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マンション管理組合が知っておくべきキュービクル変圧器交換ガイド

更新日:2026年02月26日(木)

マンションなどの高圧受電設備(キュービクル)に組み込まれた変圧器は、経年劣化や法令上の理由により定期的な交換が必要です。適切な交換時期を把握しないまま使用を続けると、思わぬ停電事故や法令違反につながるリスクがあります。 本記事では、変圧器の耐用年数と更新目安、劣化によるリスクや交換判断のポイント、PCB含有器材に関する法対応、高効率トランスへの更新メリット、交換費用の相場、工事の段取りと手続き、さらには補助金やリースの活用まで、マンション管理組合の実務に役立つ知識を幅広く解説します。

本記事のポイント
  • 変圧器の耐用年数・交換時期と劣化リスク、法令対応の基本を理解できる。
  • 交換費用の相場やコスト削減、補助金・税制優遇の活用法がわかる。
  • 工事の段取り・手続きと停電時の影響緩和策など現場対応の実務知識が身につく。

変圧器の耐用年数:法定耐用年数と更新時期の目安

マンションなどの高圧受電設備に用いられる変圧器には、法定耐用年数(減価償却資産として税法上定められた使用年数)と実用上の耐用年数(実際に安全に使用できる期間)の2つの観点があります。

建物附属設備に分類される変圧器の法定耐用年数は一般に15年程度とされており、会計上は15年間で減価償却が完了する計算になります。しかしこれはあくまで帳簿上の指標であり、15年を経過したら直ちに使えなくなるという意味ではありません。実際には適切な保守管理の下で20年前後、場合によっては20~30年近く稼働している例もあります。

一方で、電気設備業界では安全性と経済性のバランスから20~25年程度を変圧器更新の目安とするケースが多いのが実情です。日本電機工業会(JEMA)や各地域の電気保安協会でも、高圧機器ごとの推奨更新時期を示しており、変圧器は製造後20~25年程度、高圧開閉器で約20年、避雷器で約15年が一つの目安とされています。

これらは定期点検で良好な結果が出ていても経年劣化により突然故障する可能性が高まる年数であり、計画的な更新を促すための指標です。特に設置後20年以上が経過した変圧器では、絶縁油や内部部品の劣化によって信頼性が低下し、大きな事故リスクが高まるとされています。電気保安協会の統計でも、長期間使用した高圧機器ほど故障率が著しく上昇する傾向が確認されており、安全確保の観点からも15年を過ぎたあたりから更新計画の準備、20年を超えたら具体的な交換検討に入るのが一般的です。25~30年を経過した設備はさすがに限界に近く、トラブル頻発前に全面リプレースを検討すべき段階と言えます。

経年劣化によるリスクと交換タイミングの判断基準

経年劣化した変圧器を使い続けることは、管理組合にとって重大なリスクとなりえます。内部絶縁性能の低下や部品摩耗が進行すると、漏電や機器故障、火災などの事故につながる恐れが高まります。

実際に老朽化した高圧ケーブルや開閉器が故障し、ビル全体が長時間停電するとともに周囲の事業者にも被害が及んだケースも報告されています。万一、自社設備の事故が電力会社の配電線にまで影響を与えれば、法令に基づく事故報告義務だけでなく、多額の損害賠償責任を問われる可能性もあります。こうした最悪の事態を避けるためにも、変圧器の更新タイミングは保守的に判断することが望ましいと言えます。

交換時期の具体的な判断基準としては、「経過年数」と「機器状態」の両面から総合的に検討する必要があります。まず前述のように経過年数が15年を超えた段階で更新の検討を始め、20年近辺で具体的な交換計画に着手するのが一般的ですが、年数だけに頼るのは不十分です。日常の定期点検結果やこれまでの故障・不具合履歴も重要な指標となります。

以下のような兆候が見られた場合は、たとえ設置後年数が浅くても前倒しで交換を検討すべきです。

異常な音や臭い

変圧器内部の冷却ファンや鉄心が劣化すると唸り音が大きくなったり、絶縁物焼け焦げの臭いが発生することがあります。これらは内部劣化のサインです。

油漏れ

油入変圧器の場合、タンクやシール部から絶縁油がにじみ出ていると内部腐食や劣化が疑われます。油漏れは絶縁性能の低下を招き重大事故につながりかねません。

異常過熱

外装を触れないほど熱く感じる、あるいは温度計やサーモグラフィで平常時より高温が検出される場合、過負荷や内部抵抗増大による異常発熱の可能性があります。

絶縁低下・漏電

定期点検で絶縁抵抗値の低下が指摘されたり、過去に漏電ブレーカーの動作(地絡検知)が発生している場合、内部絶縁の劣化が進行しています。応急修理で凌いでいても再発するようなら交換のサインです。

