ディー・エヌ・エー(DeNA)グループ 一級建築士事務所

スマート修繕
0120-409-914

24時間対応通話料・相談料 無料

病院用エレベーターのリニューアルガイド|成功させるコツ・コストダウン方法を紹介

更新日:2025年06月29日(日)

病院内におけるエレベーターは、患者の移動、医療機器の運搬、緊急時の対応など、医療施設の根幹を支える重要なインフラです。しかし、長年の使用により経年劣化が進み、故障リスクの増加や最新の安全基準への適合がリニューアル時の課題となります。本記事では、病院用エレベーターのリニューアルに関する基本知識から、リニューアルを成功させるコツ、コストダウン方法まで、実践的な情報を詳しく解説します。

本記事のポイント
  • 病院用エレベーターの特徴や一般的な機種との違いがわかる。
  • リニューアル方法ごとの費用・工期・メリットを把握できる。
  • 補助金の活用や工事コストを抑える具体的な方法を学べる。

電話で無料相談

0120-409-914

24時間対応通話料・相談料 無料

Webから無料相談

専門家相談する

XfacebookLINEはてなブックマークメール送信

病院用エレベーターとは?

病院用エレベーターは、一般的な乗用エレベーターとは大きく異なる特殊な仕様を持った昇降機です。その最大の特徴は、医療現場特有のニーズに対応した設計にあります。

病院用エレベーターの最も重要な特徴は、ベッドやストレッチャーの運搬に対応した広いかご内空間です。一般的な乗用エレベーターが9〜10人乗りであるのに対し、病院用エレベーターは11人乗りから最大23人乗りまで様々なサイズが設定されています。特に寝台用エレベーターは、ストレッチャーや移動ベッドの搬送を考慮し、奥行き方向のスペースを広く確保し、積載荷重も面積の割に軽量化されています。

病院用エレベーターには、緊急時に迅速な対応ができる特殊機能が標準装備されています。緊急呼び戻しボタンや専用運転切替機能により、途中階からの呼び出しに応じることなく直接目的階へ移動可能です。また、扉の開閉時間延長機能は、移動に時間がかかる患者や慎重な取り扱いが必要な医療機器の運搬時に重要な役割を果たします。

病院環境においては、感染防止と安全確保が最優先されます。カゴ内には抗菌処理されたハンドレールが設置され、カゴと建物の間のすき間も最小限に抑えられています。さらに、地震時管制運転装置や停電時自動着床装置などの最新安全装置により、災害時の安全確保も図られています。

病院用エレベーターのリニューアル方法

病院用エレベーターのリニューアル方法は、現状の設備状況、予算、工期などを総合的に考慮して選択する必要があります。主要なリニューアル方法は以下の3つです。

全撤去新設リニューアル

全撤去新設リニューアルは、既存のエレベーター設備をすべて撤去し、最新のエレベーターに完全入れ替える方法です。費用は約1,500万円〜2,500万円と高額ですが、最新技術や安全基準に完全対応したエレベーターに刷新できます。新しいエレベーターの製作期間は約50日〜120日、その後の工事期間は約45日〜90日となります。

準撤去リニューアル

準撤去リニューアル工事は、建物に固定されている三方枠や敷居などは再利用し、ロープやカゴ、巻上機、制御基板などの主要機器を最新のものに交換する方法です。費用は約1,200万円〜1,700万円で、新しいエレベーターの製作期間は約50日〜120日、その後の工事期間は約40日〜60日となります。全撤去新設に比べコストを抑えつつ、主要機能の更新が可能です。

制御リニューアル工事

制御リニューアル工事は、制御盤や電気系統のみを更新する部分的なリニューアルです。費用は約600万円〜と最も安価で、工事期間も約7日〜10日と短期間で完了します。24時間稼働が求められる病院では、この工期の短さが大きなメリットとなります。

病院用エレベーターのリニューアルを成功させるコツ

病院用エレベーターのリニューアルを成功させるためには、以下の3つの重要なポイントを押さえる必要があります。

その1 工事費用の適切な相場を調べる

エレベーターリニューアル工事の適正価格を把握することが成功の第一歩です。リニューアル方法や建物の階数、エレベーターの台数など、工事規模により費用は大きく異なりますが、制御リニューアルで約600万円〜が一般的な相場です。特に病院用エレベーターでは、緊急呼び戻し機能や福祉用、地震時管制運転装置などの特殊機能により追加費用が発生する場合があります。また、工事期間中の代替手段確保費用や、夜間・休日工事による割増費用も含めた総合的な予算計画が重要です。

その2 複数の事業者から見積もりを取得する

複数の事業者から見積もりを取得し比較検討することで、適正価格と最適な工事内容を見極めることができます。メーカー系保守会社と独立系保守会社では価格に大きな差があり、メーカー系のフルメンテナンス契約が月額4万円〜6万円に対し、独立系では月額3万円程度と差が生じます。見積もり取得時は、リニューアル範囲の明確化、安全装置や特殊機能の費用詳細、工事期間と病院運営への影響度、アフターサービスや保証内容の確認が重要です。

