大規模修繕で行う外壁塗装とは?工程・費用・注意点を専門家が解説
更新日:2025年07月30日(水)
マンションなどの集合住宅では、建物の経年劣化に応じて定期的な「大規模修繕工事」を行い、建物の寿命を延ばし資産価値を維持することが不可欠です。なかでも外壁塗装工事は大規模修繕の中核となる工事の一つで、単なる美観のリフォームに留まらず建物の耐久性・安全性に直結します。 外壁塗装を適切に行うことは、建物を雨風や紫外線から保護して劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばし資産価値を高める重要な要素です。例えば国土交通省の資料でも、鉄筋コンクリート造の外壁は築12年程度で補修・塗装が必要と言われており、放置すれば人が住めない状態になる可能性も指摘されています。 本記事では、大規模修繕で行う外壁塗装について、その目的・効果から工程、費用相場、業者選びのポイントを解説します。
外壁塗装の目的と効果
外壁塗装には大きく分けて次のような目的と効果があります。
防水性能の向上(雨水侵入の防止)
外壁の塗膜には雨水の侵入を防ぐ機能があり、建物内部への水分浸入を遮断します。塗装にひび割れや剥がれが生じて塗膜が劣化すると、そこから雨水が壁内部に侵入しコンクリートの中性化や鉄筋腐食を招き、構造耐久性に深刻な悪影響を与えかねません。定期的に塗装膜を維持することで防水性を確保し、雨漏りや構造体の劣化を防止できます。
美観の維持・向上
外壁は建物の「顔」であり、外観が美しく保たれているかどうかで建物の印象や評価は大きく変わります。塗装の塗り替えによって経年による色あせや汚れを一新し、新築時のような外観を取り戻すことができます。美観の向上は入居者の満足度アップや空室対策効果につながり、周辺環境との調和も図れます。また、適切な外壁塗装は建物がしっかり手入れされている証拠となり資産価値の維持・向上に直結すると言えるでしょう。定期的に綺麗な外観を保つことは、将来的な売却時にもプラス評価を生みます。
劣化防止と建物寿命の延長
外壁塗装は建物本体(構造躯体)を保護する重要な役割も担っています。紫外線や風雨などによる外壁材の劣化を塗膜でカバーし、コンクリートのひび割れ発生や鉄部のサビ発生を未然に防ぎます。塗膜が健全であれば外壁材が直接ダメージを受けにくくなるため、建物自体の寿命を延ばし、結果的に資産価値を長期的に支える効果があります。また近年の高機能塗料(遮熱塗料や断熱塗料等)を使えば、防水性だけでなく断熱性・耐候性も向上し建物の性能アップにも寄与します。逆に塗装の放置により外壁内部まで劣化が進行すると、大掛かりな補修が必要となり修繕コストも増大するため、早めの塗装メンテナンスが長期的に見て経済的です。
以上のように、外壁塗装は防水機能の確保、建物美観の維持、そして劣化防止による構造保護という三つの効果を通じて建物価値を守る重要なメンテナンスです。実際、専門業者の調査でも「塗装工事は建物の寿命延長と資産価値維持に不可欠な重要作業」であり、風雨や紫外線から躯体を保護し将来の高額な修繕費用発生も抑制する役割を担うと強調されています。
なぜ大規模修繕で外壁塗装が必要なのか?