小規模な故障が増加

ごく短時間の停電(瞬低)や保護リレーの誤動作など、軽微でもトラブルが頻発し始めたら要注意です。部分的な修繕履歴が増えている設備も寿命が近い可能性があります。大きな故障に至る前に計画的な更新に踏み切ることが望まれます。

上記のような劣化兆候と経過年数を踏まえ、「まだ大丈夫」ではなく早め早めの交換判断を心がけることが、安全かつ安定した電力供給の観点から重要です。特に変圧器はキュービクル全体の要となる機器のため、一箇所の故障が建物全体の停電につながります。管理組合としては、日常点検や専門業者による年次点検の記録を継続的に把握し、経年劣化の傾向をデータで見極めることが求められます。点検結果の推移から絶縁抵抗の低下傾向などが読み取れれば、科学的根拠をもって更新時期を予測・判断しやすくなるでしょう。

PCB含有変圧器の交換義務と法的対応

古い変圧器に関して見落としてはならないのがPCB(ポリ塩化ビフェニル)問題です。PCBは強い毒性と環境残留性を持つ絶縁油添加物で、1970年代まで国内で変圧器やコンデンサに使用されていました。現在では製造・使用が法律で厳しく規制されており、PCBを含む変圧器は早期に使用中止し適正に処分しなければならないと定められています。

特に高濃度PCB(純粋に近いPCB油が入った旧型機器)は処分の最終期限が既に経過しており、日本国内の全エリアで処分期間が終了しています。該当機器を未処分のまま放置することは法令違反となり、厳しい罰則の対象となります。マンションではまずそのような古い機器は稀ですが、万一該当する場合は直ちに所轄自治体やJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)に連絡し、指示を仰ぐ必要があります。

一方、低濃度PCB汚染機器(微量のPCBが混入した絶縁油を使用した変圧器等)についても、PCB特別措置法により2027年(令和9年)3月31日までに処分を完了しなければならないと明確に期限が定められています。古いマンションでは1980年代以前製造の変圧器に低濃度PCB汚染油が使われているケースがあり、該当する場合はこの期限までに確実に交換・処分しなくてはなりません。期限を過ぎると合法的な処理手段が事実上なくなり、違法状態となってしまいます。

PCB含有の有無は外見から判別できないため、専門の分析調査が必要です。管理組合としては、機器メーカー名・製造年次からPCB使用の可能性を確認し、少しでも疑いがある場合は早めに専門業者に分析を依頼すると良いでしょう。もしPCB汚染が判明した場合は、速やかに所轄自治体にPCB使用設備の届出を行い、許可を持つ処理業者やJESCOへの処分申込み手続きを進める必要があります。処分実施にあたっては変圧器内の絶縁油抜き取りや無害化処理など特殊な工程が伴うため、廃棄費用も通常の機器より嵩みます。処分期限が迫るにつれて処理施設の予約が取りづらくなることも予想されるため、計画的かつ早期の交換・処分段取りが求められます。

高効率変圧器への更新メリット(トップランナー変圧器の省エネ効果)

変圧器を更新する際には、省エネルギー性能の高い最新型の変圧器を選定することも重要なポイントです。日本では省エネ法に基づき「トップランナー方式」と呼ばれる仕組みで変圧器のエネルギー効率基準が段階的に引き上げられてきました。

2006年に変圧器がトップランナー制度の対象に加えられて以来、新しい製品ほど鉄心材質の改良や巻線構造の工夫により無負荷損失(負荷がなくても常時発生する鉄損)および負荷損失(通電時に発生する銅損)が大幅に低減されています。その結果、たとえば1980年代以前に製造された古い変圧器と現在のトップランナー変圧器を比較すると、エネルギーロス(損失量)は40~60%も削減されているとの報告があります。無駄な電力損失が減る分だけ電気料金の削減効果が期待でき、マンション全体のランニングコスト低減につながります。特に夜間や休日など負荷の小さい時間帯にも無負荷損は常に発生しますが、高効率品に更新することでこうした待機損失を抑えられる点は見逃せません。

