オフィスエレベーターのリニューアルガイド|成功させるコツを紹介
更新日:2025年06月29日(日)
オフィスビルのエレベーターは、日々多くの人が利用する重要な設備であり、その安全性と快適性は業務効率に直接影響します。しかし、エレベーターには明確な耐用年数があり、一般的に設置から20年から25年が経過すると、リニューアル工事の検討が必要になります。オフィスエレベーターのリニューアルは、単なる設備更新にとどまらず、ビルの資産価値向上や利用者の安全確保、省エネ性能の向上など多面的なメリットをもたらします。 本記事では、オフィスエレベーターのリニューアルを成功させるための実践的なガイドを紹介します。
- 本記事のポイント
- オフィスエレベーターの特徴や一般的な構造の違いがわかる。
- 工法ごとのリニューアル費用と工期の目安を把握できる。
- 費用を抑えつつ安全性を確保するための進め方を学べる。
オフィスエレベーターとは?
オフィスエレベーターは、オフィスビルや商業施設において人を運搬する目的で設置される乗用エレベーターです。オフィスビルでは、業務の効率化を目指し、エレベーターの待ち時間を極力減らす必要があるため、高速で動作可能なエレベーターが選ばれやすい傾向にあります。
オフィスエレベーターの特徴として、一般的なマンション用エレベーターと比較して、より高い昇降速度と大きな積載量を持つ点が挙げられます。また、オフィスビルの第二のエントランスとも言えるエレベーターでは、明るく快適な照明設定や空調機能、最新のセキュリティ機能などが重要視されます。
建築基準法第8条において、「建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない」と定められており、エレベーターの所有者や管理者には適切な維持管理が義務付けられています。
オフィスエレベーターのリニューアル方法
オフィスエレベーターのリニューアル方法は、工事の規模と範囲によって大きく3つに分類されます。
全撤去新設リニューアル
全撤去新設リニューアル(フルリニューアル)は、既存のエレベーター設備を完全に撤去し、新しいシステムを一から構築する最も包括的な工事方法です。費用は1基あたり1,500万円から2,500万円が目安で、工期は約45日~90日間と長期にわたります。全撤去新設リニューアルは旧型設備の制約を完全に排除できる反面、建築確認申請が必要となり、工事期間中はエレベーターを利用できないという課題があります。
準撤去リニューアル
準撤去リニューアルは、建物各階に設置されている三方枠や敷居などの構造部分を既存利用し、ロープ、制御盤、巻上機などの主要機械部分を新しいものに交換する手法です。費用相場は1基あたり1,200万円から1,700万円で、工期は約40日から60日間程度です。フルリニューアルと比較してコストと工期の両面で優位性があります。
制御リニューアル
制御リニューアルは、既存の機械構造を最大限活用し、制御盤や操作盤などの制御系統を最新のものに交換する最も経済的な方法です。費用は1基あたり約500万円から1,000万円程度で、工期は5日から10日間と短期間で完了できます。最も一般的な方式で、コストパフォーマンスに優れています。
オフィスエレベーターのリニューアルを成功させるコツ
リニューアル工事を成功させるためには、これから3つの重要なポイントを説明します。
その1 工事費用の適切な相場を調べる
エレベーターリニューアルの適切な相場を把握することは、過剰な出費を避け、適正価格での契約を実現するために不可欠です。一般的な制御リニューアルの場合、1基あたり約500万円からが相場とされています。
国土交通省が公表している「昇降機の適切な維持管理に関する指針」では、保守点検業者の選定に当たって価格のみによって決定するのではなく、専門技術者の能力や業務実績を総合的に評価するよう指導しています。この指針は、適正な価格設定の重要性を示しており、極端に安い見積もりには注意が必要であることを示唆しています。
その2 複数の事業者から見積もりを取得する
複数の業者から見積もりを取得することで、価格差や提案内容の違いを明確に把握できます。エレベーターのリニューアル業者には「メーカー系」と「独立系」があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。
メーカー系業者は自社製エレベーターについて高度な知識を持ち安心感がある反面、費用は独立系に比べ高めに設定されています。一方、独立系業者は幅広い機種に対応でき、柔軟で費用も抑えられる利点があります。
独立系業者の場合、メーカー系よりもエレベーターの保守点検費用の相場が30%ほど安くなることが実証されています。また、メーカー系業者と独立系業者のエレベーターリニューアル工事の価格差は20%から30%が一般的とされており、複数社からの見積もり取得により大幅なコストダウンが期待できます。
その3 専門家に相談する
エレベーターリニューアルは高度な専門知識を要する分野であり、専門家への相談が成功の鍵となります。実績のある業者に依頼することで、豊富な経験と高い技術力により安心感が得られます。
エレベーター専門のコンサルティングサービスでは、管理組合と一体となり、透明性をもってリニューアル工事から日々の保守管理をサポートしています。専門コンサルタントの活用により、現状のエレベーター保守費用の見直しで大幅なコストダウンとサービスの両立が実現されています。
スマート修繕では、一級建築士をはじめとするプロの専門家に無料で相談できる環境を整えています。相談するだけで数百万円から数千万円の費用が安くなる可能性がありますから、一度試してみてください。
まとめ:専門家に相談するのが近道
オフィスエレベーターのリニューアルを成功させるためには、専門家への相談が最も確実で効率的な方法です。エレベーターリニューアルは専門的な知識と技術が必要な分野であり、不適切な判断は安全性の低下や過大なコスト負担につながる可能性があります。
専門家による適切なアドバイスにより、現状分析から最適なリニューアル方式の選定、信頼できる業者の選択まで、一貫したサポートを受けることができます。また、複数の業者からの見積もり取得や価格交渉においても、専門知識を持つコンサルタントの存在は大きな価値を提供します。
国土交通省が策定した「エレベーター保守・点検業務標準契約書」や「昇降機の適切な維持管理に関する指針」などの公的なガイドラインも活用しながら、専門家とともに最適なリニューアル計画を立てることが、安全で経済的なエレベーター運用の実現につながります。
エレベーターの計画耐用年数は25年とされており、適切なタイミングでのリニューアル実施により、利用者の安全確保と建物の資産価値向上を同時に達成することが可能です。専門家への相談を通じて、オフィスエレベーターのリニューアルを成功に導きましょう。
エレベーター等修繕の支援サービス「スマート修繕」
- 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
- エレベータのリニューアル工事の支援実績は多数(過去1年で数百基、2025年2月現在)。特殊品である高速、油圧、リニア、ルームレスの実績もあり、社内にはエレベーター会社、ゼネコン、修繕会社など出身の施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
- 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。
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本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者

坂本 高信
独立系最大手のエレベーター会社にて、営業現場および管理職として18年間従事。リニューアル、保守、修繕といった複数の部署で実務経験を積み、営業部長などの管理職も歴任。多様な案件を通じて、エレベーターの運用と維持に関する専門知識を培う。その豊富な現場経験を活かし、エレベーターリニューアルに関する実用的かつ現実的な視点から記事を監修。
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