マンションの大規模修繕工事では、おおむね築12~15年目ごとに外壁塗装を含む改修工事が行われるのが一般的です。これはなぜでしょうか。その理由は主に次の3点に集約されます。
国のガイドラインで12〜15年周期が推奨されているため
国土交通省が策定した「長期修繕計画作成ガイドライン」において、外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕工事は12〜15年周期で実施することが標準的と示されています。マンション管理組合はこの長期修繕計画に基づき中長期の修繕スケジュールを立てるのが一般的であり、ガイドラインに準拠することで計画的な実施と合意形成、資金計画の円滑化が期待できます。実際、国交省の令和3年度調査でも、大規模修繕の実施間隔は「13年」が最多で「12年」「14年」「15年」と続き、全体の約7割が12~15年周期に集中しています。このように公的指針に沿った修繕周期で外壁塗装を行うことが建物維持管理の基本とされています。
建築基準法に基づく外壁の定期調査時期と一致するため
2008年の建築基準法改正により、高さが一定以上の建築物では築10年超で外壁の全面打診調査(外壁安全点検)を行うことが義務化されました。これは外壁タイルの剥落事故防止のため、タイル貼りの建物では10年経過後3年以内に専門調査を実施するよう定めたものです。この全面打診調査を行うには足場設置が必要で費用もかかるため、調査のタイミングに合わせて大規模修繕工事(外壁補修・塗装)も同時に行うケースが一般的です。一度に調査と補修・塗装を実施すれば足場費用の節約になるうえ、劣化部分の早期発見と速やかな修理ができて効率的です。このように法定点検サイクルに併せて外壁塗装を実施する合理性も、12〜15年周期が採用される理由の一つです。
塗料や防水材の耐用年数が約8〜12年程度で劣化するため
使用する塗料種別にもよりますが、マンション外壁に使われる塗料の寿命は長くても12年程度が一つの目安です。2年以上経過すると、塗膜の剥がれやひび割れ、退色・チョーキング(白い粉吹き)などが生じやすくなり、防水性能が低下して雨水侵入のリスクが高まります。外壁や屋上防水層は建物を守る重要な役割を果たしているため、劣化が進むと構造体にダメージを与えかねません。そこで塗料が劣化し本来の性能を発揮できなくなる前に塗り替える必要があり、結果として約12年周期での外壁塗装実施が望ましいとされています。耐久性の高い塗材を使用することで多少周期を延ばすことも可能ですが(例:フッ素樹脂塗料や高耐久防水材への変更)、それでも15~20年程度で再度の塗装・防水が必要になります。したがって、塗料の劣化サイクルを踏まえると12年前後での大規模修繕計画が理に適っているのです。
以上の理由から、「長期修繕計画ガイドライン」「法定の外壁安全調査」「塗膜・防水材の劣化時期」の観点で大規模修繕工事は12~15年周期が適切とされています。もちろん、立地環境(海沿いで塩害がある等)や建物構造により劣化の早い場合は前倒しも検討すべきですが、いずれにせよ管理組合は長期修繕計画に沿って計画的に外壁塗装を実施し、建物の資産価値低下を防ぐ必要があります。
外壁塗装の流れと工法
大規模修繕における外壁塗装工事は、いくつかの段階を踏んで丁寧に進められます。その一般的な工程(プロセス)は次のとおりです。
足場設置・高圧洗浄
まず建物の外周に作業用の足場を組み、防護ネット(メッシュシート)で覆います。次に高圧洗浄機で外壁表面の汚れ・埃やカビ・藻を徹底的に洗い落とします。古い塗膜が劣化している場合は洗浄時に浮きや剥がれも除去し、塗装の密着性を高めるための下地処理を行います。
下地補修(下地処理)
洗浄後、外壁のひび割れ(クラック)やコンクリートの欠損、浮いている旧塗膜やサビなどを修補します。具体的にはひび割れ部分へのシーリング材充填、欠損部へのモルタル補修、鉄部のケレン作業(錆落とし)などを実施します。下地補修工事は建物を長持ちさせるために欠かせない重要工程であり、補修を怠ると塗装後に不具合が再発する原因となります。下地を平滑・健全な状態に整えることで、この後に塗る塗料がしっかり定着し耐久性を発揮できるのです。
下塗り(プライマー塗布)
