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マンションの外壁調査、ドローンの活用で低コスト、短期間、効率化を実現!

更新日:2024年09月04日(水)

マンションの外壁調査、従来は検査員が足場やロープを活用した高所作業で確認する方式をとっていました。それにはコスト面、時間面などの課題がありました。 近年、そこらの代替手段として台頭してきているのが、ドローンを活用した外壁調査です。従来の方式と比べ、低コスト、短期間であり、かつ画像/赤外線データが残る(地震保険の検討などに活用可能)などのメリットがあります。 この記事では「ドローンを活用した外壁調査とは?、その実施方法」、「マンションの12条点検とは?」、「ドローンを活用するメリット/デメリット」、「費用相場」について解説します。 これらの情報が少しでも皆様のお役に立つと幸いです。

本記事のポイント
  • マンションの外壁調査にドローンを活用することで低コストかつ短期間で効率的な調査ができることがわかる。
  • 赤外線データを活用し、タイルの浮きなどの細部まで正確に把握できるメリットがわかる。
  • 従来の方法と比較して、より精度の高い調査結果が得られることが確認できる。

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ドローンを活用した外壁調査とは?、その実施方法

マンションの外壁調査は、建物の安全性を確保するために重要な作業です。

しかし、従来の方法では、高所作業車やロープアクセス、足場を設置するなど時間とコストがかかる問題がありました。そのような中、近年ではドローンを活用した外壁調査が注目されています。

ドローンには赤外線装置が搭載可能で、赤外線装置により撮影されたタイル貼り等の被写体表面の熱画像で確認できる表面温度差によって、マンション外壁のタイル等の浮きの有無や程度を調査することができます。

以前から赤外線調査は行われていましたが、ドローンを使用することで「接写」が可能となり、精度の高い調査を行うことが可能となりました。

ドローンを活用したマンションの外壁調査は、以下の手順で行います。

1.調査計画の立案

(1)ドローンによる赤外線調査の適用条件

調査の目的、範囲、方法を明確にします。ドローンによる赤外線調査の適用条件について、調査時の気象条件(天候、環境温度、風速、建物方位(北面は撮影が困難)等)、建物条件(タイルの種類、建築物の形状等)、周辺環境(建築物からの放射熱の影響等)、撮影条件(赤外線装置、撮影角度、離隔距離等)等を把握し、事前調査によりドローンによる赤外線調査が可能な部分を確認した上で、調査計画書を作成します。

(2)打診との併用の必要性

調査の実施に先立ち、同一部位において打診調査とドローンによる赤外線調査を実施し、ドローンによる赤外線調査による浮きの検出状況の確認を行い、その結果、検出が難しいと判断される部位については測定条件の変更、打診での調査とする必要があるかを検証します。

(3)ドローンの飛行の可否と安全対策

ドローンによる赤外線調査の適用条件を踏まえ、対象建物条件(建物高さ、建物からの離隔距離等)、その周辺の環境条件(電波環境、障害物等)、航空法等を事前に確認し、ドローンの安全飛行が可能となる安全装置や安全管理対策を講じます。

2.事前調査

事前調査では、ドローンによる赤外線調査の適用条件の把握及び飛行の可否と安全対策の検討を踏まえ、事前に予備調査に加えて現地調査を実施することを原則とします。事前調査では主に以下の事項を実施します。

  • ドローン飛行可否判断と飛行安全対策の確認
  • 定期調査業務に基づく予備調査
  • 日射の状況の確認
  • 調査可能な時間帯の確認
  • 建築物の構造・形状および外壁の仕上げ材の確認
  • 建築物の近隣状況の確認
  • ドローンの飛行方法と赤外線装置の撮影方法の確認
  • 打診との併用による確認を実施する箇所の検討
  • 事前調査結果に基づく飛行書類作成及び申請
  • 事前調査の結果確認
  • 国土交通省DIPSによる飛行計画の登録、飛行禁止エリアの確認