また、省エネ型の変圧器への更新は、CO₂排出量削減効果も持ちます。電力使用量を削減することはマンションの環境負荷低減や、地球温暖化対策への貢献にもつながります。近年はカーボンニュートラルやSDGsへの取り組みが重視されており、管理組合として設備更新時に省エネ性を意識することは、マンションの価値向上や社会的評価の面でもプラスに働くでしょう。

なお、トップランナー基準そのものは定期的に見直されており、2026年度からは変圧器の省エネ基準がさらに厳格化されることがすでに決定しています。現在稼働中の変圧器は、その半数以上が製造から20年以上経過した旧式といわれている中、今後交換を行うのであれば、次世代基準を満たした製品を選定することで、将来的な規制強化に対しても先手を打つことが可能です。

具体的な製品選定にあたっては、メーカーのカタログにて「省エネ法トップランナー基準適合品」であることを確認するとよいでしょう。また、アモルファス合金鉄心採用トランスやキャスト樹脂(モールド)トランスなど、用途に応じた高効率タイプも存在します。専門家と相談のうえ、現在の電力使用状況や負荷特性に見合った最適な省エネ変圧器を導入することが重要です。

変圧器交換の費用相場:キュービクル全体 vs 部分交換の違い

肝心の費用面についても把握しておきましょう。キュービクル内の変圧器交換にかかる費用は、設備容量や設置環境、交換の範囲によって大きく変動します。一般にマンション規模の高圧受電設備更新は数百万円単位の出費となるケースが多く、管理組合として事前に資金計画を練る必要があります。

まず交換範囲について、大きく2通りの選択肢があります。

変圧器単体の更新(部分交換)

既存キュービクルの外箱や他の開閉器・計器類はそのままに、劣化した変圧器のみを新しいものに置き換える方法です。メリットは工事規模が比較的小さく、費用を抑えられる点です。また、他の機器を順次更新することでコストを段階的に平準化できます。

ただし、変圧器以外の機器も年数相応に劣化している場合、結局近い将来に追加工事が必要になる可能性があります。外箱(キュービクル本体)の経年劣化が激しい場合や、安全基準の旧式化が著しい場合には部分交換にも限界があります。延命効果は数年~十数年程度と考え、根本的にはいずれ全体更新が必要になる点に留意しましょう。

キュービクル一式の更新(全交換)

受変電設備まるごと新調する方法です。高圧受電盤・変圧器・低圧配電盤などキュービクル内の主要機器をすべて最新型に更新するため、安全性・信頼性は飛躍的に向上します。省エネ性能もトータルで向上し、将来にわたり安心して運用できます。一方、工事費用は部分交換に比べて高額になります。また、工事に伴う停電時間も長くなる可能性があります。ただ、設備が20年以上経過している場合は既存筐体や母線も含め老朽化していることが多く、結果的に一括更新したほうがコストパフォーマンスが良いケースも少なくありません。

では、具体的な費用相場を見てみます。変圧器交換を含むキュービクル更新工事費用の目安は容量規模ごとに以下の通りです。

・小規模(受電容量100kW程度)

約200万円前後(小規模テナントビル・コンビニ等)

・中規模(200kW程度)

約350~450万円(中規模オフィスビル・小規模工場等)

・中~大規模(300kW程度)

約550~650万円(大規模マンション・スーパー・中規模工場等)

・大規模(500kW程度)

約800~1200万円(大型商業施設・病院・大規模工場等)

※上記はキュービクル本体価格と工事施工費を合計した概算であり、現場条件によって増減します。たとえばクレーン車が必要か、ケーブル配線工事の距離、夜間工事の割増、旧設備の撤去処分費、停電に伴うテナント補償費など、個別事情で追加費用が発生します。見積もりを依頼する際は、機器代・工事代・付帯費用・停電対策費等の内訳が明確になっているかを確認し、複数社から相見積もりを取ることで適正価格を判断すると良いでしょう。