その3 専門家に相談する

エレベーターリニューアルは高度な専門性を要するため、専門家のアドバイスが成功の鍵となります。エレベーターコンサルタントなどの専門家に相談することで、適切なリニューアル方法の選定、見積もり内容の妥当性チェック、最新安全基準への対応確認、工事スケジュールの最適化が可能になります。特に病院用エレベーターは患者安全と医療活動継続性に直結するため、専門的知識を持つ第三者の意見が重要です。専門家のアドバイスにより、工事期間を最小限に抑えながら、補助金や助成金の活用についても情報提供できるため、コスト削減にも貢献します。

病院用エレベーターのリニューアル工事にかかるコストダウン方法

病院用エレベーターのリニューアル工事では、以下の方法でコストを効果的に削減できます。

適切なリニューアル方法の選択

現状設備の状態を正確に評価し、必要最小限のリニューアルを選択することで大幅なコスト削減が可能です。カゴや三方枠の状態が良好であれば、制御部分のみのリニューアルにより費用を抑えられます。例えば、油圧式エレベーターでは、既存部品を流用し、油圧式エレベーターから油圧式エレベーターの制御リニューアルにより、コストを抑制しながら安全性と操作性を向上させます。

独立系保守会社の活用

メーカー系保守会社に加えて独立系保守会社からも見積もりを取ることで、競争原理により30〜50%のコスト削減が期待できます。ただし、マシンルームレスエレベーターなど特殊タイプでは対応可能な独立系保守会社が限られるため、事前確認が必要です。

保守契約の見直し

リニューアル後の保守契約を含めた総合的なコスト検討が重要です。フルメンテナンス契約からPOG契約への変更により、メーカー系の月額4万円〜6万円から独立系の月額1.5万円程度への削減が可能です。ただし、POG契約では部品交換や修理が別途費用となるため、トータルコストでの判断が必要です。

補助金・助成金の活用

エレベーターリニューアル工事には、国土交通省の「エレベーターの防災対策改修事業」による1台あたり最大950万円の補助金が利用できます。対象工事は地震時管制運転装置設置、主要機器耐震補強、戸開走行保護装置設置、釣合おもり脱落防止措置、主要支持部分の耐震化です。また、新宿区の「エレベーター防災対策改修支援事業」など、地方自治体独自の補助制度も活用可能です。

施工時期と工法の最適化

病院運営への影響を最小限に抑える工事計画により、間接的なコスト削減が実現できます。とある病院の事例では統計的に救急入院が少ない11月に工事を実施し、工期短縮工法の採用によりエレベーター停止期間を最小化しています。

まとめ:専門家に相談するのが近道

病院用エレベーターのリニューアルは、患者の安全と医療活動の継続性に直結する重要な工事です。成功のためには、適切なリニューアル方法の選択、複数事業者からの見積もり取得、そして専門家への相談が不可欠です。

特に専門家への相談は、適正価格での質の高い工事実現への最短ルートです。エレベーターコンサルタントなどの専門家は、見積もり内容の妥当性チェック、最新安全基準への対応確認、補助金・助成金の活用方法など、多角的な視点からのアドバイスを提供します。

病院用エレベーターは医療機関の重要インフラとして、安全性と信頼性が最重要視されます。コスト削減も重要ですが、安全性や機能性を損なわない適切なバランスが求められます。専門家のサポートを受けながら、病院の特性と予算に合わせた最適なリニューアル計画を立てることで、長期的に見て最も効果的な投資となるでしょう。

病院用エレベーターの耐用年数は20年〜25年とされており、この時期を迎えたエレベーターは計画的なリニューアルが必要です。部品供給停止のリスクも考慮し、早めの検討開始が重要です。適切な専門家との連携により、安全で効率的な病院用エレベーターのリニューアルを実現しましょう。

記事をシェア

XfacebookLINEはてなブックマーク

エレベーター等修繕の支援サービス「スマート修繕」

  • 「スマート修繕」は、一級建築士事務所の専門家が伴走しながら見積取得や比較選定をサポートし、適正な内容/金額での工事を実現できるディー・エヌ・エー(DeNA)グループのサービスです。
  • エレベータのリニューアル工事の支援実績は多数(過去1年で数百基、2025年2月現在)。特殊品である高速、油圧、リニア、ルームレスの実績もあり、社内にはエレベーター会社、ゼネコン、修繕会社など出身の施工管理技士等の有資格者が多数いますので、お気軽にご相談ください。
  • 事業者からのマーケティング費で運営されており、見積支援サービスについては最後まで無料でご利用可能です。大手ゼネコン系を含む紹介事業者は登録審査済でサービス独自の工事完成保証がついているため、安心してご利用いただけます。

電話で無料相談

0120-409-914

24時間対応通話料・相談料 無料

Webから無料相談

専門家相談する

本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

坂本 高信

坂本 高信

独立系最大手のエレベーター会社にて、営業現場および管理職として18年間従事。リニューアル、保守、修繕といった複数の部署で実務経験を積み、営業部長などの管理職も歴任。多様な案件を通じて、エレベーターの運用と維持に関する専門知識を培う。その豊富な現場経験を活かし、エレベーターリニューアルに関する実用的かつ現実的な視点から記事を監修。

スマート修繕なら

適正価格の工事を実現

0120-409-914

24時間対応通話料・相談料 無料

telWebで無料相談する
tel電話で無料相談する(24時間対応)

※携帯・スマートフォンからも通話料無料