3.調査計画書の作成

調査概要と調査実施体制を整理し、調査計画を立案、調査計画書を作成します。また、ドローンの仕様・性能、調査方法、安全管理等を含めたドローン飛行計画書を作成します。建築物の形状や調査当日の環境条件等によっては、撮影の時間帯や赤外線装置の位置や角度を変えて撮影することが必要になることもあるため、適切に対応できるように検討します。

調査計画書は、主に以下の事項を含めて作成します。

  • 建築物概要
  • 調査実施体制
  • 調査実施日
  • 赤外線装置及びドローンの仕様・性能
  • ドローンによる調査方法と安全管理
  • 調査対象の外壁面のうちドローンによる赤外線調査を実施する箇所及びその他の方法で調査を実施する箇所
  • 調査時の適用条件の確認方法
  • 打診との併用による確認を実施する予定の箇所
  • ドローン本体の機器性能確認
  • その他必要な事項

また、ドローン飛行計画書は、以下の内容が含まれるように作成します。

  • 調査概要(建築物名、調査内容と調査範囲、飛行許可・承認情報、資格、加入保険、補助者の配置等)
  • 調査方法(調査手段と撮影方法、調査環境条件、作業区域の配置図、飛行ルート図)
  • 仕様・性能等(調査責任者等氏名、飛行経歴、使用機体・赤外線装置・持込機材等)
  • 安全管理(役割分担・指揮系統、作業区域、安全装備類・安全システム、緊急時対応)
  • 添付資料(飛行許可・承認申請書等)
  • その他必要な事項

4.外壁調査の実施

調査の実施に先立ち、同一部位において打診とドローンによる赤外線調査を実施し、ドローンによる赤外線調査(12条点検の必須項目※12条点検については後述します)による浮きの検出状況の確認を行った上で、 調査計画に従い、調査を実施します。調査対象の建築物の立地条件や外壁の仕上げ材の種類、画像を撮影した時の環境条件等についてあらかじめ情報を整理し、反射等の外部の影響を取り除きながら分析を行い、熱画像による浮きの判定を実施します。また、飛行時間を記録した飛行日誌が義務付けられています。

5.調査報告書の作成

調査で得たデータを分析し、必要な修繕箇所や状態の悪い箇所を特定します。調査報告書は、以下の内容が含まれるように作成します。

  • 建築物概要(建築物名、所在地、構造・階数、竣工年、仕上げ材の概要、補修歴)
  • 調査実施体制(調査会社名、調査責任者名等、資格等)
  • 調査実施日、調査時の天候及び環境条件
  • 赤外線装置の仕様・性能
  • 調査対象の外壁面のうちドローンによる赤外線調査を実施した箇所及びその他の方法で調査を実施した箇所
  • 調査時の適用条件に関するチェックリスト
  • 打診との併用による確認を実施した範囲、結果の明示
  • 浮きと判定した箇所を明示した外壁調査結果図
  • 熱画像及び可視画像

以上が、ドローンを活用したマンションの外壁調査の基本的な実施方法です。従来の手法と比べコストと時間を大幅に削減できるだけでなく、詳細で多面的な調査結果を得ることが可能になります。

参考:国土交通省「定期報告制度における赤外線調査(無人航空機による赤外線調査を含む)による外壁調査 ガイドライン」

マンションの12条点検とは?

12条点検とは、「官公庁施設の建設等に関する法律(官公法)」及び「建築基準法(建基法)」で規定されているマンションなどの建築物(敷地含む)、昇降機、建築設備、防火設備について、損傷・腐食その他の劣化状況などの点検を行うもので、建物の安全性を確保する上で非常に重要な点検です。

「官公庁施設の建設等に関する法律(官公法)」と「建築基準法(建基法)」は別の法律ですが、点検に関しては、官公法では建基法では対象とならない規模の施設についても点検が規定(点検の内容としては、建基法に近い内容となっており、一部点検項目の除外(項目がないもの)がある。)されています。官公法、建基法共に第12条に点検が規定されています。

