ディー・エヌ・エー(DeNA)グループ 一級建築士事務所

スマート修繕
0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

マンション 大規模修繕ローン金利動向と新たな資金確保策

更新日:2025年10月31日(金)

本記事のポイント
  • 大規模修繕ローンの仕組み・金利相場・借入条件を理解し、最適な資金調達方法を選べる。
  • 金利上昇リスクや長期返済負担の影響を踏まえ、無理のない返済計画の立て方がわかる。
  • 借入に頼らず費用を最適化する「スマート修繕」の仕組みと導入メリットを学べる。

修繕積立金不足の現状と課題

近年、分譲マンションの修繕積立金が不足するケースが増加しています。多くの管理組合が、長期修繕計画に基づく必要額に対して積立金が不足していると認識しており、特に築年数が進むマンションではその傾向が顕著です。

建築資材費や人件費の高騰により、必要額が増加し、積立金の不足が生じやすくなっています。このような資金不足により必要な大規模修繕工事の実施が困難になると、建物の劣化による安全性低下や資産価値の下落につながるため、管理組合として早めの対策が求められています。

修繕ローンとは? 金利相場・借入条件・注意点

不足する修繕資金を補う手段の一つが「大規模修繕ローン」(修繕積立金借入れ)です。

マンション管理組合を対象とした融資制度として、独立行政法人住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」が代表的です。この公的ローンでは全期間固定金利で融資が受けられ、たとえば返済期間1~10年の場合の金利は年1%程度(耐震改修など一定条件下では年0.8%)と低水準に設定されています。

融資を受けるためには「工事内容が共用部である」「総会で工事実施が決議済み」「過去1年以上にわたり計画的に積立金を積み立てている」「滞納が10%以内」などの条件を満たす必要があります。

また毎月の返済額が毎月の積立金徴収額の80%以内であることも条件とされ、借入返済が日常の積立に過度な影響を与えないよう基準が設けられています。

これら条件をクリアすれば、公的融資を通じて必要資金を低利で借り入れ可能です。ただし、借入には組合総会での承認決議が必要であり、管理組合全体で合意形成を図るプロセスが求められます。

公的ローン以外にも、都市銀行・信託銀行、信用金庫など民間金融機関からの借入も選択肢です。民間の場合、住宅金融支援機構よりも手続きは簡便な一方で審査ハードルが高く、担保提供や連帯保証人の要求があるケースも少なくありません。

融資条件も金融機関によって様々ですが、例として借入期間を最長20~35年程度まで長期に設定できる商品も存在します。金利タイプは変動金利(半年ごと見直し)や当初固定金利から選択でき、長期借入になるほど変動型を利用するケースもあります。

一般的に変動金利は当初利率が低めですが、市場金利に応じて見直されるため将来の金利上昇リスクがあります。一方、固定金利型は借入期間中の利率が一定で長期計画を立てやすいメリットがあります。

なお、民間ローンの金利水準は金融機関や信用状況により異なりますが、公的融資よりやや高めになる場合が多く、借入時には保証料や事務手数料など諸費用も含めた総支払額の試算が重要です。

いずれの場合も、ローンを借りることは「将来の修繕積立金収入を前借りする」行為である点に留意が必要です。借入によって当面の資金不足は解消できますが、返済原資は結局毎月の積立金や管理費から捻出することになります。そのため、「借りれば終わり」ではなく借りた後も修繕積立金の増額や計画見直しが不可欠となります。

借入条件を満たすためにも日頃から計画的な積立を続け、必要に応じて専門家の助言を得ながら無理のない借入額・期間を設定することが大切です。

金利上昇局面でのローン利用リスクと長期負担

近年、日本銀行の金融政策に変化が見られ、長期金利が上昇傾向にあります。2024年4月に日銀がマイナス金利政策を解除したことを受け、大手銀行でも2023年後半から住宅ローン金利の引き上げが始まっています。このため、変動金利型ローンや長期固定金利ローンの金利上昇リスクが高まっています。

特に変動金利での借入れでは、返済期間中に金利が上昇すると毎月の返済額が増加し、財政的な負担が重くなる可能性があります。固定金利ローンでも、契約時の金利水準が高いと総返済額が増える点は同様です。

ローン利用に伴う長期的な利息負担も重要なリスクです。例えば、1億円を年利約1%、10年間借りた場合、利息だけでも数百万円規模の負担が発生します。金利がさらに上昇すれば、この利息負担は増加し、返済総額が当初の工事費用を大きく上回る可能性もあります。

また、ローン返済中も次回の修繕に備えた修繕積立金の積み増しは続ける必要があるため、「ローン返済額+積立金増額分」の二重負担となります。これにより、毎月の管理費や積立金の大幅な引き上げを余儀なくされるケースもあり、同規模の他マンションと比べて維持費が高くなると、購入希望者から敬遠され資産価値の下落につながるリスクもあります。

以上のように、ローンは資金不足を補う有効な手段ですが、金利上昇リスクや長期返済負担を十分に理解し、慎重に検討することが不可欠です。借入額や返済期間が長期になるほどリスクは高まるため、管理組合としてシミュレーションを重ね、「本当に借入が最善か」「適切な借入額や返済期間はどの程度か」を総合的に判断することが重要です。

