倉庫エレベーターのリニューアルガイド|成功させるコツを紹介
更新日:2025年06月29日(日)
本記事では、倉庫エレベーターのリニューアルを成功させるための実践的なガイドと、コストダウンを実現する方法について、専門的知見に基づき解説します。知るだけで安くなる可能性があるので、ぜひ参考にしてください。
- 本記事のポイント
- 倉庫エレベーターの種類と特徴を学べる。
- リニューアル方法と費用相場がわかる。
- コスト削減と専門家相談の重要性を把握できる。
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倉庫エレベーターとは?
倉庫エレベーターは、倉庫や工場において荷物の運搬を主目的として設置される産業用昇降機です。建築基準法では「昇降機」として定義され、労働安全衛生法の規制も受ける重要な産業設備です。
倉庫エレベーターには主に3つの種類があります。
第一に「荷物用エレベーター」は、荷物と一緒に人も乗車可能で、最大積載容量5000kg、出入り口幅最大4000mmまで対応可能です。価格は約1000万円からと高額ですが、フォークリフトや台車ごと荷物を運搬できる大型設備です。
第二に「荷物用リフト」は、人の乗車は不可で、床面積1㎡以下または高さ1.2m以下の仕様です。小型荷物用リフトは約100〜200万円、大型荷物用リフトは約250〜400万円で設置可能です。
第三に「小荷物専用昇降機(ダムウェーター)」は、床面積1㎡以下かつ高さ1.2m以下の小型リフトで、約150〜500万円で導入できます。テーブルタイプとフロアタイプがあります。
これらの設備は労働安全衛生法により定期検査が義務付けられ、年間1〜3万円程度の検査費用が必要です。また、建築基準法に基づく確認申請や届出も必要で、申請費用として約30万円程度が見込まれます。
倉庫エレベーターのリニューアル方法
倉庫エレベーターのリニューアル方法は、工事の規模と範囲によって大きく3つに分類されます。
全撤去新設リニューアル
全撤去新設リニューアル(フルリニューアル)は、既存のエレベーター設備を完全に撤去し、新しいシステムを一から構築する最も包括的な工事方法です。費用は1基あたり1,500万円から2,500万円が相場で、工期は約45日〜90日と長期にわたります。この方法は建築確認申請が必要となり、工事期間中はエレベーターを利用できないという課題があります。
準撤去リニューアル
準撤去リニューアルは、建物各階に設置されている三方枠や敷居などの構造部分を既存利用し、ロープ、制御盤、巻上機などの主要機械部分を新しいものに交換する手法です。費用相場は1基あたり1,200万円~で、工期は約40日~60日です。フルリニューアルと比較してコストと工期の両面で優位性があり、建築確認申請が不要となるケースが多いことも特徴です。
制御リニューアル
制御リニューアルは、既存の機械構造を最大限活用し、制御盤や操作盤などの制御系統を最新のものに交換する最も経済的な方法です。費用は1基あたり約600万円~で、工期は5日から10日間と短期間で完了できます。最も一般的な方式で、コストパフォーマンスに優れており、制御リニューアルが最も好ましい選択肢とされています。
倉庫エレベーターのリニューアルを成功させるコツ
リニューアル工事を成功させるために、これから3つの重要なポイントを説明します。
その1 工事費用の適切な相場を調べる
エレベーターリニューアルの適切な相場を把握することは、過剰な出費を避け、適正価格での契約を実現するために不可欠です。一般的な制御リニューアルの場合、1基あたり約600万円から1,000万円程度が相場とされています。
国土交通省が公表している「昇降機の適切な維持管理に関する指針」では、保守点検業者の選定に当たって価格のみによって決定するのではなく、専門技術者の能力や業務実績を総合的に評価するよう指導しています。この指針は、適正な価格設定の重要性を示しており、極端に安い見積もりには注意が必要であることを示唆しています。
エレベーターリニューアル工事において、仕様の見直しと工事コストの細分化により大幅なコストダウンが可能とされています。費用相場を適切に把握し、専門的な検討を行うことで効果的なコスト削減につながります。
その2 複数の事業者から見積もりを取得する
複数の業者から見積もりを取得することで、価格差や提案内容の違いを明確に把握できます。エレベーターのリニューアル業者には「メーカー系」と「独立系」があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。
メーカー系業者は自社製エレベーターについて高度な知識を持ち安心感がある反面、費用は独立系に比べ高めに設定されています。一方、独立系業者は幅広い機種に対応でき、柔軟で費用も抑えられる利点があります。
独立系業者の場合、メーカー系よりもエレベーターの保守点検費用の相場が30%から50%ほど安くなることが実証されています。また、メーカー系業者と独立系業者のリニューアル工事費用の価格差は10%から40%が一般的とされており、複数社からの見積もり取得により大幅なコストダウンが期待できます。
その3 専門家に相談する
エレベーターリニューアルは高度な専門知識を要する分野であり、専門家への相談が成功の鍵となります。実績のある業者に依頼することで、豊富な経験と高い技術力により安心感が得られます。エレベーター専門のコンサルティングサービスでは、管理組合と一体となり、透明性をもってリニューアル工事から日々の保守管理をサポートしています。専門コンサルタントの活用により、現状のエレベーター保守費用の見直しで大幅なコストダウンとサービスの両立が実現されています。
スマート修繕では、プロに無料相談できる環境を整えています。ご自身で調べるだけではなく、専門家を賢く活用することで想像以上のコストダウンが実現されるケースもあります。これを機会に試してみてください。
まとめ:専門家に相談するのが近道
倉庫エレベーターのリニューアルを成功させるためには、専門家への相談が最も確実で効率的な方法です。エレベーターリニューアルは専門的な知識と技術が必要な分野であり、不適切な判断は安全性の低下や過大なコスト負担につながる可能性があります。
専門家による適切なアドバイスにより、現状分析から最適なリニューアル方式の選定、信頼できる業者の選択まで、一貫したサポートを受けることができます。また、複数の業者からの見積もり取得や価格交渉においても、専門知識を持つコンサルタントの存在は大きな価値を提供します。
エレベーターの計画耐用年数は25年とされており、適切なタイミングでのリニューアル実施により、利用者の安全確保と設備の資産価値向上を同時に達成することが可能です。専門家への相談を通じて、法的要求事項の遵守、安全性の確保、経済性の追求を同時に実現し、倉庫エレベーターのリニューアルを成功に導きましょう。
エレベーター等修繕の支援サービス「スマート修繕」
- 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
- エレベータのリニューアル工事の支援実績は多数(過去1年で数百基、2025年2月現在)。特殊品である高速、油圧、リニア、ルームレスの実績もあり、社内にはエレベーター会社、ゼネコン、修繕会社など出身の施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
- 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。
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本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者

坂本 高信
独立系最大手のエレベーター会社にて、営業現場および管理職として18年間従事。リニューアル、保守、修繕といった複数の部署で実務経験を積み、営業部長などの管理職も歴任。多様な案件を通じて、エレベーターの運用と維持に関する専門知識を培う。その豊富な現場経験を活かし、エレベーターリニューアルに関する実用的かつ現実的な視点から記事を監修。