ホテル用エレベーターのリニューアルガイド|成功させるコツを紹介
更新日:2025年06月29日(日)
本記事では、ホテルのエレベーターの役割とリニューアルの必要性、具体的な改修方法、成功させるためのコツを詳しく解説します。ホテル用エレベーターをリニューアルしようと検討している方は参考にしてみてください。
- 本記事のポイント
- ホテルエレベーターの重要性と快適性の基準を学べる。
- 用途別のリニューアル手法と費用相場がわかる。
- 専門家活用や見積もり比較で失敗を防ぐ方法を把握できる。
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ホテル用エレベーターとは?
ホテルエレベーターは、宿泊施設内での縦の移動を担う重要なインフラであり、ゲストの快適さや安全性に大きく影響する設備です。チェックインを済ませた宿泊客が最初に利用するケースも多く、その性能や使い心地はホテル全体の印象を左右します。もし古くて遅かったり、振動や騒音が目立つようであれば、不快な印象を与えてしまう可能性があります。一方で、スムーズかつ静かに運行するエレベーターは、ゲストの満足度を高める要素となります。
特に高層階を持つホテルや大規模な宿泊施設では、朝食やチェックアウトの時間帯に利用が集中しやすく、効率的な運行管理が不可欠です。待ち時間が長くなれば、それだけで宿泊体験の質が下がり、評価にも影響を及ぼすでしょう。
さらに、エレベーターは車いす利用者や高齢者などにとって、各フロアへ移動するための不可欠な手段です。バリアフリーの観点からも、誰もが安心して使えるエレベーターの整備は、現代のホテルにおける基本的な要件と言えるでしょう。
ホテル用エレベーターのリニューアル方法
ホテルにおけるエレベーターのリニューアルは、用途や予算、建物の状態に応じて様々な選択肢があります。エレベーター全体を新しくする全面更新から、内装デザインの変更、安全機能や省エネ装置の追加といった部分的な改修まで、柔軟な対応が可能です。
エレベーターは定期的な保守を行っていても、長年使用すれば部品の劣化や摩耗は避けられません。加えて、耐震性やバリアフリーへの対応といった社会的要請も年々高まっています。エレベーターの法定耐用年数は17年とされていますが、実際には主要部品の寿命が約20年、メーカーの部品供給もおおよそ25年が限度とされているため、20〜25年使用したエレベーターには計画的なリニューアルが推奨されます。
このような背景から、国土交通省や業界団体も、既存エレベーターの機能更新(モダニゼーション)を積極的に進めるよう呼びかけています。以下に代表的な5つのリニューアル方法を紹介し、それぞれの特徴を解説します。
全撤去リニューアル
既存のエレベーター設備をすべて撤去し、新たに最新機種を導入する方法です。
長所
最先端の技術を全面的に導入でき、安全性・性能が大幅に向上します。古い法令基準に基づく設備も完全に解消されます。
短所
工期が長く、コストも高額になります。構造への影響によっては建築確認申請が必要になる場合もあります。
準撤去リニューアル
建物側と一体化している一部(乗場枠など)を残し、主要機器のみを更新する方法です。
長所
工期・コストを抑えつつ、主要部分を効率的に更新できます。現行基準に近づけることも可能です。
短所
一部古い設備が残るため、耐震性など既存不適格が完全には解消されない場合があります。
制御リニューアル
制御盤やモーターなど電気系統を最新のものに取り替えるリニューアルです。地震時の安全運転装置や停電時の自動着床機能などの追加も可能です。
長所
建築的な工事がほとんど不要なため、短期間で完了します。運行効率の向上、省エネ化(例:LED照明やインバーター制御)も図れます。
短所
機械構造や駆動装置が既存のままのため、基本的に既存不適格は解消されません。
デザインリニューアル(意匠更新)
かご内の壁材・床材・照明・操作盤パネルなどをホテルのコンセプトに合わせて一新するリニューアルです。
長所
見た目を大きく刷新でき、ゲストに与える印象が向上します。高級感や清潔感の演出にも効果的です。
短所
意匠の変更のみでは、安全性や機能性の向上は期待できず、老朽化した設備には機器の更新が必要です。
機能強化(安全・省エネ機能の追加)
既存のエレベーターに安全装置や省エネ機能、利便性を高める設備を後付けする方法です。
長所
比較的低コスト・短工期で、安全性・利便性の向上が可能です。たとえば「戸開走行保護装置」や「地震時管制運転装置」の追加は推奨されています。
短所
元の設備の老朽化を根本的に改善するものではなく、古い機器との適合性や今後の保守対応に課題が残る場合があります。
このように、ホテルのエレベーターリニューアルにはさまざまな手法があり、それぞれに工事規模や目的、コスト、安全性への影響が異なります。エレベーターの現状とホテルの運営方針に合った最適なリニューアル手法を選定することが、今後のサービス品質や安全性の向上につながると言えるでしょう。
ホテル用エレベーターのリニューアルを成功させるコツ
ホテルでのエレベーター改修工事を円滑かつ効果的に進めるためには、いくつかのポイントがあります。これから3つのコツについて説明します。
改修費用の適切な相場を調べる
ホテルのエレベーターをリニューアルするにあたっては、着手前に工事費用の相場を把握しておくことが重要です。相場感を持つことで、予算計画の精度が高まり、見積もり金額が適正かどうかを判断する助けにもなります。
