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エレベーターの調速機とは?耐用年数や交換費用、工事依頼のポイント

更新日:2025年08月29日(金)

エレベーターの安全運行において調速機は極めて重要な安全装置です。多くの建物で日常的に利用されているエレベーターの安全性を支える調速機について、その仕組みから耐用年数、交換費用、工事依頼時の注意点まで詳しく解説します。適切な知識を身につけることで、安全性を確保しながらコストを抑えた効率的な管理が可能になります。

本記事のポイント
  • 調速機の仕組みと法的背景を理解できる。
  • 耐用年数と交換すべきタイミングがわかる。
  • 交換費用やコストダウン手法、業者選びのコツを学べる。

エレベーターの安全運行において調速機は極めて重要な安全装置です。多くの建物で日常的に利用されているエレベーターの安全性を支える調速機について、その仕組みから耐用年数、交換費用、工事依頼時の注意点まで詳しく解説します。適切な知識を身につけることで、安全性を確保しながらコストを抑えた効率的な管理が可能になります。

エレベーターの調速機とは?

調速機(ガバナ)は、エレベーターの速度を常に監視し、異常な過速度を検知して安全装置を作動させる、エレベーターの安全運行に不可欠な装置です。

建築基準法施行令第129条の10第2項および平成12年建設省告示第1423号により、調速機の設置が法的に義務付けられています。国土交通省の資料によると、調速機は「定格速度に相当する速度の1.3倍及び1.4倍を検知して所定の動作を行う装置」として定義されています。

一般社団法人日本エレベーター協会の資料では、調速機が以下の段階的な安全機能を持つことが示されています。

・定格速度の約125%で過速検出スイッチが動作し、電動機への電源を遮断

・定格速度の約135%でロープキャッチが調速機ロープをつかみ、非常止め装置を作動

調速機は機械室に設置され、調速機ロープ(ガバナロープ)を介してかごの速度を監視しています。調速機の主輪が回転し、振子が遠心力により外側に広がることで速度を検出する仕組みです。

動作原理は以下の通りです。

速度監視:かごの昇降に同期して調速機の主輪が回転し、振子の位置で速度を検出

第一段階作動:定格速度の1.3倍で過速スイッチが作動し、電気的にエレベーターを停止

第二段階作動:さらに速度が上昇した場合、調速機ロープをつかんで非常止め装置を機械的に作動

日本産業規格JIS A 4304:2016「エレベータ用調速機」では、調速機の安全条件が詳細に規定されており、エレベーターの種類(トラクション式、巻胴式、油圧式)に応じた適切な調速機の設置が求められています。

エレベーターの調速機の耐用年数

エレベーターの調速機は、一般的に耐用年数が約20年~25年とされており、制御リニューアルの際に交換されるのが通常です。使用環境や稼働頻度によって多少前後する場合がありますが、長期間安全に運行するためには、この目安での計画的な更新が推奨されます。なお、エレベーター本体の寿命は適切な保守点検を継続すれば20年~25年程度が一般的とされており、調速機もこの期間内での交換が想定されています。

調速機の耐用年数に影響する要因は以下の通りです。

【使用頻度による影響】

高頻度使用建物:15年程度での交換検討

標準的使用:15~20年での交換

低頻度使用:20年以上の使用も可能

【環境による影響】

機械室の温度・湿度条件

塩害地域での設置

振動の多い環境での設置

【劣化の兆候】

調速機交換を検討すべき症状として以下があります。

調速機ロープの破断やさび

過速スイッチの動作不良

引抜き力の低下

定期点検により、10年を超えた調速機については詳細な状態確認を行い、交換時期を適切に判断することが重要です。

エレベーターの調速機を交換する費用

調速機単体の交換費用は数十万円から100万円程度が相場ですが、関連工事を含めると総額でさらに高額になる場合があります。エレベーターの主要部品交換には一定の目安があり、費用は部品代と工事費用の両面から構成されます。

調速機交換費用の内訳(一般的な目安)

調速機本体費用

標準的な調速機:30万円~80万円

高性能・特殊仕様:80万円~150万円

調速機ロープ:5万円~15万円

工事関連費用

設置工事費:20万円~50万円

調整・試験費用:10万円~30万円

足場・安全対策費:10万円~20万円

その他費用

運搬費:5万円~15万円

廃棄処分費:3万円~8万円

検査・届出費用:5万円~10万円

➡ 総額目安:70万円~300万円程度

費用が変動する要因

エレベーターの種類・仕様(ロープ式・油圧式など)

建物の立地や搬入経路の条件

工事の緊急性(計画工事か緊急対応か)

他の部品交換やリニューアル工事との同時実施有無

また、保守契約をメーカー系に委託する場合と、独立系保守会社を活用する場合で費用に差が生じることがあります。一般的には、独立系の方が20~40%程度コストを抑えられるケースもあります。

エレベーターの調速機交換を依頼するときのポイント

調速機はエレベーターの安全を守る重要な装置です。交換や更新を検討する際は、業者選定から費用、工事内容まで慎重な判断が求められます。ここでは依頼時に押さえておきたい3つのポイントを整理します。

その1:業者の技術力と実績を確認する

調速機の交換は高度な専門技術を要するため、十分な実績と技術力を持つ業者を選定することが不可欠です。不適切な施工は重大事故のリスクにつながるため、信頼できる業者を見極めることが第一歩です。

