎日の作業前点検および天候・地震後の点検

2025年10月からの新基準:点検者指名と記録保存の義務化

注意2:近隣への配慮とトラブル回避

事前の十分な説明と適切な対策を講じなければ、近隣住民とのトラブルが工事進行に重大な支障をきたします。

足場設置は騒音・振動・通行障害・プライバシー侵害などの問題を引き起こす可能性があります。適切な対応を怠ると、慰謝料や損害賠償を請求される場合もあります。

国土交通省の調査では、マンション居住者間のトラブルで「生活音」が34.3%を占めており、工事による騒音は大きな問題となります。

事前説明の徹底:工事内容、期間、騒音対策などの丁寧な事前説明

作業時間の制限:騒音規制法に基づく作業時間帯の遵守(一般的に午前7時〜午後7時)

防音対策の実施:防音シートや吸音パネルの設置

苦情対応体制:迅速で適切な苦情処理システムの構築

注意3:保険加入と責任体制の確認

適切な保険に加入していない施工業者を選択すると、事故発生時に管理組合が重大な損害を被るリスクがあります。

足場工事では転落事故、資材落下、第三者への損害などのリスクが常に存在します。施工業者が適切な保険に加入していない場合、これらの損害を管理組合が負担する可能性があります。

足場工事業者が加入すべき主要な保険は以下の通りです。

請負業者賠償責任保険:工事中の第三者への損害を補償

労災上乗せ保険:作業員の労働災害時の補償を強化

建設工事保険:足場材や仮設機材の損害を補償

保険証券の確認:契約前に保険加入状況と補償内容を必ず確認

補償限度額の確認:対人5億円、対物5億円程度の補償が一般的

瑕疵保険の有無:施工不良による損害をカバーする保険の確認

一人親方の労災保険:個人事業主作業員の労災保険特別加入

これらの保険により、万一の事故発生時でも適切な補償を受けることができ、管理組合のリスクを大幅に軽減できます。

まとめ:足場費用は専門家に相談しよう

マンション大規模修繕の足場費用は工事総額の2〜3割を占める重要な項目であり、平米単価700円〜1,500円が相場となっています。相見積もりの実施、無足場工法の検討、工事の一括実施により費用削減が可能ですが、安全基準の遵守、近隣配慮、適切な保険加入が不可欠です。

専門家への相談が重要な理由

技術的判断:建物の条件に最適な足場工法の選定

法令遵守:労働安全衛生法等の複雑な規制への対応、労働基準監督署への届出や申請期間の確認も含む

コスト最適化:適正価格での工事実現

リスク管理:保険や安全対策の適切な確認

一級建築士やマンション管理士などの国家資格を有する専門家、または大規模修繕コンサルタントに相談することで、費用削減と安全性確保を両立できます。専門家の支援により、管理組合の負担軽減と透明性の高い工事発注が実現し、住民の資産価値保護にも貢献します。足場工事は専門性が高く複雑な分野のため、必ず信頼できる専門家に相談して適切な判断を行うことをお勧めします。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

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