リニューアル費用は工事の内容や建物の規模・構造により大きく異なりますが、いずれの場合も決して安価な工事ではありません。たとえば、エレベーター1基を全面的に新調する「全撤去リニューアル」の場合、1,500万〜2,000万円が一般的な目安です。主要機器のみの交換を行う部分リニューアルでも1,200万〜1,700万円程度、制御盤などの電気系統の更新だけでも少なくとも600万ほどかかるケースが多く見られます。
このように、少なくとも数百万円、場合によっては数千万円規模の費用が必要になるため、事前に大まかな相場を把握することで、現実的な資金計画を立てやすくなります。
国土交通省のガイドラインでも、具体的な費用は示されていないものの、エレベーターはおおむね竣工後15年程度で改修、30年を目安に更新することが望ましいとされています。ホテル施設においても、このような大規模更新に備えて、計画的に積立や資金調達を行うことが求められます。
まずは、同規模ホテルのエレベーター改修事例や、公開されている費用事例を参考に、大まかな金額感を掴んでおくことが有効です。たとえば「全面交換で1基あたり約2,000万円」「制御系のみの更新で約600万円」などの情報を把握しておけば、所有する台数に応じて全体予算のイメージが立てやすくなります。
複数の事業者から見積もりを取得する
エレベーター改修は必ず複数の業者から見積もりを取り比較検討することが成功の鍵です。一社だけに任せず相見積もりを行うことで、最適な工法・適正価格・短い工期を提案してくれる業者を見極められます。
エレベーターのリニューアル工法や費用は業者によって提案が異なる場合があります。同じ条件でも、メーカー系企業と独立系企業で見積額に差が出ることも珍しくありません。メーカー系列の施工会社は独立系に比べ費用が高めになる傾向が指摘されており、一方で独立系企業は様々なメーカーの機種に対応でき柔軟な提案が可能です。
また各社が持つ強みも異なります。複数社の提案を比較することで、価格だけでなく工事期間や工事内容の違いを把握でき、最も適したプランを選択する助けとなります。
専門家に相談する
エレベーターのリニューアル計画を立てる際は、早い段階で専門家(エレベーターのプロフェッショナル)に相談することが近道です。専門知識を持った第三者の助言により、工事の必要性や最適な方法、法令遵守や補助金活用まで含めた総合的なプランニングが可能になります。
エレベーターは高度な機械・電気設備であり、建築基準法や各種安全基準にも関わる分野です。建物オーナーやホテル管理者が細部まで専門知識を備えるのは難しいため、経験豊富な専門家の意見を仰ぐことが安全で確実です。国土交通省も、専門知識を有しない建物所有者でも適切に維持管理できるよう「昇降機の適切な維持管理に関する指針」を策定して情報提供しています。これは裏を返せば、オーナー自身で判断せず専門家のガイドラインや支援を受ける必要性を示しています。またリニューアル工事においては、建築確認申請の手続や補助金申請など専門的な対応が求められる場面があります。これらも含め、信頼できる専門家に任せる方がスムーズに進むでしょう。
まとめ:専門家に相談するのが近道
ホテルのエレベーターリニューアルは、ゲストの満足度向上と安全性確保のために避けて通れない重要プロジェクトです。老朽化した昇降機を最新基準にアップグレードすることで、利用者に「安全・安心・快適」なサービスを提供できるだけでなく、ホテルのイメージアップや将来的な維持費削減というメリットも得られます。
国土交通省も「より高い安全性の確保の観点から、改修やリニューアルによるエレベーターの機能更新を積極的に行っていただきたい」と建物所有者に呼び掛けています。とはいえ、実際の計画策定から工事完了までには多くの専門知識とノウハウが必要です。
そこで、本記事で述べた費用相場の把握、複数業者の比較といったポイントを踏まえつつ、最終的には信頼できる専門家に相談することが近道になります。経験豊富なプロの力を借りれば、法令手続きや技術的検討も含めスムーズに進行し、想定外のトラブルを未然に防ぐことができます。ぜひ公的機関の情報提供や専門会社の知見を積極的に活用し、安心・安全なエレベーターへのリニューアルを成功させてください。ホテルの未来への投資として、適切なエレベーター改修が実りあるものとなることを願っています。
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- 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
- エレベータのリニューアル工事の支援実績は多数(過去1年で数百基、2025年2月現在)。特殊品である高速、油圧、リニア、ルームレスの実績もあり、社内にはエレベーター会社、ゼネコン、修繕会社など出身の施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
- 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。
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本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者

坂本 高信
独立系最大手のエレベーター会社にて、営業現場および管理職として18年間従事。リニューアル、保守、修繕といった複数の部署で実務経験を積み、営業部長などの管理職も歴任。多様な案件を通じて、エレベーターの運用と維持に関する専門知識を培う。その豊富な現場経験を活かし、エレベーターリニューアルに関する実用的かつ現実的な視点から記事を監修。
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