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【マンション】大規模修繕の費用相場|修繕積立金で払えない時の対処法も紹介

更新日:2025年09月28日(日)

みなさんのなかには、マンションの大規模修繕を検討している人たちもいるはずです。そこで何よりも気になるのが修繕に要する費用の相場ですよね。とりわけ、工事の見積書に記載されている金額の妥当性を精査しなければ、組合全体での意思決定もできないはずです。 この記事では、マンションの大規模修繕工事に要する費用の相場について紹介しています。工事の周期や修繕積立金が不足した時の対応にも言及しているので、マンションの大規模修繕の費用を検討している人たちは参考にしてみてください。

本記事のポイント
  • 大規模修繕における戸あたり費用の相場を把握し、見積の妥当性が判断できるようになる。
  • 積立金だけで支払えない場合の延期、補助金活用、一時金徴収・借入・見直しなどの対応策がわかる。
  • 見積比較、契約内容チェック、専門家活用といったコスト見直し・リスク回避の方法を理解できる。

マンションの大規模修繕にかかる費用相場

さて、マンションの大規模修繕にかかる費用相場はどのくらいなのでしょうか?

大前提として、マンション1戸当たりの大規模修繕に要する費用は、修繕回数によって異なります。国土交通省が実施した「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によれば、1回目、2回目、そして3回目の費用相場は、以下の表に示した通りです。

修繕回数

中央値(税抜)

平均値(税抜)

1回目

110.2万円

151.6万円

2回目

106.1万円

112.4万円

3回目

97.0万円

106.1万円

上記の金額に共通仮設費と消費税を加味した場合は、以下の金額になります。

修繕回数

中央値

(共通仮設費・消費税込)

平均値

(共通仮設費・消費税込)

1回目

134.7万円

185.3万円

2回目

129.7万円

137.4万円

3回目

118.6万円

129.7万円

この表からもわかるように、マンション1戸あたりの大規模修繕にかかる費用相場は、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目の方が金額が低くなっています。これは、年代ごとに戸あたりの床面積の大きさが異なることに加えて、外壁の仕上げ材が違うことなどに起因しています。

しかしながら、同資料に記載されている床面積m2当たりの費用相場を確認すると、マンション床面積㎡あたりの費用相場は修繕回数を重ねる度に高くなっています。特に、築年数が20年以上のマンションが比較的高くなる傾向があります。

修繕回数

中央値

(共通仮設費・消費税込)

平均値

(共通仮設費・消費税込)

1回目

134.7万円

185.3万円

2回目

129.7万円

137.4万円

3回目

118.6万円

129.7万円

マンションの大規模修繕に見積費用に関する各項目

とはいえ、工事会社から取得した大規模修繕の見積費用が国土交通省の公開資料に記載された相場と近いからといって、適正な価格であるとは言えません。

なぜなら、現実の修繕工事には、マンションの大きさ、形状、素材、劣化状況、そして工事内容などの個別具体的な違いがあるからです。

そこで、ここでは大規模修繕の見積金額を適正に評価するために、費用に影響を与える具体的な要素を一覧化しておきます。

費用に影響を与える項目

詳細

戸当たりの大きさ

床面積が面積が大きくなるほど、大規模修繕の工事量が増えるので費用が増える可能性があります。

建物形状

上空から見た形状が正方形あるいは長細い長方形なのかによって床面積あたりの工事量が大きく変わります。

工事範囲

防水や床材の扱い方によって数十%変動します。一般的には、劣化度やリスクを基に優先順位を決めて対処します。また、ルーフバルコニーの有無も費用に影響し、防水や耐久性確保のための特別な修繕が必要になることで費用が増加します。

材料グレード

材料によっても大きく変わります。たとえば、屋上防水をシートにするかウレタン塗膜にするか、シーリングを標準仕様にするか長持ちする高耐久仕様にするか、外壁塗装をシリコンにするかフッ素にするかなど、選択次第で費用に大きなさが発生します。

戸数

戸数が多ければ多いほど規模の経済が働き、大規模修繕の費用を抑えることが可能です。逆に、戸数が少なければ少ないほど、大規模修繕の費用は割高になる傾向があります。

なお、通常のマンションと比べて、タワマンの費用は高くなる可能性はあるのでしょうか?結論から言えば、通用のマンションと同等程度になると想定されます。実際に、弊社が支援いたしましたタワマンの大規模修繕では戸あたり費用は一般的なマンションと同じくらいでした。

それを踏まえた上で、タワマンの大規模修繕費用が高くなる要因としては、高さ制限で足場が使えずゴンドラ工法になる場合の仮設費用や工期の長期化、特殊な工法の必要性、対応できる会社が限られ談合が起こりやすいことなどが挙げられます。

一方で、タワーマンション特有の規模による競争原理、内廊下で外装面積が少ないこと、戸数に比べて屋上やルーフバルコニーの防水工事が少ないことなどは費用を抑える要因になります。

工事費用を修繕積立金で払えない時の対処法

マンションの大規模修繕が生活を維持するために不可欠であるとはいえ、その費用が修繕積立金で賄えない時はどうすればよいのでしょうか?