下地処理完了後、塗装の一層目として「下塗り」塗料を塗布します。下塗り剤(シーラーやプライマーと呼ばれる塗料)は接着剤のような役割を果たし、コンクリート・モルタル等の下地と上塗り塗料との密着性を高めます。透明や薄い色の下塗り材を外壁全面にむらなく塗り、塗膜の基礎を作ります。
中塗り・上塗り
続いて仕上げ塗料による中塗り・上塗り(2回塗り重ね)を行います。中塗りでは塗膜に所定の厚みを確保し、防水性・耐候性など塗膜性能を十分発揮させる層を作ります。乾燥後、同じ塗料で上塗り(仕上げ塗装)を実施し、色ムラのない美しい外観と均一な保護膜を完成させます。上塗りは見た目を整えるだけでなく表面を耐久性のある層で覆う重要な工程です。なお塗装工事では「下塗り1回+中塗り・上塗り2回」の計3回塗りが基本であり、見た目では省略が分かりにくい部分なだけに手抜きされないよう注意が必要です。適切な3工程を踏むことで塗膜本来の耐久性が発揮され、施工不良(塗りムラ・早期剥離など)を防ぎます。
乾燥・仕上げ・完了検査
最後に塗料を十分に乾燥させた後、細かな補修や塗り残しがないか確認して仕上げ作業と完了検査を行います。足場を解体する前に施工者・監督者が塗装面をくまなく点検し、不備があれば手直し塗りを実施します。問題がなければ足場を撤去し清掃を行って工事完了です。完了後には施工業者から保証書が発行され、塗膜の剥離や変色など一定期間の不具合補修が保証されます。
各工程で専門の職人が丁寧に作業することで、高品質な外壁塗装仕上げが実現します。特に下地処理と三度塗りの徹底は仕上がりの良し悪しを左右するため、「下地が命」「塗装は重ね塗り命」と言われる所以です。大規模修繕ではこれら工程の他に養生作業(窓や床をビニールシートで覆い塗料の飛散を防止)やシーリング打替え(外壁目地や窓枠周りのゴム材を更新)など関連作業も並行して行われます。工事中は足場や洗浄作業の音、塗料臭などで居住者に負担がかかりますが、事前周知とマナー遵守の下、安全第一で進められます。
外壁塗装の費用相場と見積もりの見方
外壁塗装工事にかかる費用は建物規模や形状、使用する塗料の種類、下地補修の量などに応じて大きく変動します。一般的にマンション外壁塗装の費用相場を把握するには、まず「単価 × 面積」で概算します。塗装単価は「円/㎡」あるいは「円/坪(3.3㎡)」で表示されることが多く、採用する塗料グレードによって単価が大きく異なります。
例えば、耐久性とコストバランスが良く普及しているシリコン塗料の場合、3回塗り施工で1㎡あたり約2,200~3,000円程度が一つの目安です(※1坪≒3.3㎡あたり約7,000~10,000円)。これに対し高耐久なフッ素塗料では1㎡あたり3,600~4,600円程度と単価は上がりますが、耐用年数も15~20年と長くなります。ウレタン塗料はシリコンより安価ですが耐用年数8~10年と短め、アクリル塗料は最も安価な反面耐久性5~7年で近年ほとんど使われない、といった特徴があります。管理組合としては塗料の種類ごとの耐久年数と費用のバランスを考慮し、長期的なライフサイクルコスト(LCC)観点で最適な塗料選定を行うことが重要です。
見積書のチェックポイントについても押さえておきましょう。
外壁塗装の見積もりには通常、以下のような主要費用項目が明記されます。
足場仮設費
安全な作業のための足場設置費用。高所作業には必須で、総工費の中でも大きな割合を占めます。
高圧洗浄・下地処理費
塗装前の洗浄やひび割れ補修、下地調整にかかる費用。外壁の汚れ落としからクラック補修、鉄部のサビ落としまで含まれます。
塗料代・塗装工費
選定した塗料の材料費と塗装作業の人件費。塗料の種類(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素等)によって単価が大きく異なり、塗装面積に応じて算出されます。使用塗料のメーカー名やグレード、塗布回数も要確認です。
共通仮設費
工事全体で必要となる仮設設備や安全対策費用(仮設トイレ、養生シート、照明・防犯カメラ等の設置費)が含まれます。
諸経費
現場管理費や廃材処分費、近隣対応費用などが計上される場合もあります。
見積もりを確認する際は、各費用項目の単価や数量が妥当かをチェックしましょう。特に「○○一式」という表記で明細が不明瞭な場合は内訳を質問し、不明点をクリアにすることが大切です。また、提示された総額が適正か判断するため複数業者から相見積もりを取って比較検討することも有効です。複数社の提案内容・価格・使用塗料・保証内容を総合的に比較すれば、極端に高すぎる/安すぎる見積もりや不要な工事項目の有無を見極められます。相場より安い場合は手抜き工事のリスクもあるため、どうして安いのか理由を確認し、不明瞭なら契約しない勇気も必要です。
