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マンション火災報知器の誤作動が多発する原因と対策

更新日:2025年12月23日(火)

マンションなど集合住宅における火災報知器の誤作動(誤報)が頻発すると、住民の安全意識や日常生活に深刻な支障をきたします。 本記事では、火災報知器の誤作動が増える背景や主な原因、誤作動によるトラブルと対応の実態、そして消防法に基づく定期点検や機器交換サイクル(交換目安は設置後10年)について解説します。

本記事のポイント
  • 火災報知器の誤作動が増える背景と具体的な原因(経年劣化・汚れ・環境要因)を整理して理解できる
  • 誤作動によるトラブルや住民対応の実態、管理組合としての対応のポイントがわかる
  • 消防法による定期点検義務や機器の交換目安、誤作動の予防・システム更新の実務的な対策まで学べる

火災報知器の誤作動が増える背景と主な原因

マンションの火災報知器(自動火災報知設備や各住戸の住宅用火災警報器)は、設置から年数が経つにつれて老朽化し、センサーの感知精度が低下する傾向があります。また、周辺環境の変化や汚れの蓄積によっても誤作動の発生率が高くなります。

近年誤作動が増えている背景には、次のような要因が考えられます。

感知器の経年劣化

長期間使用した火災報知器は内部の電子部品や感知センサーが劣化し、正常に機能しづらくなります。設置後10年以上経過した機器では誤作動が起きる可能性が高まり、交換が推奨されます。

ホコリや虫の侵入

感知器内部にホコリがたまったり小さな虫が入り込んだりすると、煙を誤検知したり回路が誤動作して警報が鳴る場合があります。特に長期間清掃されていない機器ほどこの傾向が強まります。

湯気・蒸気や高湿度環境

台所での調理時の煙や湯気、浴室からの蒸気、梅雨時などの高温多湿な環境は、煙感知器に誤報を発生させる典型例です。

急激な温度変化

エアコンや暖房の直風が当たる位置にある感知器では、急な室温変化によって熱感知器が誤って反応することがあります。特に差動式感知器の場合、数秒の急激な温度上昇で感知してしまうため注意が必要です。

水漏れや結露

屋上や配管からの雨漏り・結露による水滴が感知器内部に入り込むと、回路がショートして誤報の原因となります。長雨の時期に誤作動が多発するのはこのためです。

周辺環境の変化

建物周囲で工事があり粉じんが発生したり、共用部で喫煙が行われるようになった場合など、設置当初とは環境が変わることで感知器が影響を受けるケースもあります。気圧の急変(台風接近時など)によっても内部空気が膨張し誤作動する例があります。

機器の老朽化

年月を経た古い火災報知設備そのものが故障・不具合を起こし、誤報につながる場合もあります。電子回路の劣化や配線の不良など、経年劣化による障害です。

以上のように「ホコリ」「湯気・蒸気」「温度差」「水分」「老朽化」が火災報知器誤作動の主な原因と言えます。消防庁も「住宅用火災警報器はホコリが入ると誤作動を起こす場合がある」と注意喚起しており、定期的な掃除と点検が必要だとしています。環境要因については設置場所の見直しや換気の徹底、機器内部の清掃など日常管理である程度予防できますが、機器自体の老朽化は避けられないため適切な時期での交換が根本的な対策となります。

誤作動が招くトラブルと夜間対応の実態

たとえ誤報と分かっていても、突然火災ベルが鳴り響けば住民は驚き不安になります。とりわけ深夜の誤作動は大きな混乱とクレームの元です。マンションでは一斉に非常ベルが鳴動するため、多くの住民が夜中に飛び起きて戸惑い、管理組合や管理会社に苦情が寄せられることもしばしばです。

夜間対応の現場では、まず本当に火災かどうか迅速に確認する必要があります。異常がないと判断できても、共用部の自動火災報知設備のベルは住民だけでは止められません。管理人室の受信盤で停止操作を行う必要があり、管理員や警備会社へ連絡して対応を依頼することになります。

深夜に管理人不在の場合は、契約先の警備会社(ALSOKやSECOMなど)の緊急連絡先に通報し指示を仰ぐか、消防署に「火災ではない可能性が高いが報知器が鳴っている」旨を連絡して対応を相談するといった流れになります。