費用削減の工夫と補助制度

費用面の負担を軽減する方法として、いくつかの選択肢があります。

計画的な積立

長期修繕計画に従い、耐用年数に合わせて修繕積立金から更新費用を手当てしておくことが理想です。マンション管理組合の場合、変圧器やキュービクル更新を長期修繕計画に組み込み、15~20年目に○百万円といった形で事前に積み立てを行っているケースもあります。計画的積立が不十分な場合でも、年次の余剰金などを充当するなど資金繰りの工夫が必要です。

リース・レンタルの活用

初期費用が大きい場合、設備リース会社のサービスを利用し月額払いで導入する方法も検討できます。リース料は経費処理可能なため節税効果もあり、一度に多額の資金を拠出せず更新できるメリットがあります。ただし総支払額は割高になるため、金利相当分も含めて総合的に判断しましょう。

補助金・税制優遇の利用

2026年現在、老朽受変電設備そのものの更新に直接使える国の補助金は多くありませんが、省エネや防災目的で間接的に活用できる制度があります。たとえば変圧器をトップランナー基準適合の高効率品に更新する場合、経済産業省所管の省エネ設備導入補助金の対象となり得ます。また、中小企業向けの事業継続計画(BCP)策定支援補助で電源設備更新が支援対象に含まれるケースや、自治体独自に老朽設備更新や耐震化に対する助成制度を設けている場合もあります。工事実施年度によって募集状況が変わるため、経済産業省や自治体の公募情報を定期的にチェックし、使えそうな制度がないか検討してみましょう。

さらに税制面では、一定の省エネ設備を導入した場合に即時償却や税額控除が認められる制度(グリーン投資減税など)が実施された例もあります。これらは時限措置のことが多いため、設備更新を検討する際に最新の税制優遇策も専門家に確認すると良いでしょう。

交換工事の工期と必要な手続き

変圧器交換工事の一般的な流れを理解しておくことも、管理組合にとって重要です。高圧設備の更新工事は、事前準備から施工・復旧まで多くのステップがあり、関係各所との入念な調整が不可欠となります。マンションの場合、居住者への影響を最小限に抑えつつ安全に工事を実施するために、以下のような手順で進められます。

現地調査と計画立案

まず専門の電気工事業者が現地調査を行い、既設キュービクル・変圧器の劣化状況や設置スペース、搬入経路などを確認します。変圧器の容量や現在の負荷状況、将来的な電力需要の見通しもヒアリングし、更新機器の仕様検討に役立てます。

その後、調査結果に基づき交換工事の設計を行い、機器選定や工事内容を詰めた上で見積書が提示されます。並行して電力会社との事前協議を行い、高圧受電設備を変更するための電力会社側工事費用(いわゆる工事負担金)の見積取得や、停電作業日の候補調整も始まります。

工事日程の調整と届出

関係者間で停電工事の日程を調整します。具体的には、電力会社・施工を担当する電気工事業者・マンションの管理組合(オーナー)・選任されている電気主任技術者の間で協議し、工事日と停電時間帯を決定します。マンションでは理事会承認や居住者への周知が必要となるため、管理組合側でも掲示や回覧で事前告知し、理解と協力を得るよう努めます。

また、工事内容によっては管轄官庁への各種申請も必要です。例えば消防法に基づく防火設備等の変更届や、エネルギー管理指定を受けている大規模事業所であれば省エネ法の変更届などが該当する場合があります。工事業者がこうした行政手続きを代行してくれるケースが多いですが、管理組合側でも提出書類への記名押印など協力が求められることがあります。

旧設備の停電・撤去と新設備据付工事

決められた日時に電力会社の系統から一時的に受電を停止(停電)し、工事を開始します。まず既存の古い変圧器をはじめキュービクル内機器の撤去作業を行い、その後、新しい変圧器および関連機器を所定の位置に据え付けます。変圧器の重量によってはクレーン車を手配し屋上や高所からの吊り上げ搬入を行う必要があります。据付後、電気的な接続工事(高圧ケーブルや母線の接続作業など)を行い、保護継電器の動作試験や絶縁耐圧試験といった所定の検査も実施します。マンションによっては受電設備が狭小な場所にある場合もあり、その際は作業スペースの確保に工夫が必要です。工事当日は関係者以外立ち入らないよう養生と安全措置が取られます。