さらに長期保証やアフターサービスについても見積時に確認しましょう。塗装工事には一般に5~10年程度の保証が付きますが、保証範囲(塗膜の剥離・変色・ひび割れ等どこまでカバーするか)や条件は業者によって異なります。口頭説明だけでなく書面で保証内容を提示できるか、保証書を発行してくれるかも信頼性の目安です。このように費用面では単価・相場の理解と見積書の精査が重要であり、安易に安さだけで選ばず適正価格で確実な工事をしてくれる業者を見極めることが、結果的に資産を守ることにつながります。
よくあるトラブルと業者選びのポイント
外壁塗装工事では、業者選定を誤ると施工不良や金銭トラブルに発展するリスクがあります。過去には「塗り残しや塗膜の厚み不足」「下地補修の手抜き」により数年で塗装が剥がれ再工事が必要になった事例や、不当に高額な追加請求をされたケースなども報告されています。また、大規模修繕では居住者全体の合意のもと高額な費用を投じるため、信頼できる業者に任せないと資産価値を損なうだけでなく居住者間のトラブルにもなりかねません。そこで、業者選びでは以下のポイントに着目しましょう。
豊富な実績と専門性の確認
まず候補業者の施工実績を調べ、特に自社でマンション大規模修繕や外壁塗装の十分な経験があるか確認します。同規模マンションでの実績が豊富な会社は様々なケースに対応したノウハウがあり安心です。さらに建物調査診断から工法提案まで具体的かつ分かりやすく説明できるかも重要な指標です。専門用語ばかりでなく管理組合や居住者に丁寧に説明できる業者を選びましょう。有資格者の有無もチェックポイントです。例えば外壁診断士や1級建築施工管理技士など専門資格者が在籍していれば、技術力や知見が担保されていると判断できます。
充実した保証内容の確認
前述の通り塗装工事には5~10年の保証が一般的に付きますが、その保証内容を契約前にしっかり確認することが肝心です。「どのような不具合が何年間保証されるのか(塗膜剥離・変色・ひび割れ等)」「保証の対応条件(定期点検の有無など)」を細かくチェックしましょう。保証書を発行してもらい、口頭説明のみにならないようにすることで、万一のトラブル時にも適切な対応が受けられます。保証が曖昧な業者や「○年保証」と謳いながら実際は対象が限定的な場合もあるため注意が必要です。書面で明記された保証は施工業者の責任とアフターサービスへの本気度を示すものでもあります。
住民対応含めた丁寧な姿勢
大規模修繕では長期間にわたり居住者の生活への影響(足場や洗浄の騒音、塗料の臭い、ベランダ使用制限など)が避けられません。したがって、施工中のコミュニケーション対応が良好かも重要なポイントです。信頼できる業者は事前説明会で工事内容・スケジュールを丁寧に説明し、工事中も定期的に進捗報告や周知を行います。さらに居住者からの問い合わせや苦情にも誠実かつ迅速に対応し、問題発生時に柔軟に対処してくれる姿勢がある会社を選びましょう。例えば塗料臭に敏感な方への配慮(換気案内や低臭塗料の提案)、ベランダ制限日程の周知徹底など、細やかな気遣いができる業者は信頼に値します。工事着工前に住民アンケートや説明資料を用意して意見を汲み上げてくれる会社であれば、合意形成もスムーズでトラブルが起きにくいでしょう。
適正な契約と管理体制
最後に、契約内容や施工管理体制も確認しましょう。契約書に工事内容・範囲、使用材料、金額、工期、保証条件などが明記されているか、不明点はないかチェックします。さらに自社施工か下請け任せか、現場監督者は配置されるか、工程ごとに検査を行うか、といった品質管理の取り組みもヒアリングすると安心です。必要に応じて建築コンサルタント等第三者に確認してもらうことも有効です(第三者監理者がいれば品質や費用の適正チェックが期待できます)。いずれにせよ、「実績」「保証」「対応力」「管理体制」の観点で信頼に足る業者を選ぶことが、外壁塗装工事成功のカギとなります。管理組合として複数社の提案を比較し、総合的に最も信頼できるパートナーを慎重に選定しましょう。
外壁塗装でよくある質問
Q1. 下塗り・中塗り・上塗りにはそれぞれどんな意味があるの?