実際、こうした対応に戸惑い時間を要してしまうケースも多く、管理組合として夜間の誤報対応マニュアルを整備し周知しておくことが望まれます。

頻繁に誤報が続くと住民の火災報知器への信頼は低下し、「また誤作動だろう」と本当の火災時に初期避難や119番通報が遅れる危険性があります。さらに悪い場合、誤作動が煩わしいからと感知器を外したり受信機の電源を切ってしまうことは消防法令違反となり、罰則の対象にもなり得ます。実際に感知器を外したまま火災が発生し重大な被害につながれば、管理責任が厳しく問われるでしょう。

このように、誤作動によるクレーム対応や夜間対応は管理組合にとって大きな負担であり、防災上のリスクも高めます。誤報が起きた際は遠慮せず消防や専門業者に相談し、原因究明と再発防止策を講じることが大切です。

例えばホコリ原因なら徹底清掃、湯気原因なら換気の徹底、電池切れなら本体ごと交換など、原因に応じた対処を行いましょ。経年劣化した古い機器であれば、この機会に新品への交換が根本解決策となります。再発防止のため、しばらくは通常より頻繁にテスト点検を行ったり、夜間でも迅速に対応できるよう連絡体制を確認するなどのフォローも必要です。

管理組合としては、住民の安心を守るため「火災時は人命第一、誤作動時でも慎重対応」の原則で冷静に対処するとともに、誤作動が続く場合は抜本的な原因解消(機器の交換・修理)に早急に乗り出すことが肝要です。

法定点検と機器交換サイクル:消防法の義務と「10年」目安

マンションの火災報知設備は法律により定期点検と維持管理が義務付けられています。加えて、機器の安全な寿命に基づき設置後10年を目安に交換することが消防当局やメーカーから強く推奨されています。

定期点検・報告の義務(消防法による維持管理)

消防法令では、建物に設置された自動火災報知設備や消火器などの消防用設備について、所有者・管理者は定期的に点検し、その結果を所轄消防署へ報告しなければならないと定められています。具体的には、6ヶ月ごとに機器点検、1年ごとに総合点検を実施し(消防庁告示による基準)、マンションのような非特定防火対象物(主に居住用建物)の場合は3年に1回、点検結果を消防署に報告する義務があります。共用部に設置された設備は有資格者(消防設備士または消防設備点検資格者)による点検が必要であり、これらを怠ると消防法に基づき罰則(30万円以下の罰金または拘留)が科されることもあります。

また、点検不備が原因で火災被害が拡大した場合には、損害賠償請求や火災保険金が支払われないなど重大な管理責任を問われるリスクも指摘されています。

したがって管理組合は、少なくとも年2回の消防設備点検を計画的に実施し、その記録を適切に保管するとともに、所轄消防署への報告を忘れず行う必要があります。点検自体は管理会社や消防設備点検業者へ委託するケースが一般的ですが、結果報告書を理事会で確認し、指摘事項があれば是正工事を行うなど主体的に維持管理していくことが大切です。消防設備点検の重要性を管理組合全体で共有し、必要な予算と体制を確保して継続することが、安全・安心なマンション運営に直結します。

火災報知器の交換時期:10年が一つの目安

火災報知器(感知器)には寿命があります。一般的に設置後おおむね10年でセンサーや電子部品の性能が劣化し、正常に作動しなくなる可能性が高まるとされています。総務省消防庁も「火災報知器の寿命は10年」と公式に案内しており、10年を目安に本体を交換するよう推奨しています。これは法律上の義務ではありませんが、消防当局およびメーカーが示す安全上の耐用年数と考えてよいでしょう。

実際、各メーカーの火災報知器も寿命目安に大きな差はなく、ほとんどが「約10年で交換」を推奨しています。業界団体である日本火災報知機工業会も「10年経ったら火災警報器を取り替えましょう」という全国統一キャンペーン(「とりカエルキャンペーン」)を展開し、住宅用火災警報器の設置から10年経過時の交換を呼びかけています。東京消防庁も広報資料で「住警器は設置から10年が交換の目安です。古くなると故障や電池切れで正常に作動しなくなるおそれがあります」と注意喚起しています。