借入に頼らず計画的修繕を実現する「スマート修繕」

大規模修繕での借入は金利負担や返済リスクが伴うため、できるだけ借入に頼らずに修繕を進めたいという管理組合のニーズが高まっています。こうした背景から登場したのが、専門家のサポートを受けて工事内容や費用の適正化を図る「スマート修繕」というサービスです。

スマート修繕では、建物の劣化診断や複数の施工業者からの相見積もりを取得し、過剰な工事を避けつつ必要な部分だけに絞った効率的な修繕計画を立てられます。管理組合は無料で利用でき、適正な価格で工事を発注できるため、借入を回避できた実績も多数あります。

専門知識がない管理組合でもプロの支援を受けることで、工事内容の透明化や費用の妥当性を判断しやすくなり、組合員の合意形成もスムーズになります。

借入負担を減らしながら質の高い修繕を実現するために、ぜひスマート修繕の活用を検討してください。

資金調達手段ごとの比較と管理組合の判断ポイント

最後に、マンション大規模修繕の資金不足に直面した場合に考えられる主な資金調達手段について、メリット・デメリットを整理します。

管理組合の判断軸として、各手段の特徴を正しく理解し、総合的に比較検討することが重要です。

資金調達方法

メリット

デメリット

計画的な積立金増額

(事前対策)

・将来必要となる費用を平準化し、事前に確保できる

・利息負担が発生しない

・区分所有者の毎月負担増となるため合意形成が必要

・増額の効果が出るまでに時間を要する(直近の工事資金には間に合わない場合も)

一時金の徴収

(臨時徴収)

・利息負担なく不足資金を即時に補填できる

・過去の積立不足を一度に解消し、今後の積立金大幅値上げを抑制できる

・各所有者に一時的とはいえ高額な支出を求めるハードルが高い

・経済的理由で支払困難な組合員が出るリスク(分割払い等の配慮が必要)

修繕ローンの借入

・必要資金を一括調達でき、計画通り工事を実施可能

・返済を長期に分散するため当面の各戸負担を平準化できる

・利息支払いというコストが発生する

・返済と将来積立の両方の負担で月額費用が大幅増となりやすい

・金利上昇リスクや厳格な審査条件に注意が必要

コスト削減サービスの活用

(例:スマート修繕)

・第三者専門家の伴走により工事内容・価格の適正化が図れる

・複数業者から相見積もりを取ることで競争原理が働きコスト減が期待できる

・劣化状況に応じた工事優先度の見直しで無理のない計画が立てられる

・新しい手法のため組合内で理解と合意形成が必要


・サービス活用による削減効果には限度があり、資金不足分の全てをカバーできない場合もある

上表のとおり、それぞれの手段に一長一短があります。一般的に利息負担のない自己資金による調達(一時金徴収や計画的増額)が望ましいのは言うまでもありません。特に、一時金で不足を解消できれば将来的な毎月積立金の過度な値上げを避けられ、マンションの資産価値を守る上でも有効です。

マンションの資産価値を守る観点から、安易に借入に頼らず一時徴収で解決することが望ましく、どうしても借入が必要な場合でも、一部を臨時徴収して借入額を抑えるなど併用策でリスク分散を図ることが考えられます。

借入を決断する際は事前に理事会で十分なシミュレーションを行い、組合員向けの説明会で返済計画や将来の維持費見通しまで丁寧に説明して理解を得ることが不可欠です。

また、資金調達策と並行して長期修繕計画そのものの定期的な見直しも欠かせません。国土交通省のガイドラインでは長期修繕計画は5年ごとを目安に見直すことが推奨されており、物価高騰や建物の劣化状況に応じて計画をアップデートすることで「思わぬ資金不足」を未然に防げます。

例えば、エレベーターや機械式駐車場など維持費のかかる設備の更新周期を見直したり、自治体の補助金制度を活用できる工事はないか検討したりすることも有効です。こうしたコスト見直しの積み重ねが、将来借入れに頼らずに済む健全な財政基盤を築くことにつながります。

まとめ:マンション大規模修繕の資金課題とスマート修繕の活用

近年、マンションの修繕積立金不足が増え、必要な大規模修繕の資金確保が課題となっています。修繕ローンは低金利で利用できる一方、金利上昇リスクや返済負担が重くなるため、慎重な検討が必要です。

こうした状況を踏まえ、当社が提供する「スマート修繕」は、専門家のサポートにより工事内容と費用の適正化を実現し、借入を抑えた計画的な修繕を可能にします。無料でご利用いただけ、必要な工事に絞った効率的な修繕計画を立てることで、管理組合様の負担軽減に貢献しています。

資金調達は積立増額や一時金徴収、ローン利用、スマート修繕などを組み合わせて検討し、長期的な視点で無理のない計画を立てることが大切です。

大規模修繕の支援サービス「スマート修繕」

  • 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
  • ボリュームゾーンである30~80戸のマンションのみならず、多棟型やタワーマンションの実績も豊富で、社内にはゼネコン、修繕会社や修繕コンサルティング会社など出身の建築士等が多数いますので、お気軽にご相談ください。
  • 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。

電話で無料相談

0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

Webから無料相談

専門家相談する

記事をシェア

本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

二級建築士,管理業務主任者

0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

スマート修繕なら

適正価格の工事を実現

0120-14-3704

24時間対応通話料・相談料 無料

telWebで無料相談する
tel電話で無料相談する(24時間対応)

※携帯・スマートフォンからも通話料無料