引用:国土交通省住宅局「マンション政策の現状と課題」, 高経年マンションのストック数の推移

外壁調査に関しては、外装仕上げ材等におけるタイル、石貼り、モルタルなどの劣化及び損傷の状況の調査について、平成20年国土交通省告示第282号において、おおむね6ヶ月から3年以内に一度、手の届く範囲の打診等に加え、おおむね10 年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等を行うことが義務付けられました。

だだ、10 年に一度、外壁の全面的な打診調査は容易ではありません。打診調査の場合、仮設足場、ゴンドラ、高所作業車などを使用して、打診用ハンマーを用いて外壁を打診、打診音で浮きを確認する方法となりますが、コストが高く、安全性、効率性の観点からも優れた方法ではありません。そこで、代替方法としてドローン(赤外線調査)を活用して外壁調査を実施することが国土交通省により認められ、近年注目されています。

※大規模修繕工事を直近で実施する場合、12条点検の内容が工事範囲に含まれていれば、該当項目については12条点検としての実施は不要となります。

【剥落リスクのある外壁タイル】

ドローンを活用した外壁調査のメリット/デメリット

代表的なメリットは以下の4点となります。

1.コストの低減

従来のゴンドラ、ロープ、足場を仮設したうえで、検査員が長時間検査していた手法と比べ、コストが大幅に低減できます。

2.調査時間の短縮

調査時間を大幅に短縮できます。ドローンは高速で飛行し、広範囲を短時間で調査することができます。これにより、調査にかかる時間を大幅に削減することが可能です。

3.高所作業のリスクの低減

従来の人手による調査では、建物の高所に人間が登る必要がありました。これは作業者にとって大きなリスクを伴います。しかし、ドローンを使えば、地上から操作するだけで高所の調査が可能となり、作業者の安全を確保できます。

4.画像データの入手

ドローンに搭載されている高解像度カメラ/赤外線カメラの画像情報を入手できます。これにより、外壁の網羅的かつ詳細な情報が入手できます。地震保険の検討などに活用することも可能です。

いっぽう、代表的なデメリットは以下の2点となります。

1.天候の影響のうけやすさ

風雨の影響(特に雨)によりドローンを飛ばすことができないケースがあります。

2.立地、箇所による飛行制限

地域によって法律や規制によりドローンの飛行を制限されることがあります。特に都市部や空港の周辺、地上から150メートル以上の高さ※では、安全上の観点からドローンの使用が厳しく規制されています。なお、ドローンを私有地の上空で飛ばす場合、地主の承諾が必要になる場合があります。

※地上150メートル以上の空域について、物件から30メートル以内の空域については、飛行禁止区域から除外されます。

出典:国土交通省「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」

ドローンを活用した外壁調査の費用相場

ドローンを使用した外壁調査の費用は、ドローンの種類や調査の範囲、調査に必要な時間などによって大きく異なります。

一般的な相場としては、数十万円から数百万円程度が目安(調査対象建物やエリアにより異なる)となります。

ドローンによる外壁調査は、従来の手法に比べて時間短縮、リスク低減、詳細なデータ収集といったメリットがあり、これらメリットを考慮すれば、コストパフォーマンスとしては十分に期待できます。

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本記事の著者

鵜沢 辰史

鵜沢 辰史

信用金庫、帝国データバンク、大手不動産会社での経験を通じ、金融や企業分析、不動産業界に関する知識を培う。特に、帝国データバンクでは年間300件以上の企業信用調査を行い、その中で得た洞察力と分析力を基に、正確かつ信頼性の高いコンテンツを提供。複雑なテーマもわかりやすく解説し、読者にとって価値ある情報を発信し続けることを心掛けている。

本記事の監修者

別所 毅謙

別所 毅謙

マンションの修繕/管理コンサルタント歴≒20年、大規模修繕など多くの修繕工事に精通。管理運営方面にも精通しており、アドバイス実績豊富。 過去に関わった管理組合数は2千、世帯数は8万を超える。 メディア掲載「WBS(ワールドビジネスサテライト)」、「NIKKEI NEWS NEXT」、「首都圏情報ネタドリ!(NHK)」、「めざまし8」、「スーパーJチャンネル」。

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