交換時期の見極めサインとしては、「設置後10年経過」の他に、定期点検で動作不良が見られた機器(テストボタンを押しても鳴らない、ランプ不点灯など)や、警報音の異常・断続的な警告音(電池切れサイン)が出た機器、そして誤作動の増加も挙げられます。

とりわけ経年劣化した感知器ではホコリ蓄積や回路劣化で誤報が増えたり、逆に真の煙・熱に反応しにくくなっている恐れがあり、そうした兆候が見られた場合も交換のタイミングと言えます。

管理組合としては、自主管理であっても委託管理であっても、自分のマンションの火災報知器が設置後何年経過しているかをまず把握することが重要です。特に平成18年~23年頃に住宅用火災警報器の設置義務化に伴い設置されたものは、すでに更新時期に達している可能性が高いです。設置から10年を超えた機器は早めに交換計画を立てることが肝心です。交換済みの機器には次回交換予定時期の目安を書き込んでおくと、管理がスムーズになるでしょう。

誤作動増加時に考えるべきシステム更新の合理性

火災報知器の誤作動が目立って増えてきた場合、個別の感知器不良や環境要因の対処だけでなく、システム全体の更新を検討するタイミングかもしれません。誤作動が増えるのは前述の通り老朽化のサインであることが多く、同時期に設置された機器は一斉に寿命を迎えている可能性があります。こうした状況では、抜本的な解決策として機器をまとめて更新することが長期的に見て合理的です。

マンション全体で古い感知器を一斉交換すれば、以降10年程度は誤作動リスクを大幅に低減でき、住民の安心感も向上します。また、計画的に一括更新することで費用面の効率化も図れます。ばらばらに個別対応を繰り返すより、まとめて業者発注した方が単価が下がり、人件費や足場代(場合によっては高所作業に足場や高所作業車が必要)が重複しない分、結果的にコストを抑えられるケースが多いです。実際、マンションでは一斉交換により安全性向上と費用削減が可能です。

さらに、最新の火災報知器は旧型よりも誤報防止機能や防塵性能が向上している可能性があります。技術の進歩により、ホコリ侵入を防ぐ構造や、煙とホコリを判別しやすい高性能センサーを備えた製品も登場しています。古い機器を引きずるより、思い切って新型に更新することで今後のトラブルを減らせるメリットは見逃せません。特に無線式連動型の住宅用警報器など、最新の機器は設置場所や使い勝手の面でも改良が進んでいます(例えばキッチンには熱式を設置する、寝室には音声案内付きの煙式を設置する等)。誤作動の多い機器が設置場所と合っていない場合は、機器種類の見直しも含めてシステム全体を再構築する好機でしょう。

消防設備全般で見ても、受信盤(火災報知パネル)や非常ベル・配線類などは経年劣化により故障のリスクが高まります。誤作動対応に追われるようになった段階で、感知器だけでなく関連する設備も含めた包括的な更新計画を立てることは、防災上の信頼性向上と将来的なコスト安定化につながります。老朽化が進んでいれば、いずれ近い将来に大規模改修の一環として交換せざるを得なくなるため、早めに実施してしまう方がトータルで得策と言えるでしょう。

以上のように、頻発する誤作動は「機器の替え時」を知らせるサインでもあります。被害やクレームが大きくなる前に、計画的な設備更新によって根本解決を図ることが、管理組合にとって合理的な選択となります。

まとめ

マンションの火災報知器に誤作動が多い背景には老朽化や環境要因があり、放置すれば住民の安心と命に関わる重大な問題へ発展しかねません。管理組合として、日頃から消防法に則った定期点検の実施と記録共有を徹底し、設置後10年を目安に機器の更新を計画することが肝要です。誤報が増えてきたらチャンスと捉え、システム全体の見直し・更新を前向きに検討しましょう。その際は専門家の力も借りつつ、最適なプランで合理的に工事を進めれば、誤作動トラブルを防ぎながら安心安全な設備運用が実現できます。

定期的なメンテナンスと適時の交換によって、いざという時に火災報知器が確実に作動し大切な生命と財産を守れるよう、管理組合一丸となって防災対策に取り組んでいきましょう。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

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