確認すべき技術力の指標

有資格者の在籍(昇降機検査資格者、電気工事士など)

同種工事の実績数

メーカーを問わず対応できるか

緊急対応体制(24時間365日など)

信頼できる業者は、詳細な工事計画や安全管理体制を提示し、工事後のフォロー体制も明確に説明します。

その2:相見積もりで適正価格を把握する

調速機の交換費用は高額になりやすいため、複数業者からの見積もりで価格を比較することが重要です。特にメーカー系と独立系では価格差が大きく、相見積もりを取ることで20~40%のコスト削減につながることもあります。

見積もり取得のポイント

3社程度(メーカー系と独立系を含む)から取得

仕様を統一して比較可能にする

工事範囲(本体・ロープ・関連機器)を明確化

価格だけでなく、工期・保証・アフター体制も評価

適正価格を知ることで、品質を確保しつつコストの最適化を実現できます。

その3:単体交換ではなく「制御リニューアル」で検討する

調速機は単体でも交換可能ですが、実際には20~25年程度を目安に行う「制御リニューアル工事」の中で更新されるケースが大半です。

制御リニューアルは、調速機に加えて制御盤や安全装置など複数の主要部品をまとめて更新する工事であり、次のメリットがあります。

安全性の確保:調速機だけでなく関連装置も一新され、システム全体の信頼性が高まる

費用効率の向上:部品ごとの単発工事よりも、まとめて実施する方がトータルコストを抑えやすい

工事の最小化:単体交換を繰り返すよりも、計画的なリニューアルの方が建物利用者への影響を減らせる

そのため、調速機の劣化や更新時期が近づいている場合は、単体交換にとどまらず「長期的な修繕計画の中で制御リニューアルとして実施する」方が合理的といえます。

工事のコストダウン手法

調速機交換工事のコストダウンは、業者選定の工夫、工事時期の調整、関連工事との同時実施などにより効果的に実現できます。これらは建設業界で一般的に確立された手法であり、適切に活用することで品質を損なわずに20~40%程度の費用削減が可能とされています。国土交通省の調査でも、計画的な設備更新が長期的なコスト削減につながることが示されています。

業者選定の最適化

独立系業者の活用:メーカー系比で20~40%削減

地域業者の検討:運搬費・出張費の削減

一括発注方式:複数工事をまとめて発注し単価削減

工事時期の最適化

計画的実施:緊急工事回避により5~15%削減

閑散期実施:繁忙期を避け価格交渉を有利に

長期修繕計画への組込み:予算確保と価格安定化

関連工事の同時実施

調速機・制御盤・ロープ等の同時交換

複数台を同時工事することで規模効果による削減

契約方式の工夫

保守契約の方式にはフルメンテナンス契約とPOG契約があります。

どちらが適しているかは、エレベーターの使用状況や故障リスク、予算などによって判断が分かれます。

フルメンテナンス契約:月額費用は高めですが、部品費込みで安定的な保守が可能

POG契約:月額費用は抑えられますが、部品費用が別途必要となる場合があります

契約方式を選ぶ際は、単に月額費用の安さだけでなく、長期的なコストや安全性を含めたトータルのバランスを考慮することが重要です。必要に応じて専門家の助言を得ながら判断すると安心です。

補助金・助成金の活用(利用できる場合あり)

省エネルギー対策補助金:エレベーターの省エネ改修や高効率設備導入時に、自治体によって支援を受けられる場合があります。

これらを適切に組み合わせることで、安全性と品質を維持しつつ効果的なコスト削減が可能です。ただし、過度な安さを追求すると安全性が損なわれるリスクもあるため、専門家の助言を得ながら、適正価格の範囲で最適化を図ることが重要です。

まとめ:専門家に相談しよう

調速機はエレベーターの安全運行に直結する重要装置で、15~20年を目安に計画的な更新が必要です。交換費用は70万~300万円程度が相場ですが、業者選定や工事時期の工夫により、安全性を確保しつつコストを最適化できます。 こうした工事では、技術的専門性や法令遵守、リスク管理が不可欠です。単に安さだけで業者を選ぶと、安全性に問題が生じる可能性もあります。そこで、経験豊富な専門家に相談しながら進めることが、安全かつ効率的な工事の実現につながります。長期的に安全で安心なエレベーター運行を確保するために、ぜひ信頼できる専門家の助言を活用してください。

※スマート修繕では、エレベーターの専門コンサルタント(例:独立系最大手のエレベーター会社に18年間勤務し、リニューアル、保守、修繕といった複数の部署で実務経験を積み、営業部長などの管理職も歴任した者)がご要望のヒアリングから、見積条件の設定、事業者/見積の比較選定、ご契約まで徹底サポートします。

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  • 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
  • エレベータのリニューアル工事の支援実績は多数(過去1年で数百基、2025年2月現在)。特殊品である高速、油圧、リニア、ルームレスの実績もあり、社内にはエレベーター会社、ゼネコン、修繕会社など出身の施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
  • 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

坂本 高信

坂本 高信

独立系最大手のエレベーター会社にて、営業現場および管理職として18年間従事。リニューアル、保守、修繕といった複数の部署で実務経験を積み、営業部長などの管理職も歴任。多様な案件を通じて、エレベーターの運用と維持に関する専門知識を培う。その豊富な現場経験を活かし、エレベーターリニューアルに関する実用的かつ現実的な視点から記事を監修。

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