ここでは、具体的な対処法を4つの視点から紹介していきます。

方法1 工事を延期して修繕積立金を増やす

第1に、工事を延期するのも選択肢の一つです。特に、全面工事の緊急性が高くない場合に有効な手段となります。

当然、工事を無期限に延長するわけにはいきません。例えば、タイルの落下による人身事故や屋上漏水多発による損害など大規模修繕の必要性が明らかであるにもかかわらず、延期を選択するのは問題です。

だからこそ、専門家による建物劣化診断などの結果を踏まえ、適切に判断しなければいけません。スマート修繕では、無料でプロに相談できる環境を整えています。これを機会に是非とも利用してみてください。

方法2 補助金や助成金を活用する

第2に、マンションの大規模修繕を対象とする国や地方自治体の補助金や助成金制度を利用する方法があります。条件を満たしているならば、必要書類を揃えて適切な手続きを行うことで修繕費用の一部を補填することが可能です。

ただし、補助金や助成金は後払いの仕組みが基本なので、工事費用の全額を先んじて支払える能力がないといけないことに注意してください。

方法3 一時金の徴収や借入による資金調達

修繕積立金だけでは工事費用をまかなえない場合、追加で資金を調達する方法も検討されます。

まず考えられるのが、「修繕積立一時金」の徴収です。これは毎月の修繕積立金とは別に、臨時で各戸から費用を徴収する方法です。一般的には、専有部分の面積などに応じて負担額を決めるのが一般的です。ただし、住民の一時的な経済的負担が大きくなるため、全員の同意を得るのが難しい場合もあります。なお、この方法は実際にはあまり多く用いられておらず、徴収が困難な場合には管理組合の財政に影響を及ぼすおそれもあるため、慎重な検討が必要です。

次に検討されるのが、金融機関などからの借り入れです。たとえば、独立行政法人住宅金融支援機構が提供する「マンション共用部分リフォーム融資」などが利用できる場合があります。借り入れを行う際には、長期的な返済計画を立てられるメリットがありますが、審査や利息負担が発生するため、事前に要件や条件をよく確認しておくことが重要です。

方法4 工事内容を見直す

第4に、大規模修繕の工事を担当する企業が提出した工事内容と見積書を見直すという手段があります。この方法が最も住民負担の少ない選択肢です。

具体的には、スマート修繕をはじめとする外部専門家の意見を聞きながら、工事の見積書を点検して余分な項目の有無や金額の適正をチェックします。さらに、建物劣化診断などの客観的な指標を使って修繕対象の優先順位を決定することで工事内容をピンポイントに限定し、工費を減らすという発想もあります。

また、複数の工事会社から見積を取ることを推奨します。必ずしも管理会社が紹介する工事会社を使わないといけないわけではありません。実際、依頼企業を変更するだけで大幅に値段が下がったなんてケースもあります。したがって、マンション管理組合が主体的に工事内容をセルフチェックすることが肝要です。

大規模修繕の費用を見直しする時の注意点

以上を踏まえて、大規模修繕の工事費用を見直すときの注意点を紹介します。

注意1 見直し体制を確立する

まずは事業者から知らされた工事内容や見積もりなどを含む大規模修繕の実行計画全体を見直す体制を確立しましょう。

残念ながら、談合や競合排除が少なくない業界ですから、管理組合主導で工事内容を見極める体制を構築しないと、支払わなくてもよかった費用までを上乗せされて請求されていることに気づかないおそれがあります。

なお、体制作りの段階から無料相談可能な外部の専門家をうまく活用するのも賢い選択です。専門的な知識がないと判断できない項目も多いですから信頼できるパートナーを見つけるよう心がけましょう。

注意2 複数社から見積書を取得して比較する

続いて、複数社から大規模修繕の見積書を取得して比較検討するよう注意してください。当然ながら、見積を取るのが1社のみの「特命随意」では競争原理が働きません。そのため、工事会社の中には専門知識がないという「足元」を見るケースも少なくないのです。

また、他の住民から癒着を疑われないためにも複数社から見積書を取ることで透明性を証明できるという利点もあります。

ただし、見積を依頼する会社数を増やしすぎると、次のような弊害もあります。

・採用確率の低下により工事会社のモチベーションが下がる

・見積比較や選定にかかる負担が増大する

・選択肢が多すぎて意思決定が難しくなる

以上を踏まえると、見積を依頼する工事会社の数は「3社程度」が最も適切と考えられます。

注意3 プロに契約書の内容をチェックしてもらう

マンションの大規模修繕工事においては、工事中や工事後にさまざまなリスクが発生する可能性があります。

工事中のリスク:建物への損害、作業員や住民の重大な事故、工事会社の倒産など

工事後のリスク:施工不良の発覚、アフターフォローが必要な時期に工事会社が倒産するなど

これらのリスクに備えるためには、工事保証や工事保険を適切に付帯した契約を締結することが重要です。特に、工事会社の信用力だけに依存するのではなく、万一の場合にも対応できる契約内容を確保しておく必要があります。

なお、保険や保証は補償範囲や補償額を広げれば広げるほど費用が増大するため、各マンションの事情に応じて、コストとリスクヘッジのバランスを考慮し、適切な水準を見極めることが求められます。

とはいえ、契約書を読み解くためにはプロに頼るのが最も効率的です。コミュニケーションの取りやすい、かつ実績と信用のある事業者を見つけてください。

大規模修繕の支援サービス「スマート修繕」

  • 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
  • ボリュームゾーンである30~80戸のマンションのみならず、多棟型やタワーマンションの実績も豊富で、社内にはゼネコン、修繕会社や修繕コンサルティング会社など出身の建築士等が多数いますので、お気軽にご相談ください。
  • 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

遠藤 七保

遠藤 七保

大手マンション管理会社にて大規模修繕工事の調査設計業務に従事。その後、修繕会社で施工管理部門の管理職を務め、さらに大規模修繕工事のコンサルティング会社で設計監理部門の責任者として多数のプロジェクトに携わる。豊富な実務経験を活かし、マンション修繕に関する専門的な視点から記事を監修。

二級建築士,管理業務主任者

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