A. 外壁塗装の3工程には役割が分担されています。下塗りは下地と仕上げ塗料を密着させる接着の役割で、シーラー等の下塗剤を塗って塗膜の基礎を作ります。。中塗りは仕上げ塗料で厚みをつける工程で、防水性・耐候性など塗膜性能を補強します。上塗りは最終仕上げの層で、美観を整えるとともに表面を保護する役割があります。見た目は同じ色でも、中塗りを省略したり塗膜厚が不足すると耐久性に大きな差が出ます。適切に3回塗りを行うことで塗料本来の性能が発揮され、長持ちする外壁に仕上がります。
Q2. 外壁塗装後の効果はどれくらい持続しますか?次の塗り替え時期は?
A. 塗装の耐久年数は使用する塗料の種類や建物環境によります。一般的なシリコン塗料なら約10~15年程度、高耐久のフッ素塗料なら15~20年前後が次回塗り替え目安です。一方、ウレタン塗料では8~10年、安価なアクリル塗料では5~7年ほどと短く、現在のマンション修繕では耐久性に難があるためあまり使われません。国土交通省のガイドラインでも12~15年周期での外壁塗装が推奨されており、実際のマンションでも初回大規模修繕は築12年前後で行われるケースが多いです。ただし海沿いで塩害がある等環境が厳しい場合は劣化が早まり10年程度で再塗装が必要になることもあります。定期的に外壁診断を行い、チョーキング(白粉化)や塗膜の割れ・剥がれが見られたら計画より早めでも塗り替えを検討すると安心です。
Q3. 塗装工事中のシンナー臭が心配です。臭いへの対策や健康への影響は?
A. 外壁塗装では溶剤系塗料を使う場合、作業中や乾燥中に独特の臭気(塗料・シンナー臭)が発生します。屋外での作業のため通常は人体への有害性は低いとされていますが、臭いに敏感な方や呼吸器が弱い方には不快に感じることがあります。対策として、工事期間中は臭いの出る作業日に窓を閉め切る・換気は反対側の窓で行うなどが推奨されます。施工業者も臭気が室内に入りにくい低臭塗料の提案や、事前のお知らせで注意喚起を行っています。なお昨今は水性塗料の採用も増えており、溶剤臭が少ない工法も選択肢にあります。事前に業者へ相談し、臭気対策を講じてもらうとよいでしょう。
Q4. 工事期間中、ベランダで洗濯物を干すことはできますか?
A. 基本的に外壁塗装工事中はバルコニーの使用は制限されます。足場を架設している期間は防犯や安全上、ほとんどのマンションで外に布団や洗濯物を干すことを禁止されます。特に塗装工程の際は塗料の飛散防止のためベランダ立入禁止の日が設定されます。各家庭のベランダ手すりや壁も塗装対象になるため、作業日に物干し竿やエアコン室外機の移動をお願いされることもあります。工事前に配布されるお知らせや掲示板に使用制限のスケジュールが掲示されますので、期間中は天気が良くても室内干しの準備をしておきましょう。どうしても外干ししたい大型の寝具等がある場合は、工事の合間(塗装しない日)に干すなど業者と相談してください。
まとめ:資産価値を守るための計画的外壁塗装
外壁塗装工事は単なる建物外観のリニューアルではなく、建物の耐久性向上と資産価値維持に不可欠なメンテナンスです。定期的な塗装により風雨や紫外線から躯体を保護し防水性を向上させることで、構造的な劣化を防ぎ将来的な高額修繕の発生も抑制できます。こうした効果を発揮させるためには、適切な時期に適切な方法で計画的に工事を行うことが何より重要です。
マンションの長期修繕計画に基づき、築年数や劣化状況に応じて最適なタイミングで外壁塗装を実施しましょう。工事にあたっては信頼できる専門業者や建築士、コンサルタントと緊密に連携し、事前の調査診断から仕様選定、住民合意形成まで丁寧に進めることが大切です。工事期間中も居住者への周知徹底と迅速な対応に努め、トラブルを未然に防ぐ配慮が欠かせません。
計画的な外壁塗装と適切な維持管理を続けることで、建物の美観・機能・安全性が長期にわたり保たれ、マンションの資産価値を将来にわたって守ることができます。定期メンテナンスの積み重ねが快適な住環境を次世代へ引き継ぐ鍵となります。ぜひ本記事を参考に、大切な建物を守るための外壁塗装計画にお役立てください。専門家の知見と信頼できる施工で、皆様のマンションの価値を末長く維持していきましょう。
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本記事の著者

鵜沢 辰史
信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。
本記事の監修者
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遠藤 七保
大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。
二級建築士,管理業務主任者
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