試運転・復電(再送電)と最終確認

新しい変圧器の据付と結線が完了したら、まず無電圧状態で機器の最終チェックを行います。その後、工事責任者である電気主任技術者が使用前自己確認(自主検査)を実施します。これは電気事業法に基づき、高圧電気工作物を新たに使用開始する際に義務付けられた検査で、設備が技術基準に適合し安全に運転できることを確認するプロセスです。主任技術者による検査で問題がなければ、電力会社の担当者立会いのもと受電を再開(復電作業)し、新しいキュービクルへの切替が完了します。

ここまでの一連の作業で発生する停電時間は、通常半日(6~8時間程度)で収まるケースが一般的です。周到な段取りと手際の良い施工によって、マンション全体の電気が止まる時間を極力短縮することが可能です。

工事そのものの計画期間は、初期の調査・設計段階から完了まで含めると数か月単位に及ぶことが多いです。しかし、事前準備と調整を綿密に行うことで、実際の停電時間を最小限に抑え、居住者への影響を減らすことができます。管理組合としても、必要に応じて住民説明会を開いて工事概要やスケジュールを説明し、協力を仰ぐことが成功のカギとなります。

停電中の影響緩和策

停電はマンションの住民生活に影響を及ぼすため、可能な限り緩和策を講じます。例えば以下のような対策があります。

仮設電源の用意

長時間の停電が許されない共用設備や、防犯上重要な照明・機器については、可搬型発電機や仮設受電設備を設置してバックアップ電源を供給します。エレベーター、非常灯、防災設備など、人命や安全に関わる設備には予備電源で最低限の電力を維持する措置が重要です。病院等を併設している場合は尚更慎重な対応が必要です。

工事時間帯の工夫

マンションでは比較的利用者が少ない深夜や早朝に停電作業を行うことが多いです。深夜帯であれば在宅中の住民も就寝時間帯となり、エアコンやテレビなどの需要も少なくなるため影響を抑えられます。ただし夜間作業には騒音や人員割増の問題もあるため、近隣への配慮や予算面とのバランスを考えて決定します。

段階施工・系統分離

マンションの電源系統が複数に分かれている場合、一度に全館を停電させるのではなく、系統ごとに順次工事することで一部エリアの電気は生かしたまま作業する方法もあります。ただし高圧受電設備は一般に一本化されていることが多く、あまり適用できるケースは多くありません。非常用発電機を設置している建物であれば、工事期間中は非常用発電機を手動起動して共用部電源を賄うといった工夫も考えられます。

以上のように、周到な計画と事前対策によって変圧器交換工事による停電の影響は最小限に抑えることが可能です。管理組合は工事業者や電気主任技術者、電力会社と連携し、安全第一で円滑な工事進行をサポートしましょう。

まとめ:計画的な変圧器更新で安全・省エネなマンション運営を

マンションのキュービクル変圧器は、建物の電力供給を支える重要インフラです。法定耐用年数(15年)を過ぎても使用は可能ですが、実務的には20年前後を目処に更新を検討し、25年を超える前には交換を完了しておくことが望ましいとされています。

経年劣化に伴う異音・発熱・漏電などの兆候が見られたら、年数に関わらず早急な対応が必要です。またPCB汚染の恐れがある古い変圧器は法律で使用継続が禁止されており、定められた期限内での撤去・処分が義務付けられています。管理組合として、自主管理で見落としがないよう専門業者の診断を活用し、法令順守に努めましょう。

変圧器を新しくする際は高効率トップランナー変圧器を選定することで、長期的な電力コスト削減とCO₂排出削減に寄与します。初期費用はかかりますが、最新設備への更新は省エネによる光熱費削減効果やトラブル低減によって将来的に元が取れる投資とも言えます。交換費用は規模によりますが数百万円単位になるため、長期修繕計画に盛り込んで早めに積立を行うことが理想です。資金が不足する場合でも、国や自治体の補助金・助成制度の活用やリース契約による平準化など対策がありますので、情報収集と検討を重ねましょう。

最後に、交換工事を円滑に進めるためには専門家との連携が不可欠です。信頼できる電気工事業者を選定し、電気主任技術者や電力会社とも協力して詳細な計画を立てれば、工期の短縮と安全確保が実現できます。マンション管理組合として、居住者の安心・安全な暮らしを守るためにも、高圧受電設備の老朽化リスクに敏感になり、計画的な変圧器更新に取り組んでください。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

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